hiroの花便り

我が家に咲く花や日々の暮らしを綴っていきたいと思います

「青桐」木崎さと子

2022-08-31 | 本・雑誌など

筆者は1939(昭和14)年、旧満洲・新京市(現在の長春)に生まれる。82歳。
4歳で母を失い、継母に育てられる。
少女時代を北陸で、20代と30代をフランスで過ごし、帰国後、執筆を開始。
1980年、「裸足」で第51回文學界新人賞を受賞。
1982年、カトリック受洗。
1984年、親友の叔母をモデルに、
自然死を選んだ癌患者の生き方を描いた『青桐』で第92回芥川賞を受賞する。

文芸春秋 昭和60年7月5日第7刷
「青桐」と「白い原」を収録。

「青桐」は、乳癌に罹り、末期を迎えた叔母が、一切の医療を拒み、
東京の長男宅から富山県高岡市の旧家に戻り、
叔母に育てられた30歳を過ぎた独身の姪・充江が看取るというお話です。

癌も自分の内のもの、自分自身に他ならないと、共生することを選び、
梧桐(あおぎり)をみつめながら、静かに死を受け入れていく叔母。
主人公の充江も、幼い頃に顔に火傷を負い、
その傷跡を今も自分の一部として受け入れ、自分を否定したくないと、
叔母たちに整形手術を勧められても拒んできた。

叔母も早くに夫に先立たれたが、高校の音楽教師をしながら、
自分の二人の子供だけでなく、甥と姪まで分け隔てなく育ててくれた。

充江はそんな叔母が好きだったので、
叔母の最後を看取ることに迷いはないつもりだったが、
日ごとに衰弱していく叔母の姿を見るのは辛かったと思う。
しばらくぶりに兄の家に帰ったとき、火傷の原因を知る。

肉体が腐敗し、癌特有の臭いを発する描写はすさまじく、
ガン末期に病院から自宅に戻り
小学生の子供を2人残して逝った友と同じだったので、
読んでいると、その匂いが、鼻につくように感じられた。

「汚いものは何でも、きれいに片づけて、見えんようにしてしもう、
いうやり方が人間の不幸の因や・・・・・
病気も死もあっていい、現にあるものやさかいに、もっと普通の
暮らしに馴染ませて混ぜていいのではないか」

再読でしたが、改めて考えさせられた一冊でした。

 

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ハイビスカス・サマーブリーズ・ウィールウィンド

これまでに17輪の花が咲きました。
(2022.08.28撮影)

ハイビスカス・キャッスルホワイト

これまでに6輪の花が咲きました。
(2022.08.27撮影)

ハイビスカス・サマーブリーズ・ハワイアンイエロー

これまでに蕾は4つつきましたが、すべて落下し
念願の一番花がやっと咲きました。2017年7月から育てています。
(2022.08.26撮影)

これで未開化のハイビスカスはロングライフ・ボレアスだけとなりました。

コメント (2)
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