「容疑者Xの献身」 東野圭吾

文春文庫 396ページ 629円＋税



東野圭吾さん 29冊目。
探偵ガリレオ 物理学者 湯川学シリーズの長編。
湯川学の同窓の天才数学者 石神哲哉は大学時代に家庭の事情で学者としての道をあきらめ、高校の数学教師を務めていた。彼のアパートの隣には花岡靖子とその娘が暮らしていた。石神哲哉は靖子にほのかな特別な感情を持ち、靖子の勤める弁当屋で毎日弁当を買っていた。
ある日、元夫 富樫慎二が靖子の家に押し掛け争いになり、富樫慎二を殺害してしまう。これに気づいた石神哲哉は、靖子 母子を守るために完全犯罪を仕組む。湯川学はこの解を解いていく。

冒頭で犯人と共犯者は明らかにされます。しかし、このトリックは最後まで明かされません。数学者 石神哲哉が組み立てた完璧なトリック、それは本書のタイトルの通り石神哲哉の純粋な心からの献身によって成し遂げられました。これを解いた湯川学は・・・。

ガリレオ シリーズの短編は、オカルト、ホラーのような現象を湯川学が論理的に解明していくという快感がありましたが、本作は純然たる推理小説になっています。
しかし、理屈っぽく読んでいると 天才数学者の完全犯罪という筋立てなのですが、かなりの無理があります。身元が不明となった他殺死体の身元確認が、あんなに簡単に済まされるのかとか、穴がたくさん開いてます。ちょっと、ほころびが多いんじゃないのって 珍しく東野圭吾さんに文句を付けたくなりました。



さて、本作は映画化がなされていました。湯川学役はTVドラマと同じ福山雅治さん。そして石神役が堤真一さん。原作では、柔道をやっていて、丸い顔、細い目、しかも髪の毛が薄くなって、全く女の人にもてないタイプ。う～ん、堤真一さんは格好良すぎましたね。
あっ、偶然ですが今夜この映画がTV放映されますね。また観ようっと。

なんだかんだと難癖を付けましたが、一気に読ませます。娯楽作品として一流品です。




<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=000000&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=hiroakimiyake-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=4167110121" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>


<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=000000&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=hiroakimiyake-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=B001OF63WE" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>