宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

浮世博史『もう一つ上の日本史、近代~現代篇』(99)-2 百田氏の誤り:②戦後の日本人に「愛国心」も「誇り」もないと言うのは誤りだ!③「多様な価値観の存在」を否定する点で誤りだ!

2021-09-15 20:05:17 | Weblog
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、近代~現代篇」(2020年)「日本の復興」の章(385-455頁)  

(99)-2 百田氏の誤り②:戦後の日本人に「愛国心」も「誇り」もないと言うが、これは誤りだ!(391-392頁) 
R-3 百田尚樹『日本国紀』は言う。「敗れた日本が取り戻せなかったものがある。それは『愛国心』と『誇り』だ。これらは戦後、GHQに木端微塵(コッパミジン)にされ、占領軍が去った後は、彼らの洗脳を受けた傀儡(カイライ)となったマスメディアや学者たちによって踏みつぶされ続けた。」(百田444頁)
R-3-2 百田氏の誤り②:百田氏は戦後の日本人に「愛国心」も「誇り」もないと言うが、これは誤りだ。GNPで西ドイツを抜き、[1968年]世界第2の経済大国となったことを多くの日本人は「誇り」に思っている。戦前と違う新たな「愛国心」が育まれた。[1964年]東京オリンピックで「日の丸」が掲げられ、多くのアスリートたちの活躍で湧き立った。戦後、「新生日本」が誕生したと言うべきだ。(392頁)
《感想1》ただし2010年世界第2の経済大国の座を中国に奪われたことは、日本人の「誇り」をひどく傷つけた。
《感想2》1964年の時と同様、2021年東京オリンピックでも、「日本の金メダル」に多くの日本人が喜んだ。

R-3-3 「木端微塵」にされたのは、戦前の「軍国主義に利用された『愛国心』」と「プロパガンダによって作り上げられ、アジアに君臨しようとした帝国主義的『誇り』」にすぎない。百田氏はそのような「愛国心」と「誇り」の擁護者だ。(392頁)
《感想3》戦前は「言論、宗教及思想ノ自由」は「法律の範囲内」に制限された。政府、軍、天皇への批判は、治安維持法や特高警察によって厳しく取り締まられ、厳罰に処された。戦前の日本人の「愛国心」や「誇り」は、真摯であったが、自由な議論は許されず、狭隘だったと言うべきだ。

(99)-3 百田氏の誤り③:「多様な価値観の存在」を否定し、「民主主義」を否定する点で百田氏は誤りだ!(392-393頁)
R-4 百田氏は「国旗と国歌を堂々と否定する文化人が持て囃される国は、世界広しといえど日本だけであろう」(百田444頁)と言う。
R-4-2 百田氏の誤り③:百田氏が「多様な価値観の存在」を否定することは、「言論、宗教及思想ノ自由」の否定であり、「民主主義」の否定だ。日本は「民主主義国家」であり、「民主主義」を否定する点で百田氏は誤りだ。(392-393頁)

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