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へんたい みやけ さんの仮想世界? 理想郷

「片想い」 東野圭吾

2011-01-09 | 本と雑誌
文春文庫 622ページ 762円+税

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東野圭吾さん 30冊目。
毎年恒例となっている大学時代のアメリカンフットボール部の同窓会の後に、西脇哲郎はマネジャー日浦美月に出会う。哲郎は妻 理沙子と共に、美月から殺人を犯したこと、そして自分は男の心を持っていることを聞かされる。しばらくの後、美月が姿を消す。
ここから、哲郎はアメリカンフットボール部の同窓生の協力を得ながら、美月を捜し、謎解きを開始する。

哲郎は学生時代に一度だけ関係を持った美月から性同一性障害であることをうちあけられる。さらに美月が彼の妻の理沙子を際していたことも聞かされる。哲郎は性同一性障害を知るために、半陰陽の陸上選手を取材したり、さらにその筋の店へ行って調査をする。
この性同一性障害を軸として、これが原因となった殺人、そしてこの謎を解き明かす過程で大学のアメリカンフットボール部の選手達の友情、さらには男と女とは何か、結婚とは何かということが描かれてます。

男と女、その2つではなく中間のグレーゾーンに位置する人間がいること、そしてグレーゾーンの人間をどちらかに移動させることに無理があることを本書で知りました。
またサイドストーリーになりますが、アメリカンフットボールのポジションごとに男の性格が違っている(これは判ります)、それが10年経っても同じように行動する描写に対しては、この男達をうらやましく感じました。

この小説の中で同窓生 3組を離婚させています。離婚の原因、理由はそれぞれ異なっています。しかし、私からすると特に3組目の離婚が「別れる必然性なし」と思うのです。小説としての完成度を上げるには離婚した方が形が作れるということは判るのですが・・・。このあたりは、東野圭吾さんの離婚経験によるものかと勘ぐったりします。

600ページを越える大作ですが、東野圭吾さんは休む間を与えてくれません。一気に読み終えてしまいました。
今まで読んだ東野圭吾さんの作品 30冊の中ではベスト5に入る秀作です。
お薦め。


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