洋泉社 222ページ 680円+税
クラシックの名曲のトンデモCDを選んで、これについての解説を行った本。
まえがきに 「雑誌で推薦されたCDを買ったのに、こんなヒドい演奏とは思わなかった。こういう時にいかにチンタラした演奏であろうと、音楽評論が「この部分の叙情性はすばらしい」とあれば、そんな気がしてくるというもの。つまり雑誌の星占いのようなもの。」 との旨が書かれています。この通りに、逆説的に音楽評論を捉え、本書では『悪魔』と『天使』の対話形式をとって、曲と演奏の評論がなされています。
本当に変わったとんでもない演奏の解説が多い中で、ベーム ウィーン・フィルの名盤と言われているブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」を
ウィーン特有の曇った音がするホルンだけはどんなピアニッシモでも全部聞こえる
デッカの録音マジック
当時の人々は、これぞウィンナ・ホルンの響きと一様に喜んでいた
とぶった切っています。
私も、このベームのブルックナーのホルンには違和感を感じていました。なるほど、突出したホルンの録音レベルの高さに原因があったのです。30年来の疑問が本書で解明されました。名盤ともてはやされていても、おかしいものはありますね。
楽しい本です。一気読みしてしまいました。新たな名曲の聴き方ができます。クラシック・ファンにはお薦め。
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