宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

アイリアノス『ギリシア奇談集』:「ゼウクシスのヘレネ像」(「娼婦のヘレネ」)!「エピクロスの幸福観」(何ものにも魂を乱されない「アタラクシア」)!

2021-09-10 22:24:40 | Weblog
※アイリアノス(200A.D.頃)『ギリシア奇談集』(第1~14巻)岩波文庫

第4巻(12)「ゼウクシスのヘレネ像」:「娼婦のヘレネ」!
ヘラクレイアの画家ゼウクシス(紀元前5世紀)はヘレネを描いて大儲けした。というのも彼はヘレネの絵を自由に見せず、料金を取って見せたからだ。このように観覧料を取ったので、当時のギリシア人はこの絵を「娼婦のヘレネ」と呼んだ。(※ヘレネは絶世の美女。ゼウスとレダの娘。スパルタ王メネラオスの妻だったが、トロイアの王子パリスに連れ去られ、トロイア戦争の原因となった。)
《感想》今の美術館は「観覧料」を取る。寺院も「拝観料」を取る。かくて美術館・寺院はすべて「娼婦の館」・「男娼の館」だ。
《感想(続)》画家ゼウクシスは、娘たちを裸で歩かせ、5人を選んでその美しい部分ばかりを取り出し、絶世の美女ヘレネを描いたという。モンタージュあるいはCG合成の手法だ。

第4巻(13)「エピクロスの幸福観」:何ものにも魂を乱されない「平静」(アタラクシア)!
エピクロス(前341?-前270?)は「わずかなものに満足しない者は何ものにも満足しない」と言うのが口癖だった。また彼は「パンと水さえあれば、ゼウスと仕合わせを競ってもよい」と言っていた。ところがエピクロスは「快楽」を称揚したと言われる。
《感想》エピクロスは「快楽主義者」と呼ばれ、エピクロスの徒、エピキュリアンは「享楽主義者」と訳される。文芸では「耽美派」だ。しかしこれは誤解だ。エピクロスの「快楽」とは何ものにも魂を乱されない「平静」(アタラクシア)だった。

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浮世博史『もう一つ上の日本史、近代~現代篇』(97)-3百田氏の誤り:⑤「食料自給率」、⑥「地主の多くは大地主でなかった」、⑦「自作農創出」で効率上がる!

2021-09-10 13:27:27 | Weblog
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、近代~現代篇」(2020年)「敗戦と戦争」の章(315-384頁)  

(97)-5 百田氏の誤り⑤:日本の「食料自給率」が先進国の中で最低水準になった原因は、「高度成長による日本の工業化、第3次産業の増加」だ! (381頁)
P-6 百田尚樹『日本国紀』は「一見公平に見える農地改革だったが、弊害も小さくなかった」(百田438頁)と述べる。
P-6-2 百田氏の誤り⑤:百田氏は「農地改革」が「戦後、日本の食料自給率が先進国の中で最低水準になった原因」(百田438頁)とするが、これは誤りだ。食料自給率低下の「原因」は「高度成長による日本の工業化、第3次産業の増加」だ。(381頁)

(97)-6 百田氏の誤り⑥:「農地改革」前も「地主の多くは大地主でなかった」! (381-382頁)
P-7 百田氏の誤り⑥:百田氏は「農地改革」によって「(地主が分散したことで)都市開発や道路建設の用地買収交渉が困難となり、経済の停滞につながった」(百田438頁)と述べるが、これは誤りだ。そもそも百田氏自ら「地主の多くは大地主でなく」(百田438頁)と述べている。「農地改革」の目的は「寄生地主制」の除去、「自作農創出」だった。「農地の細分化」はほとんど起きていない。(380-382頁)

(97)-7 百田氏の誤り⑦:「農地改革」により「自作農」が増え、生産意欲が高まり、効率はあがった!(382頁)
P-8 百田氏の誤り⑦:百田氏は「農地が細分化されたことによって効率が悪くなり・・・・」(百田438頁)と述べるが、これも誤りだ。(ア) 「農地の細分化」はほとんど起きていないし、(イ)むしろ「小作農」から「自作農」になったことで生産意欲が高まり、効率はあがった。(382頁)

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