それにしても、私の前にやる人たちは全て安波節だった。
これは痛恨の選曲ミスか・・・?
でも安波節は歌詞を間違えそうなんだもん~!
「安波(あは)のまはんたや ハリ 肝すがり所
奥の松下や ハリ 寝なし所」
「ハリ」以下が似てるんだよね。だから本番になったら頭真っ白になって間違え
そうだなと。
でも、安波節にしておけばよかったよ。
なんせ10人もずーっと安波節を聴かされたら、祝節忘れそうなんだもん。(笑)
そんな状態で10分以上袖で待った挙げ句、自分の番が来た。
心臓はバクバクで、もう曲のことなんて考えられない!
曲のことを考えられないのは緊張だけじゃなくってその前のお作法があるから。
三線は水平にして左手に持ち、袖から出たら正面を向いて礼、マイクのところまで
移動し、また礼、それから三線を構えて合四工(開放弦)を弾き、ちんだみが出来て
いることを表す。 それからやっと唄三線が始まるのだ。
幸い舞台袖には案内役のおじさんがいて、進行役に合図を送ったりするだけでなく
私たちが出る前に「いいですか?はい深呼吸して~。はい、がんばって!」なんて声
をかけてくれたので、とっても勇気が出たしやる気も出たぞ!
お作法を間違えても減点になるらしいので、そっちに気がいったのか、手は不思議
に普段どおりに動いた。
客席には審査員しかいないと言っていたのに、午前に終わった人たちなのか、けっ
こう人が入っていて、うそつき~って思ったけど、弾いてしまって袖に引っ込めば、無
事終わった安堵感で胸はいっぱい。
とにかく唄は間違えなかったし、三線はちょっとつまづいたかもしれないけど止まり
はしなかった。ブーッと鳴らされなかったし(笑)、ジョートージョートー。
で、舞台袖から客席への通路に出てびっくり。
なんと唄が客席のロビーに大きく流れていたのだ!
ゲゲッ、私の唄もこんなんで聞こえての?!はずかしー!
私が教室最後の順番だったので先生やにいにいもロビーにいて、良かったよ~!
と手放しに誉めてくれた。
沖縄の人はみんな誉め上手だけど、この時は本当にうれしかった。
全部終わって、着物を脱いだり化粧を落としたり、スプレーでがちがちに固めた髪
をなんとかくくったりしたあと外に出ると、にいにいの奥さんがお昼ご飯にじゅーしぃ
(炊き込みごはん)を作って持ってきてくれていた。
コンクールが終わった後のじゅーじぃは、とってもおいしかったです。
にいにいや奥さんには本当にお世話になりました。ありがとうございました。