教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

第4回国連WFP生徒作文コンクール入賞作品《中学生部門佳作》

2007年10月22日 | 子どもたちの声
 国連WFP協会は、飢餓と貧困の撲滅を使命とするWFP 国連世界食糧計画を支援する認定NPO法人です。日本国内において世界の飢餓問題や食糧援助活動に関する情報発信を行い、多くの人々が容易に参加できる支援の方法と機会を広く提供し、日本社会からの物心両面の貢献が格段に高まることを団体の目的としています。この夏休み社会科の宿題として中学1・2年生は飢餓と貧困についての作文を作成し、国連WFP協会のコンクールに応募しました。そのなかで1年生の○○○○○さんの作文が入選したので皆さんに紹介します。

【世界中の幸せの為に私が出来る事  ○○○○○(1-2 ○○小卒)】
 今、世界では五秒間に一人、五才未満の子供たちが幼い命を落としています。その原因は飢えです。

 「世界は食糧不足なのか。」

 私はそう考えました。でもちがうのです。世界には全ての人々が食べるのに十分な食糧があるのです。それにもかかわらず、どうして毎日五才未満の子供たち一万八千人を含む二万五千人の人達の命が失われてしまうのでしょうか。それは、日本を含む先進国の食生活に問題があるからです。

 私たち日本人にとって食事は当たり前のものになっています。そして、たくさんの食べ物を残し、それを捨ててしまう。そんな事を平気でやっているからです。一人ずつが食べ残した物を集めると発展途上国の多くの方の命を救えると私は思います。だから私はお米一粒一粒を大切にし、自分がおいしい物を食べれている裏では、食糧不足で亡くなられている方がいるというのをいつも頭の片隅に残しておこうと思いました。

 食事以外にも、物を大切にしないといけないと私は思います。例えば短くなった鉛筆。すぐに捨ててしまわないで工夫して使う。これがその物に対する礼儀だと思います。先進国では物を粗末に扱い、発展途上国では様々な物が不足し、勉強ができないというのはおかしいからです。人は皆、平等なはずなのにどうしてこんなに差がでてしまうのか、本当に不思議です。

 この五年間、開発途上国の飢餓人口は減るどころか、一年に四百万人のペースで増えているそうです。先進国が幸せな生活を送っていくにつれて、開発途上国は苦しい思いをすることになるのです。

 このことを考えて、改めて私たちにもなにか出来ないかと思いました。私たちに出来ることはとても簡単なことです。でも、とてもとても大切なことで、出来るか出来ないかで大きく分かれます。まず一つ目は募金活動などに積極的に参加することです。一円でもいいから貧しい国の人達にお金を寄付する。そして少しでもいいから力になってほしいという気持ちを持ち続ける。そういう一つ一つのことが大切だと思います。次に、現在の世界の国々を知ることが大切です。私はWFPのホームページを見たり本で調べてやっと世界中全ての人が幸せということがないということに気づきました。この事を知ってからは、私の食べ物に対する思いや募金活動に参加しようという気持ちが強くなりました。だから、世界の状況を知ることも平和とつながると私は思います。

 世界中、全て平等社会になるには、一人一人のなにげない努力が大切なのです。



完全燃焼!体育委員長に聞く

2007年10月20日 | 子どもたちの声
中学校体育大会について、体育委員長の○○○○さんに感想を聞きました。

 ・・・・・・・・

体育委員長 ○○○○(3-1 ○○○卒)
 今年の体育大会を私は体育委員長として迎えました。1年生の時に3年生の先輩のセレモニーにあこがれて委員長になりました。けれど実際に委員長になってみると自分にできるのか不安でした。体育大会までに何回か予行をし、放課後も残ってみんなでライン引きをしたり、先生方に教えていただきながら審判練習をし、いよいよ体育大会本番となりました。みんなと協力して審判をやり遂げられ、大きなけがをした人もなく、無事に体育大会を終えることができたと思います。こんなに最高な体育大会をできたのは、体育委員のメンバー、手伝ってくれた人たち、そして先生方の支えがあったからだと思います。私にとって、すごく大変だったけど、やりがいがあり、達成感のあった中学校最後の体育大会でした。

