プレジデント社 276ページ 1800円+税
USAトゥデーのテクノロジー担当記者であったケビン・メイニーが数多くのケーススタディ、しかも大失敗の事例をとりあげ、ビジネスのジレンマ すなわち次のトレードオフについて解説した書。
「上質をとるか、手軽をとるか」
これは本書のサブタイトルにもなっています。
企業戦略とは、捨てること。「上質」を捨てるか「手軽」を捨てるか。この両方がないものは「不毛地帯」でのたうつだけ。例えばAppleの製品は、互換性が小さく、買いにくく、中国メーカー製と比べると高価。でもそこには「上質」があるから消費者に愛される。これをスティーヴ・ジョブズは見事に理解している。
かつてスターバックスも「上質」な空間を売り物に、他の2~3倍の価格でコーヒーを売っていた。しかし、多店舗展開を進めすぎて「上質」を失い低迷した時があった。
ケーススタディで取り上げた製品、企業は次のようなもの。
スターバックス、COACH、ティファニー、キンドル、フェデックス、iPhone、ニュートン(これを知っている人が何人いるかな。なの著名なAppleの失敗作です)
「上質」と「手軽」という二軸のシンプルなカテゴリ分けで、成功と失敗を解説しているので、すんなりと理解が進みます。消費者向け商材はまずはこの二軸で考えねばならないことがよく判りました。これを基本として忘れずに、別のマーケティング分析をなすべきですね。
圧倒的な質・量のケーススタディがあり、たいへん判りやすい書です。
お薦めです。
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=000000&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=hiroakimiyake-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=483341936X" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>