宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

浮世博史『もう一つ上の日本史、近代~現代篇』(100) 百田氏の誤り:①東南アジアの諸国民は、結局「残虐な振舞い」をされたと思った!②バー・モウ『ビルマの夜明け』の引用は虚偽だ!

2021-09-16 13:56:59 | Weblog
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、近代~現代篇」(2020年)「日本の復興」の章(385-455頁)  

(100)百田氏の誤り①:東南アジアの諸国民は日本を見て「自信と勇気」を得たのでなく、結局「残虐な振舞い」をされたと思った!(393-394頁) 
S 百田尚樹『日本国紀』は言う。「東南アジアの諸国民は、欧米列強による長い植民地支配によって、『アジア人は白人に絶対に勝てない』と思い込んでいた。その認識を覆したのが、日本人だった。無敵の強者と思われていた白人をアジアから駆逐する日本軍を見て、彼らは自信と勇気を得たのだ。」(百田445頁)
S-2 百田氏の誤り①:東南アジアの諸国民は日本を見て「自信と勇気」を得たのでなく、結局「残虐な振舞い」をされたと思った。ビルマの元首相バー・モウは「大東亜会議」に参加しているにもかかわらず『ビルマの夜明け』で以下のように述べている。「冷酷で短気な日本軍人が残虐な振る舞いをしたこと、そしてもっと残虐なやり方でビルマとビルマ人及びその資源を、日本人の戦いのために利用したことについては、疑う余地がない。」(393-394頁)
S-2-2 そもそも百田氏の見解は日本の東南アジア支配の「実態」を無視している。日本は「アジアの解放」の名目に反して、「戦争遂行のための資材・労働力調達」を第1とし、住民の反感・抵抗が次第に高まっていった。(393頁)
S-2-3 日本軍は、占領地では現地の文化・習慣を無視し、「日本語学習・神社参拝の強要」などを行った。(393頁)
S-2-4 日本軍はタイやビルマでは「泰緬鉄道」の建設、フィリピンでは「バターン死の行進」に代表されるような捕虜虐待・現地労働者の過酷な労働の問題を引き起こした。(393頁、Cf. 337頁)
《参考》「泰緬鉄道」:タイとビルマを結ぶ泰緬鉄道工事(1942/7-1943/10)の場合には,工事に携わった捕虜5万5000名のうち1万3000名が死亡、また現地労働者約5万名のうち3万3000名が死亡したと言われている。(平凡社『世界大百科事典』 第2版)
《参考》「バターン死の行進」:日本軍が、1942年4月降伏させたアメリカ=フィリピン軍将兵を90km余、歩かせた。7万人中,目的地に達したのは5万 4000人で、7千~1万人が行進中に死亡したとされる。戦後,「フィリピン攻略軍司令官」・本間雅晴中将が責任を問われ,アメリカ軍によって処刑された。(『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』)

(100)-2 百田氏の誤り②:バー・モウ『ビルマの夜明け』の引用は虚偽だ!(394頁)
S-3 百田氏はバー・モウが『ビルマの夜明け』で次のように書いていると引用する。「日本軍が米・英・蘭・仏をわれわれの面前で徹底的に打ちのめしてくれた。われわれは白人の弱体と醜態ぶりを見て、アジア人全部が自信を持ち、独立は近いと知った。・・・・そもそも大東亜戦争はわれわれの戦争であり、われわれがやらねばならなかった。・・・・それなのに日本だけに担当させ、少ししかお手伝いできず、誠に申し訳なかった。」(百田394頁)
S-3-2 この文章はバー・モウ『ビルマの夜明け』のどこにも書かれていない。虚偽であり誤りだ。(394頁)

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