 ・・・・・・・・

 ベトナムに「水を飲むときには水を汲んだ人のことを忘れるな」という格言があります。水道が普及した日本で生活する私たちには水汲みの苦労が実感しにくいかもしれません。しかし当たり前のことですが、全ての物事は準備があって可能となります。運動場に整然と引かれたラインを見たとき、皆さんは何回もラインを引きなおした人たちがいることを考えたでしょうか。
 体育大会の後片付けをしている時に、ある係の生徒が「先生!荷物がなくなりました。」と言いにきました。探してみると荷物は教室にありました。係の仕事で忙しい生徒の荷物を、当然のこととして黙って運んでくれたクラスの人がいたのでした。縁の下で働いた各係の取り組みや、このような小さな「助け合い」が無数にあって体育大会が成功に終わったのだと改めて思いました。


一人暮らしの小学生

2007年10月19日 | 子どもの事件
インターネットを通じて知り合った小学6年の女児(12歳)を8日間にわたり自宅に連れ込んでいたとして、警察は10月13日に未成年者誘拐容疑で二十歳の男性を逮捕したと発表しました。携帯電話を利用したインターネット事件という面は気になりましたが、それよりもテレビ報道の中で「女の子は一人暮らしをしていたので家に帰りたくなかった」というコメントが流れたことが私の心に引っかかりました。その後「一人暮らし」という件について触れた報道に私は接していないため、詳しい事実については分かりません。「6ポケット」と言われ、至れり尽くせりの手厚い保護を受けている「豊かな」子どもが多くいるし、その親の保護=干渉がうっとおしいと感じる小中学生も少なくないと思います。しかしその一方で一人暮らしをしている小学生がいるという事実を深く受け止めなければなりません。

私が勤めた13年の間に一人暮らしをせざるをえなかった○中生は何人かいました。親の入院等の一時的な理由で一人暮らし(場合によっては兄弟二人暮らし)をした生徒については、学校や地域・行政の支援と、何よりも本人の努力で危機を乗り越えてきました。しかし親を失った生徒については、やむなく施設保護をしました。この事件の小学生が再び家庭を取り戻すことを願わずにはおられません。

鬼の形相も、悔し涙も、歓喜の声も全て美し~体育大会②

2007年10月18日 | 学校の話題
職員室の会話から
・リレーで追いつくはずがないぐらい離されても、決して手を抜かず必死で走る姿は本当に素敵だと思った。(中学校)
・誰一人としてふざけている生徒がいないのに感心しました。(小学校)
・中学校に入ったら知らない生徒が次々と挨拶してくれた。運動場が分からず戸惑っていると案内してくれる生徒がいて中学生はさすがだと思った。(小学校)
・係りの生徒は競技が終わったらすぐに走ってきて仕事をしていた。スゴイと思った。(中学校)

 小学校の運動会に来られていた地域の方は「子どもや孫が出ているわけでもないのに、小学生が真剣に組体操をしている姿をみると涙が出てきます。」とおっしゃっておられました。子どもたちは家庭や学校以外でも、このような暖かな眼差しに支えられているんだなとつくづく思いました。

 小学生の感想文を紹介します。

【○○小学校 6年1組 ○○○○】
 この前は体育祭に招待していただきありがとうございました。応援旗や応援パフォーマンスがとてもすごくて、リレーではみんな走るのが速く走る距離が長い人もとても頑張っていて迫力もあり、とてもすごかったです。招待リレーの『台風の目』では、中学生みなさんと協力でき良かったです。来年はお世話になると思いますが、よろしくお願いします。



鬼の形相も、悔し涙も、歓喜の声も全て美し~体育大会①

2007年10月10日 | 学校の話題
 10月8日、中学校の体育大会が開催されました。平日にもかかわらず多くの保護者や地域の皆さんの参加があり、本当に感謝しています。また保育所の先生に声をかけたところ、年長組を中心に多くの園児たちの応援をいただきました。「ぼくのにいちゃん はやいねんで」と話しかけてくれた保育園児の胸には『○○○○』と書かれた名札がありました。(○○君の弟なんや)引率していた保育所の先生の中に卒業生を発見!私が転勤してきたときの3年生で、今も社会科を担当する○○先生の教え子でした。○○先生も教え子の成長と再会に大喜びでした。

 午後からは、招待されていた○○小・○○小の各6年生が参加と見学をしました。小学生たちは自分や友人の兄姉探しで、ずい分盛り上がっていました。

 生徒数が減りはしましたが、競技に打ち込む姿勢は素晴らしいの言葉に尽きます。力を振り絞り鬼のような形相で走る姿、抱き合って喜び合う姿、負けて悔し涙を流す姿、全てが美しいと感じたのは私だけではないと思います。

