教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

深夜無断外出の結末①

2009年10月06日 | 生活指導
 深夜に家を抜け出し外出をしていたという事実が分かりました。ある者は、こっそり家を抜け出し、ある者は親の制止を振り切って。ちょっとした冒険心から、つかの間の開放感を味わおうと思っていた、友だちに誘われて仕方なくなど、その動機は様々ですが、結果として2時過ぎから明け方の5時過ぎまで、数名の中学生が家を空けていました。

 無断外出に参加した生徒たちのそもそもの目的は、心霊スポットの探検ということで、犯罪を犯そうと思ったわけではないとのことです。しかし夜間の無断外出に関しては、私にはとても辛い思い出があります。

 私の回想

 私がY警察署の電話を受けたのは、朝の9時。事務室にホッチキスの針をもらいに行った時だった。「○○という名前の生徒が、欠席者の中にいるかどうか教えてくれますか。」という内容だった。すぐに調査し折り返し電話を掛けると伝え、警察署の連絡先を確認した。各学年の欠席者を調べると、2年生に該当する生徒の欠席があった。「体調が悪く休む」という欠席連絡が朝に保護者からあったと言う。その報告に私は安心し、Y警察に電話を入れた。

 Y警察の対応は予想とは違った。「欠席している生徒が自宅にいるか、確認して欲しい。」「実は今朝未明にバイク事故があり、少年が亡くなっています。身元不明ですが、下着に○○という苗字が書かれていました。それで管内の中学校から順に欠席者を調べてもらっているのですが、該当者がいなかったので周辺の中学校にも、依頼しています。」

 私はすぐに○○の家に電話を入れた。保護者は仕事に出かけたのか、誰も電話に出ない。それで一つ違いの中3の兄を授業中に呼び出し、事情を聞くことにした。

 「実は・・・朝起きたら居なかった。」

 Y警察に連絡を入れた。すぐ身元確認に来て欲しいという。念のため、春に撮影したクラス写真の顔を、よく確認してから向かった。

 死体安置所に横たわる少年は、たしかに○○だった。