犯罪被害者の法哲学

犯罪被害・刑罰・裁判員制度・いじめ・過労死などの問題について、法哲学(主に哲学)の視点から、考えたことを書いて参ります。

今年の漢字「絆」 その3

2011-12-27 23:30:08 | 言語・論理・構造
震災4日後のあるメールより

各位
平成23年3月15日

 この度の東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 震災の影響により、当局から修了祝賀会の開催の自粛を強く要請されたことに伴い、現状を勘案し、他機関の動向にも配慮し、残念ながら3月22日に開催を予定しておりました祝賀会を控えさせて頂くこととしました。

 同期生の絆を深めるまたとない機会であり、関係各位のご落胆は如何ばかりかと存じますが、何とぞご理解の程お願い申し上げる次第です。


***************************************************

 物資の買い占めが起こり、被災地の農作物の風評被害が続き、がれきの受け入れが拒否され、節電が忘れられる中で、「絆」を初めとする希望的な言葉が目立ちました。建前と本音、総論賛成各論反対、自分が同じ目に遭わなければわからない等々、私はこの「絆」から色々な意味を感じ取りました。

 建前の「絆」ばかりの中で、私が見た唯一の本音の「絆」が上のメールでした。絆という言葉が正当に使用できる範囲を示しているように思います。やはり、阪神大震災の年の漢字が「震」であったことに比すると、現在はそれだけ事態を正視する余裕がなくなっており、「絆」は事態の深刻さを物語っているように感じます。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。