【○○小学校○○校長先生談】
 自分たちが中心になり行事を盛り上げている様子が感じられました。生徒一人ひとりが役割を自覚したうえでのスムーズな運営、工夫された応援合戦、一丸となって体育大会に取り組む姿勢に、子どもたちの成長した姿をみることができました。小学生にはない迫力が感じられる競技は、参加した小学校6年生にとっても大きな目標となるものです。素敵な体育大会を見せてくれた中学生の皆さん。ありがとう。


中学3年総合劇~校長先生も感動した④

2007年10月09日 | 子どもたちの声
【3-2 ○○○○】
 最初は台詞を覚えるのが大変だったけど、しっかり覚えることはできた。みんなまとまりがなくて、不安だったけど最後はクラスが一つになって劇ができたと思う。最高の思い出になった。この勢いで体育祭を頑張っていきたい。(劇の乱闘シーンの練習で)足をけがして歩くのも痛かったけど、頑張って走った。痛さも忘れて真剣にやっていた。トラウマになって怖くなったけど、結局(舞台から)2回も飛んだ。楽しかった。体育祭も頑張る。

【3-1 ○○○】
 短い期間だったけど放課後も残って練習しました。しんどかったし「本当に大丈夫なのかな?」と思ったけど、すごく達成感があった。本番を終えてとても良い思い出になりました。私たち役者が演技しやすく役に集中できるように裏方さんたちがたくさん頑張ってくれたおかげで本当に良いものができたと思います。私たちが演技や役をできたのも、台本係さんが一生懸命話を盛り上げてくれたおかげだし、みんなの努力や頑張りがあったから最高の思い出になったんだと思います。先生もこの日のため忙しい中、私たちの劇がより楽しくなるように指導してくれました。たくさんの人たちのおかげで、こうやって楽しく劇ができたことを忘れないでおこうと思います。

3年生総合劇~校長先生も感動した③

2007年10月03日 | 学校の話題
【3-2 ○○○(○○小卒)】
 私は本番では何一つ出来ることはなくて、せいぜい「頑張って」ということくらいしかできなかったけれど、今まで私たちが頑張ってきたことを見る人に伝えられる場だから、とても緊張しました。毎日毎日、他の係の人が帰ったあとでも残ってコツコツと頑張って衣装づくりをして、今日のために頑張りました。仕上げた劇を実際にこの目で見ることはできなかったけれど、とても良い劇だったと思います。終わったんだと思うと、ちょっと淋しいです。みんなが頑張ってここまでやってきて、やっとできた劇だから、誰一人欠けずにやり遂げられたことに、ありがとうとみんなに言いたいと思います。

中学3年総合劇~校長先生も感動した②

2007年10月01日 | 学校の話題
【小中連携に位置づけられてる文化祭】
 9月28日、小学校から中学校にお荷物が届きました。中には小学一年生たちからのお礼の手紙がいっぱい入っていました。

・すいかが パカッとわれて ジャックが でてきたのが おもしろかった
 ・ありがとう おにいちゃんが くるんと まわったのが すごかった
 ・ありがとう 二かいをはしるのが おもしろかった
 ・どんだけ の ところが おもしろかった
 ・ありがとう おにが ぶたいから ジャンプしたのが かっこよかった
 ・はなわくんが べいびーと ゆってたところが おもしろかった 

 中学校のクラス劇に小学生が参加するようになり3年目となります。小学生が退屈な思いをしないかと心配してのスタートでしたが、観客席からの率直な声援や笑い声に中学生が励まされ、ノセられもしました。例年時間の都合で1クラス分しか劇を観られず、今年も3年2組の劇を観た後に小学生は学校に戻ったのですが「もうかえるの」「もっとみたい」「あしたもきたい」という未練の声がいっぱい上がっていました。それは3年1組の生徒たちも一緒で、「ええ!もう帰っちゃの!」
と残念がる声がたくさんあがっていました。

 中学校の校長室だより『ポラリス』は今回の劇を次のように紹介しています。
 3年2組の『パイレーツof参之弐~スイカman伝説』は個性豊かな登場人物ならびに大道具、小道具の舞台装置に加え、音響・照明にも多くの工夫があり、最後の海賊たちの立ち回りは圧巻でした。3年1組の『食べ盛りの君たちへ~イマイチ♀パラダイス~』は題名からは想像もできないシリアスな内容で、「本当の自分とは」「友情とは」を観客に問う内容で、これから進路を切り開いて行く3年生に「自分がやりたいこと」をしっかり見つめようと訴えていました。発表クラス数は減ったものの観客数は例年以上で、40名以上の保護者の方が見に来られていました。平日にもかかわらず、本当に暑い中、観劇いただいたことに感謝申しあげます。