2013年 米国作品。
週末に封切りされた「Emperor」を観てきました。お客さんの入りは良い方。ただし、平均年齢は高い。もしかすると60歳あたりかも。
昭和20年8月。日本が降伏した2週間後、ダグラス・マッカーサー(トミー・リー・ジョーンズ)が日本に上陸。GHQによる日本統治が始まった。日本の復興、そして共産化を防ぐためにマッカーサーは天皇の戦争責任についてフェラーズ准将(マシュー・フォックス)に10日間で調査することを命じる。フェラーズは開戦前に知り合った日本人女性 アヤ(初音映莉子)の消息を追いながら、東條英機、木戸幸一、近衛文麿たちから天皇の戦争責任の聴取を進める。
第二次世界大戦後の東京。ここで、大統領選挙を視野に入れたマッカーサーの日本統治ととの要となる天皇の扱い。指示を受けたフェラーズが調査を進めて行くにつれて、日本という国、国民、そして天皇という 欧米の白黒という単純な割り切りができないグレーな日本という世界が見えてきます。これを米国の映画会社が描いたとは、信じがたいところがあります。
また、日本人に「米国は2つの都市を焼き尽くした。」「日本が占領したのは欧米の植民地。日本は欧米に学んだ」と語らせたところも驚き。でも、これが理解できる米国人がどれくらいいるか は課題かとは思います。
マッカーサーとその部下という事務的な色気のない映画になるところを、アヤ役の初音映莉子が色つけてくれました。その当時の日本人女性(とは言ってもかなりハイカラ)の芯の強さ、美しさを表現しています。今でもこういう日本人女性がいたら、惚れちゃいますよ。
こういう映画が米国で制作されたことに喝采。嬉しいです。日本でこういう映画を作るとなればミギとか言われて邪魔が入るのかなぁ。
日本、日本人の良さを再認識できた映画です。お薦めです。