David Zinman Tonhalle Orchestra Zurichi
デイヴィッド・ジンマン指揮 チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
ジンマンの「Great Symphonies」 50CDセットに含まれていたベートーヴェンの交響曲全集。録音は1997~98年。第9番だけが2004年となっています。
聴き始めて思うのが、「風変わりなベートーヴェン」。
古楽器オーケストラによる小編成のピリオド奏法ではなく、現代楽器の小編成オーケストラによるピリオド奏法<的>な演奏。これに、独特の解釈を加えて耳慣れないベートーヴェンを作っています。発売当時ベーレンライター原典版という誤ったふれ込みがあって、その後に取り消されたりしたいわく付きの録音です。
繰り返して聴いても、やはり一風変わったベートーヴェン交響曲です。カラヤンを頂点とする大編成の重戦車が縦横無尽に走り回るベートーヴェンではありません。かと言ってインマゼールやホグウッドのピリオド奏法とも違う。これは新しいベートーヴェンの演奏スタイルなのか、それとも単なるゲテモノで終わるのか。現時点では後者になるような雰囲気を感じます。それで、これが良いか、好きかとなると、距離を置きたいCDとなります。
圧倒されたという満腹感無く、清流のような潔さもない。中途半端な感覚が残って、不完全燃焼となります。
9曲の中では第8番が好み。これならば許容範囲というところです。一方で第3番は違和感が大きすぎ。例えばパスタの隠し味として使うケーパーがやたらとその味と食感を主張して、メインのトマトソースの味を台無しにするというようなバランスを欠いた作り込みと感じられます。
ジンマンとチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団の組み合わせでベートーヴェンの他にブラームス、マーラーを聴きましたが、こちらは中庸を行く演奏。オーケストラはそれなりに上手いことが分かっています。星の数ほどあるベートーヴェン交響曲全集のなかで話題性を捉えようとして作ったというCDかな。
お薦めはできません。
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