TSP SL-PREMIUM 40+ 3スターボール

4月に登場したTSPの新製品、プラボール。3月にも同じ価格の3スターボール CP40+が発売されています。

SL-PREMIUM 40+は継ぎ目のないシームレスボール。SLはSeamlessの略称。CP40+と同じ中国製 made in Chainaです。

ケース。ペパーミント・グリーン基調のフレッシュな色使いです。



打った感覚「これは良い」です。
打球感、堅さは次の位置
バタフライ G40+ ＞ ニッタク ＞ SL-PREMIUM 40+ ＞ CP40+ ＞ TSP旧製品
ニッタクと少しだけ柔らかい打球感です。今後慣れていくと、ニッタクよりも堅く感じるかもしれません。
CP40+よりもラケットに食い込む感じがあって、球持ちが良い、スピンがかかる感覚があります。気候（湿度）によって感じ方が変るかもしれませんが、ラバーを滑ることが無くしっかりとボールが捉えられます。
ラバー、ラケットが掴む時間が長いため、角度打ちのスマッシュも良く入ります。
攻撃型には有利なボールだと思います。
ボールの重量の偏芯もCP40+より少ないようで、ぶれを感じません。

3月に発売されたCP40+についての新情報
・割れません。
TSPの旧製品の10倍の寿命があるのではないでしょうか。
・表面に擦り傷ができてしまう。
割れないため長期間使うと、このように表面が傷だらけになります。





バタフライのG40+は表面が磨き上げられてツルツルになりますが、CP40+は逆にざらざらになります。見栄えが良くないだけでなく、スピンに影響が出ます。
長寿命ということは確認できましたが、表面に擦り傷が付きやすいのは大きな欠点です。

TSPの3月発売のCP40+（左）と4月発売のSL-PREMIUM 40+（右）。



こういうことをふまえていくと、このSL-PREMIUM 40+ボールがあればTSPにはCP40+は不要ではないかと思うに至りました。

	TSP 卓球 ボール SL-PREMIUM 40+ 3スター 3ヶ入箱 014037
	クリエーター情報なし
	TSP

「SACHET」 LP 門あさ美

1980年発売の門あさ美のセカンドアルバム。
Amazonにて中古LPを入手。

収録曲
A面
1.セ・シボン
2.予告状（はじめての手紙）
3.予期せぬ出来事
4.ハート半分
5.Silk Night
B面
1.Lonely Lonely
2.Mr. K
3.下りのない坂道
4.Do Do
5.やさしい声で殺して

いつものように アンプ ラックスマン SQ-38F、スピーカー ビクター SX-3II、プレーヤー ビクター QL-Y5。そして、切れ味鋭い高解像度、色つけ少ないカートリッジ オーディオテクニカ AT150E/G を装着して聴きます。CDと比較すると、高音域が丸くなる一方で門あさ美のボーカルがさらに艶っぽくなります。左右のセパレーションはLPのようがくっきりして、カラフルなアレンジがより際だつように感じます。



あらためてLPで聴くと、これは大人の女性の恋、愛情をかなりストレートに描いた詩であることを再認識。文字にすると赤面するようなところがある詩です。ファースト・アルバム「Fascination」からさらに深みに進んでいます。

セ・シボン から
・シャワーの後で ほのかに漂う
・貴方の匂い けだるく甘く
・窓に広がる きらめく輝き
・夜を妖しく包む

下りのない坂道 から
・まばたきもせず 見つめ合い
・あなたからの 言葉待つ
・あふれそうな涙おさえ 背中向けたの

やさしい声で殺して から
・何もかも 知ってるはずね
・それなのに バカな人
・やさしく して
・そっと呟き 忘れさせると
・まわす腕 強くなる
・あなたに ゆらめき

