この夏のことである。街頭補導で何度か声をかけたことのある市内の中学生に、偶然出会った。T警察署の中で、手錠と腰縄を打たれ、左右を二人の刑事に挟まれてである。本人にとっては予想もしない事態の急変に、顔色は無く表情はこわばっていた。1mと離れていない私に彼は気づきもしない。
彼と最初に出会ったのは、去年の10月のある日曜日のことだった。校区の文房具屋さんでの万引きが原因だった。店長さんに捕まったが反省の姿勢が見られない。名前をたずねると「東町中のAや」と答えたので、すぐに学校に電話がかかってきた。たまたま出勤していた私が迎えに行くと、実在する「東町中のA」とは別人の、小学生のような半ズボンの少年がそこにいた。それが○中のB君だった。東町中生ではないので私が引き取るわけにいかず、○中に電話をかけたが日曜日で誰もいない。その日はT警察に引き渡した。それが「縁」となり、千里中央のゲームセンターで見かければ声をかけるようになった。
彼は今回こそ自分の犯した罪に気づくことができるだろうか。少年鑑別所に面会に来る、あるいは家庭裁判所の審判に出席する家族の悲しむ顔を見て、二度と過ちを繰り返さない決意を胸に刻むことができるだろうか。外からの力で規制されるのではなく、自分の中に善悪の基準を持つことができるようになってほしい。彼の後姿を眺めながら、そう願った。
彼と最初に出会ったのは、去年の10月のある日曜日のことだった。校区の文房具屋さんでの万引きが原因だった。店長さんに捕まったが反省の姿勢が見られない。名前をたずねると「東町中のAや」と答えたので、すぐに学校に電話がかかってきた。たまたま出勤していた私が迎えに行くと、実在する「東町中のA」とは別人の、小学生のような半ズボンの少年がそこにいた。それが○中のB君だった。東町中生ではないので私が引き取るわけにいかず、○中に電話をかけたが日曜日で誰もいない。その日はT警察に引き渡した。それが「縁」となり、千里中央のゲームセンターで見かければ声をかけるようになった。
彼は今回こそ自分の犯した罪に気づくことができるだろうか。少年鑑別所に面会に来る、あるいは家庭裁判所の審判に出席する家族の悲しむ顔を見て、二度と過ちを繰り返さない決意を胸に刻むことができるだろうか。外からの力で規制されるのではなく、自分の中に善悪の基準を持つことができるようになってほしい。彼の後姿を眺めながら、そう願った。