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へんたい みやけ さんの仮想世界? 理想郷

「卒業」 東野圭吾

2011-01-27 | 本と雑誌
講談社文庫 372ページ 590円+税

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東野圭吾さん 34冊目。
1986年の作品。後の刑事 加賀恭一郎の大学4年生の時に起こった殺人事件。
卒業を間近に控えた大学4年生の加賀恭一郎は大学の仲間達とともに、就職、剣道やテニスのクラブ活動、論文作成、そして恋愛と、最後の学生生活を満喫していた。
ある日、グループの祥子が鍵のかかった学生マンションの一室で亡くなった。死体に不自然なところがあり、自殺か他殺かが判明せず警察の捜査が続いていた。
そして彼らの恩師の家にグループが招かれて茶会が催された。そこで第二の事件が発生する。
加賀は仲間達とその謎を解き明かしていく。

加賀恭一郎が初めて登場した作品です。大学生ですが、後に刑事になってからの活躍が伺えます。特に犯人を含めて人の心の問題を解き明かしていく姿勢が見え隠れしています。
2つの事件があり、それぞれの謎解きという本格推理小説の形となっています。一方で、加賀恭一郎の全日本学生剣道選手権の試合描写や男女間の恋愛感情の揺れ動きなど、こちらは青春小説としても十分な要素、内容を含んでいます。

大学4年生で就職活動をしているというところは、この作品が書かれた1986年ならではですね。当然携帯電話もなく、加賀恭一郎が彼女の自宅に電話するところの 緊張したぶっきらぼうな会話が ほほえましかったです。

殺人事件ものとしては、犯人の動機が弱く、またトリックも「それはないだろ!」というのがあり、完成度は高くないです。一方で大学生を描いた青春小説としては、微妙な男女の感情、親子関係、就職の悩み・苦労、クラブ活動、大学の近所の喫茶店 など、現役大学生が描いたように 人物に血が流れていました。

私のように、本格推理小説マニア にとっては ケチの付け所が多数あります。一方で本格推理小説をあまり読んでいないお方にとっては、全く問題ない、素晴らしい青春小説になります。後者のタイプの読者にはお勧め作品です。


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