良いアルバムです。

	SACHET
	クリエーター情報なし
	ティー・グランドミュージック

卓球レポート 2017年5月号

130ページ タマス 440円＋税

今月は加藤美優の特集。
技術特集：加藤美優 バックハンドドライブを安定させる3つの約束
インタビュー：加藤美優 黄金時代が輝くとき

「加藤美優 バックハンドドライブを安定させる3つの約束」
加藤美優のロングボール（上回転のボール）に対するバックハンドドライブの技術解説。
・構え バックスイングがスムーズに取れるようラケットは必ず台よりも高く構えておく。ロングボールに対するバックハンドドライブを安定させるためには、ラケットを高く構えること。
・バックスイング 手首をひねりすぎないよう注意し ラケットを小さめに挽いて打球面をかぶせる。
このバックスイングに疑問ありです。連続写真を見ると、バックスイングではラケット面がほぼ水平。そこから始動して、すぐにラケット面が45度くらいまで立ち上がってほぼそのままの角度で振り抜いています。この時、ラケット面が水平から45度まで動く過程が無駄であり、相手ボールの予測が外れた時などは、ここの角度変化が命取りになりそう。なぜ最初から45度の角度でバックスイングしないのだろうか。合理性のない無駄な動きしていると思います。

「トップ選手から学ぶツッツキに対するバックハンドドライブ」
水谷準、松平健太、平野美宇、石川佳純、加藤美優の連続写真によるスイング解析。
バックスイングで手首を最大限使うタイプ（石川佳純、平野美宇）と手首の使用を控えめにする選手（水谷準、加藤美優）に別れます。またフォロースルーで身体が反り返る感じになる石川佳純、平野美宇。それぞれの選手の体格や用具に合わせてかなりのバリエーションがあります。自分のスイングはどうしようかと考えることができました。

	卓球レポート 2016年12月号
	クリエーター情報なし
	株式会社タマス

「再生巨流」 Amazon Prime 渡部篤郎

2011年WOWOWドラマ。、楡周平 原作小説のTVドラマ化。

物流会社 スバル運輸の吉野公啓（渡部篤郎）は突然上司 三瀬（陣内孝則）から新設される新規事業開発部長への異動を命じられる。これは事実上の左遷であり、さらに1年目に10億円というノルマまで課せられる。新たな組織に配属になった部下 2名は以前の職場で成果が出せなかった者や問題社員。吉野は挫折を感じるが、ある日オフィス用品の通販カタログを見て新たなアイデアが浮かぶ。





物流業界を舞台とした企業小説、ドラマ。
順風満帆で進んできたやり手ビジネスマンが突然の左遷。これをバネとして、物流業界への革命を起こしていくというストーリー。物語に厚みを持たせて、またお話の道案内役にもなる色々な人たちが登場します。彼を嫌う上司、彼をつぶそうとするライバル会社の役員、会社をリアカーから立ち上げた会長、病院経営に行き詰まった父親、肘の故障でプロ野球界入りの夢をあきらめてセールスドライバーとなったピッチャー。陣内孝則、松重豊、長門裕之など上手い俳優を揃えています。

一冊の小説を時間内に収めるため進行が早く、都合良すぎる展開がまま観られます。これは「ドラマ化にあたってはそういうもの」と割り切れば違和感なし。良くできた面白い作品です。

	再生巨流【DVD】
	クリエーター情報なし
	TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

「セルフレス/覚醒した記憶」 DVD ライアン・レイノルズ

2015年 米国作品。

建築家として名声と富を得て未だに野望絶えないダミアンだったが、ガンにより余命半年の宣告を受ける。科学者のオルブライトからバイオ技術で培養した新しい肉体に頭脳を転送する技術の説明を受け、この施術をしたダミアンは若い身体を手に入れる。しかし、ダミアンが薬を飲み忘れた時に、別の記憶が蘇る。そしてダミアンは妻と娘がいる元特殊部隊隊員の体であることを知る。秘密を隠すため、オルブライトの組織が彼を抹殺しようと迫ってくる。







SFアクション作品。
SF面では、老いた人間の記憶を若い身体に転送するという、不老不死テーマのバリエーションです。
ここにアクション。かなり無理があるのですが、記憶の転送先が元特殊部隊の隊員の身体。こうして、頭は天才建築家、身体は特殊部隊、お金はある という超人のような男ができあがるわけです。こいつが、自分を作った組織に追われ、逆にその組織に立ち向かっていく。激しい銃撃戦、カーアクション、格闘技が展開するわけです。
このヒーローが自分のために動くのではないところが本作のミソ。そしてエンディングはすっきり満足。

