教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

子どもたちは広告塔ではない

2012年04月05日 | 学校の話題
 今年も4月を迎え、学生たちは新しい生活のスタートをきろうとしている。しかし私はこの春の受験期に、とても残念な出来事に悩む同僚に出会った。

 関西の私立高校には『専願』という制度がある。他の高校(その多くは公立進学校)の滑り止め=『併願』として受験するのではなく、合格すれば絶対にその高校に進学するという約束の制度である。『専願』受験は、その高校を本命としているため『併願』者よりも合格ラインが緩く設定されているのが普通である。ところが『専願』で希望の高校に合格した生徒が、今度は『併願』で他の私立高校の二次募集を受験したいと言い出した。聞くと、既に合格した高校に入学するのだけど「受験料を出すから是非に他の高校も受験して欲しい」と塾の先生に頼まれ断りきれないとのことであった。

 大阪府下の一部高校で成績優秀者にいくつもの大学を受験させ合格者数を水増ししていたことがあった。マスコミにも取り上げられ、是正されたと聞く。しかし全く同じことが塾の指導で行なわれているのだ。新学期を迎え、塾のチラシには有名高校の合格者数が満載である。その中に、あの生徒の合格も数えられていると思うと複雑な思いをするのである。


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