『時空を越えてネットで旅する』“アメリカ合衆国海軍横須賀基地内へ行った”~にトラックバック。
今年、フォードで
GTというスーパーカーが発売されました。こいつは60年代にル・マン24時間耐久レースで連続勝ちしたGT40というレーシングカーのレプリカです。残念ながら日本では発売予定なし。
こういう車を語るとき、米国人は「Made in Detroito!」と誇らしげに言います。デトロイト。自動車産業の要。ということは米国人の魂もデトロイトにあるわけです。車とともに育った国です。
そしてデトロイトにはもう一つの魂があります。それはモータウンミュージックです。スティービー・ワンダー、シュープリームス、ジャクソン・ファイブといった大御所はモータウンというレーベルの出身です。輝ける50年代に誕生して、60年代のベトナム戦争、70年代のサイケ、80年代の大不況と、アメリカの歴史の背景に常にあったヒットメーカーでした。
ここにはファンク・ブラザーズというバンドがいて、彼らの姿をドキュメンタリーとして撮ったのが
『永遠のモータウン』という映画です。現在は渋谷での単館ロードショウですが、これから全国で上映されるようです。
平日に観に行きましたが大入り満員。渋谷という土地柄でも、観に来ている客層の年齢は高めです。僕の右隣には白髪初老の男性、左隣は40代の女性でした。
ドキュメンタリーというのはやはり説得力が違いますね。全部本物なのですから。そしてベトナムの戦場の光景がスクリーンに流れたときに、マービン・ゲイの『ワッツ・ゴーイン・オン』が。これにはみんなやられてました。隣の男性は懸命にこらえていましたが、どうしても“ウギュッ”という嗚咽が漏れます。僕も踏ん張りましたが、やはりはらはらと大粒水滴が流れ落ちてしまいましたです。
上記“アメリカ合衆国海軍横須賀基地内へ行った”の中で菜葉木策さんが描いた
絵は大変奥深いです。明るく楽しい色彩の中に歪んだ★がたくさんいる。楽しげにダンスをしているようにも見えるし、悲しみに打ちひしがれているようにも見える。帝国と呼ばれるようになった現在、本当に悲しいのは彼ら自身なのだと思います。
今日は別の映画を観に行く予定でしたが、行けませんでした。恐らくどの作品も『永遠のモータウン』と比べれば色褪せてしまうからです。ドキュメンタリーというのはとてつもない力を持っていますね。
ここ暫くはサントラを聴いて、どっぷりと浸るしかないかなあと思っておりますゾ。