上手く作った作品です。お奨めです。

	セルフレス/覚醒した記憶 ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/特製ブックレット付) [Blu-ray]
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	ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

「ジョイ」 DVD ジェニファー・ローレンス

2015年 米国作品。
アメリカの発明家ジョイ・マンガーノの実話に基づく映画。

シングルマザーのジョイ（ジェニファー・ローレンス）。二人の子供、母、祖母、ここに癖のある父親（ロバート・デニーロ）が戻ってくる、離婚した夫も同じ家に住む。この家でジョイは生活に追われていた。ある日割れたグラスの掃除をしていた時、触らずに絞ることができるモップのアイデアが浮かび、これを作る。そしてこのモップがTVの通販番組に。



滅茶苦茶な家族。この中で一生懸命働くジョイ。彼女が発明したモップが売れるまでの浮き沈みを描いた作品。





実話に基づいた映画ということは、観終わってから知りました。最近は「実話に基づく映画」は良い作品がありません。スティーブ・ジョブズ あたりの話なら、スケールも大きく波瀾万丈の人生模様を楽しめますが、アメリカの名前も知らない一人の女性の実話はよろしくない。まず、この点で本作はマイナス点が付きます。
さらに、ストーリーが散漫。例えば前半はロバート・デニーロ扮する父親の事件が描かれたりするのですが、これは「とんでもない家族環境」の説明のためであって、作品の本質ではありません。モップの製造や特許権に関するもめごとが描かれますが、こちらは表層だけで、奥行き不足。ストーリーで気合い入ったシーンとそうでないところのメリハリが無いため、作品の盛り上がりがありませんでした。
はずれでした。

	ジョイ 2枚組ブルーレイ&DVD(初回生産限定) [Blu-ray]
	クリエーター情報なし
	20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

「スタンダードに悲しくて」 LP 研ナオコ

1983年発売の研ナオコ 11枚目のオリジナルアルバム。



収録曲
A面
1.夜に蒼ざめて
2.Shall We Dance
3.言いだせない恋
4.愛、どうじゃ。恋、どうじゃ。
5.レインな別れ
B面
1.旅立つ男（ひと）
2.不良娼女
3.Lonely Star
4.谷間の百合
5.夜の錨

中島みゆき作品を唄ってメジャーなシンガーとして認められた当時の研ナオコ。この翌年には中島みゆき作品 第2集「Again」をリリースしています。前年には桑田佳祐の「夏をあきらめて」シングルがヒットしました。脂が乗りきった頃の研ナオコのアルバムです。
全般的には歌謡曲風の作品が多く、また肩の力を抜いた歌。歌を聴いて、歌詞を読んで涙したというものとは違います。ちょっと軽いかな。
販売枚数が少なかったことが予想されます。それ故に本作はCD化されていません。
でも聴き返すと、良いアルバムだなぁ って感心しますね。地味だけど良き作品です。

	プラチナムベスト 研ナオコ シングル&カバー コレクション (UHQCD)
	クリエーター情報なし
	ポニーキャニオン

「素敵な日本人」 東野圭吾

光文社 278ページ 1300円＋税
東野圭吾さん 68冊目。9編の短編集。

2011年から2015年にかけて光文社の「宝石 ザ ミステリー」「SF宝石」「小説 野生時代」に掲載された短編 9作品。
東野圭吾の技巧、発想そして腕力を再認識した本です。機知に富み、臨場感あり。登場人物の動きが速く、これについて行くのが精一杯というような感覚。そして一編終えると、心地よい疲労感、嬉しい「またやられてしまった」という敗北感、暖かな余韻に浸る時間がやってきます。

SF宝石で発表された「レンタルベイビー」「サファイアの奇跡」は掲載誌どおりのSFもの。東野圭吾の最近の長編で使われる最新の科学を題材としつつ、これによる人間、心を描いた作品。「レンタルベイビー」は2015年作品「人魚の眠る家」の表裏、もしくは姉妹関係のような短編です。これは好きですね。最後のどんでん返して 断崖絶壁から突き落とされてしまいました。この落下感がたまらない。

