「千の風になって」のCD売り上げが1位になっていると言います。NHK紅白歌合戦で歌われたことがCDの売れ行きに火をつけたようです。
この詩が朝日新聞で紹介されたのは2003年夏のことです。欧米では古くから知られていたこの詩は、様々な場で朗読されていました。1977年アメリカで俳優ジョン・ウェインが映画監督のハワード・ホークスの葬儀で朗読しています。1995年アイルランド共和軍との戦闘で倒れたイギリス兵士が家族に宛てた手紙の中にこの詩があり、イギリスでは大きなブームが起こりました。2002年ニューヨークで行われた同時多発テロ追悼集会では遺族が詩を朗読しました。
追悼で朗読される詩は、普通残されたものが死者に語りかけるかたちをとります。しかしこの詩は死者が生者に語る形式をとっています。残された者が、先立った者から見守られながら、どう生きるべきかを考える詩のように思えます。
原文は英語で書かれています。中学生の皆さんは、原文に挑戦してみて下さい。
a thousand winds
Do not stand at my grave and weep;
I am not there, I do not sleep.
I am a thousand winds that blow.
I am the diamond glints on snow.
I am the sunlight on ripened grain.
I am the gentle autumn’s rain.
Why you awaken in the morning’s hush,
I am the swift uplifting rush
Of quiet birds in circled flight.
I am the soft stars that shine at night.
Do not stand at my grave and cry;
I am not there,I did not die.