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浮世博史『もう一つ上の日本史、近代~現代篇』(104)-2 百田氏の誤り②:「国会」の戦犯赦免決議が5回あることに触れない!「国会」が「全会一致」であると述べるのは誤り!

2021-09-30 09:43:41 | Weblog
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、近代~現代篇」(2020年)「日本の復興」の章(385-455頁)  

(104)-2 百田氏の誤り②:戦犯赦免決議に関し、5回の国会決議のうち3回は「全会一致」でない!「国会」が常に「全会一致」であるかのように述べるのは誤りだ!(407-408頁) 
C-3  百田尚樹『日本国紀』は戦犯赦免運動に関し「1953年、『戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議案』を国会に提出し、8月3日、衆議院本会議において、日本社会党、日本共産党を含むほぼ全会一致で。戦犯の赦免が決議された」(百田407頁)と述べる。
C-3-2  実は戦犯の釈放・赦免に関する決議は1952年から1955年までの間、参議院本会議で1度、衆議院本会議で4度、計5度、行われている。
(1)1952/6/9衆院本会議決議:共産党議員が反対討論。
(2)1952/6/12参院本会議決議:共産党議員が反対討論。
(3)1952/12/9衆院本会議決議:共産党は議席なし。
(4)1953 /8/3衆院本会議決議(上述):国会決議は普通、法案審議のような投票でない。「記録」によれば、議長が「御異議ありませんか」と尋ね、「異議なし」と呼ぶ者があり、議長が「御異議なしと認めます。よって本案は委員長報告の通り可決いたします」となっている。これが「全会一致」と呼ばれる。なお国会内では、政党でなく2名以上の議員による「会派」を結成して活動する。この時、日本共産党は議員が1人で国会内の日本共産党としての会派はなく「小会派クラブ」(無所属・労農党・共産党からなる)だった。
(5)1955/7/19衆院本会議決議:共産党・労農党の議員が反対討論。
C-3-3 百田氏の誤り②:百田氏は戦犯の赦免に関する決議が「全会一致」であったと述べるが、百田氏は国会決議が5回あったことに触れず、しかも5回の国会決議のうち3回は「全会一致」でない。(他の1回はいつも「反対討論」する共産党議員の議席がない。)「国会」が「全会一致」であると百田氏が述べるのは誤りだ。

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