「十年目のバレンタインデー」「今夜は一人で雛祭り」「クリスマスミステリ」この3編は怖い女性が登場します。東野圭吾さんが描く女性は本当に怖い。「今夜は一人で雛祭り」は女性の強靱さに恐れおののきました。

秀作ぞろいの短編集。お奨めです。

	素敵な日本人 東野圭吾短編集
	クリエーター情報なし
	光文社

「あきれた男たち」 LP 研ナオコ

1980年発売の研ナオコ 8枚目のオリジナルアルバム。

帯に「☆話題曲とオリジナルで綴る男心への挽歌」「だけど、愛しいあいつらへ・・・」





収録曲
A面
1.プロローグ～あばよ～（インストゥルメンタル）
2.空中ブランコ
3.居留守
4.あいつのこと
5.Bravo-Bravo
6.海鳴り
B面
1.砂の舟
2.ひとりぽっちで踊らせて
3.憎いあんちくしょうのブルース
4.くちぐせ
5.のおあんさあ

シングルのA面、B面曲を集めたアルバムなので、アルバム全体としての統一感はありません。一方で、当時上手いシンガーとして定評を得ていた研ナオコに対して提供された良い曲が集まっています。
中島みゆき、伊勢正三、桑田佳祐、西島三重子、石黒ケイという蒼々たる作詞、作曲陣です。

A面 2曲目「空中ブランコ」は伊勢正三の作曲。空中ブランコが揺れるようにボーカルが左右に動きます。歌謡曲のノリです。最初はこのギミックに感心とあきれ、そしてチャネルセパレーションの課題があったLPでこういうテクニックを使い完璧に作り上げたことに感動。そして次に、詩と曲の味わいにはまりました。

A面 4曲目「あいつのこと」はサザンオールスターズ、高田みづえの「私はピアノ」の同曲、歌詞違いの曲。この詩も良いですね。この感覚だと、この曲にはいくらでも新しい詩が作れそうです。

本アルバムでは中島みゆきの「ひとりぼっちで踊らせて」が一番好き。研ナオコが歌った中島みゆきでベスト作品と思っています。
・だからひとり 今はひとり
・踊りたいの あの人を恨みながら
・だからひとり かまわないで
・優しくしないでよ 涙が出るから
この詩、研ナオコの歌声が好きです。

Webで検索しましたが、このアルバムはCD化されなかったようです。良いアルバムなのですが、売りにくいのかな。

	プラチナムベスト 研ナオコ シングル&カバー コレクション (UHQCD)
	クリエーター情報なし
	ポニーキャニオン

「インビジブル2」 Amazon Prime ピーター・ファシネリ

2006年 米国作品。

あるパーティーで研究所の博士が殺される。ターナー刑事（ピーター・ファシネリ）たちは現場に裸足の足跡を発見するが、返り血を浴びたはずの犯人を目撃した者はいなかった。タナーは次に命を狙われる可能性があるマギー・ダルトン博士（ローラ・レーガン）の警護を命じられる。タナーはそこで相棒の命を奪われてしまう。マギーを守るため、タナーは警察署から二人で逃走する。



10年ほど前に観た映画を再び。その時の集中力が低かった様でいくつかのディテールを覚えておらず新鮮な感覚で楽しめました。
SF サスペンス映画。ケビン・ベーコン主演の1作目「インビジブル」がそれまでにないユニークな設定で面白かったですが、本作も上手く作っています。
まずヒーローが頼りない感じがある若い刑事。それでもスイッチが入ると別人のようにがんばる。
次にヒロイン。これは私の好みどおり、弱々しいところがある線の細い女性。ふとっちょの女優でないところが大正解。若い刑事の力を引き出すというオーラがあります。


そして、見えない敵との戦い。ヒーローの刑事は足音を聴くために細工をする。
最後は大雨の中で、雨粒で見えない男を「見えるようにして」くれました。ここは脱帽。
退屈する暇のない密度の高い作品です。小粒ですが、上手く作りました。

	インビジブル2 [DVD]
	クリエーター情報なし
	ソニー・ピクチャーズエンタテインメント