カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

アメリカの醜聞 28 不法移民保護都市

2017年05月01日 15時32分48秒 | 海外

「不法移民保護都市」をめぐる米国人の葛藤

ジュンコ・グッドイヤー 2017年03月12日


不法移民保護都市とは

不法移民におおらかな米都市のことで、南側のメキシコとの国境近くにあることが多いようです。

ここでは

観光客を装って、あるいは国境を越えて不法に、アメリカへ入国した日本人を含む外国人が、そのまま滞在して不法労働していることが綴られています。

雇用側は事情を分っているからこそ、弱みをついて低賃金で雇っているのでしょう。そういう不法滞在者、とくに中米出身者が増えすぎ、雇用を奪っているとアメリカ人が認識し始めた頃にトランプが登場し、この不満をもつ人たちなどを味方につけ、大統領に当選したというわけです。

グローバル化と称して

  • 低賃金の外国での工場設立が加速された結果、高賃金のアメリカ製造業が衰えました。
  • 同時に、低価格を実現しようとして米国内でも低賃金で働く不法移民の問題を放置したままだったので、これが限界に達して、大きな社会問題となっています。 

この不満を吸収したのがトランプでしたが

長い年月をかけて実現したこの奇妙な「グローバル化」を、トランプが短期間で改善しアメリカ人の雇用に結びつけることができるのかどうか。

経済的な外科手術ですから、並みの腕ではうまくいかないでしょう。

▲高賃金のアメリカ人労働者に依存すると:

たとえアメリカ人に仕事が渡ったとしても製品価格が高騰するため、海外企業との価格面での競争に勝てるかどうか

輸入関税を高くすると:

アメリカへの輸入量が現状維持のまま推移し関税料金が計算通りに増える思うのは、それこそ机上の空論であり、必ず輸入量が減るでしょう。

輸入量が減ると、アメリカ人労働者の仕事は確保されるものの、国内の需要を満たす為に製造を増やそうとしますから、競争力を高めるために労働賃金が低下するでしょう。賃金を下げないで生産量を増やせたら立派ですが。製造を増やそうとしないと益々アメリカの製造業が衰退します。

不法入国者・不法労働者を徹底的に逮捕・強制送還すると:

アメリカの企業そのものが、高賃金のため高価格製品を作ることになり、今まで続いていた企業さえ市場から撤退するようになるでしょう。

また高品質のアメリカ製の部品を隣国へ輸出し、低賃金で製品化して再輸入することもできなくなれば、製品価格の高騰は避けられません。

要するに

いくらアメリカでの製品価格が上がろうとも『アメリカ市場のうまみが永遠にある』と仮定して保護主義に向かおうとしているのでしょうが、はたして短期でそうなるのでしょうか。

長期の視点で総合的な国家経済の運営が求められるのです。

米国の周辺にある諸国との関係で言えば

いままで安いトウモロコシがアメリカへ入ってきたのが、1993年頃のNAFTAで関税が撤廃され、アメリカ産の安いトウモロコシが大量にそういった国へ輸入されたことが原因でこれらの国で失業者が増加し、これらの人たちが国境を越えてアメリカで不法移民として低賃金労働に従事せざるをえなくなったのでした。

これは、直接的には不法移民の責任でもありますが、同時にNAFTAを締結しながら「不法移民の不法労働を取り締まらなかった」アメリカにも責任があるでしょう。

泳がせておいて、問題になったら取り締まるというのでは、まるで中国共産党そっくりですね。 

トランプ大統領が誕生して初めて

EUでの移民・難民問題に加えて、アメリカでも不法移民問題が深刻である、と世界的に知られるようになったのであり、結果的にこれはトランプの功績なんでしょうか。

去年(2016年)に行なわれたイギリスの国民投票の前にある政党が「間違ったイギリスのEUへの支出金額」を公表したためイギリスが離脱に傾いたことが投票後に判明しましたが、これもフェイク・ニュースでしたね。だましたほうが悪かったのか、だまされたほうが悪かったのか・・・・・・。

人権保護を唱えながら人権無視の企業を放置してきたアメリカ政府の「恒例の二枚舌」にもご注目を。

これはちょうど、小池東京都知事が誕生して初めて

築地・豊洲問題が知られるようになったのが小池の功績だったかも知れない、というのに似ていますね。

トランプが

こうした不法移民を保護しようとしている全米300近くの不法移民保護都市への補助金を減らす大統領令に署名したけれども、さっそく連邦地方裁判所によって差し止められたとのこと。移民法も裁判所によって差し止められていますね。

最高裁判所の判事に新しい人が任命されたようですが、この件が最高裁にまで上告された時にどうなることか、例によって不透明なままです。

さてさて、皆様はどう思われますか。


中国に関する醜聞 220 使い分け

2017年05月01日 07時57分43秒 | アジア

ここでは「中国の醜聞」を集め、必要に応じて出典やリンクも用意しましたが、もしも「既にリンク切れ」となっていたらご容赦ください。そんなに頻繁にリンクを確認できませんので・・・・・・。


中国を見るには、建前と本音のちがいや、その使い分けを知るべきだ。それがかの国と付き合ううえで不可欠の常識である。 

私は2013年4月、ある中国民主化運動の大会で、「中国の夢は、人類の夢とはまったくちがう。むしろ逆方向だから、中国の将来はどうなるのか、言わずもがなである」と挨拶したところ、かなり反発された。 

  • 習近平の夢(中華民族の偉大なる復興の夢)は、中国人の夢ではない。せいぜい共産党の夢に過ぎない
  • われわれの夢とは違う

というのだ。:黄文雄「犯中韓論」幻冬舎ルネッサンス新書102 2014年08月25日第1刷 


誰にも「言いたいことと、言いたくないこと」があるものです。

ただし、その意味の勝手な解釈を相手に委ねるというのは、いただけません。

黄文雄がどういう場所で言って反発されたかが不明なので何とも言えませんが、中国では「中国共産党の夢」と「中国人の夢」は異なるということを言いたいのだろうと思います。

これが革命を起こした時の「言い訳」になるので、どんな環境下にあろうとも言っておかねばなりません。「前からそう言っていた」と堂々と言えるためにも。

ただしそれが禁止されていたので、言えなかっただけだ、とします。言えなかったけれども言っていた、とする苦しい弁明が中国では「苦しくない」「くるしゅうない」常識なのです(笑)。

これこそ使い分けでした。

「普通の総選挙」がある国では、その党の方針は、たとえその一部ではあろうとも、有権者の夢であるはずです。

しかし

  • 中国共産党〔1921年結党〕が中華人民共和国を建国〔1949年〕したのであり
  • 中国共産党は中国人を「ご指導ご鞭撻」する立場にあるため、中国共産党の夢は中国人の夢とは「別もの」なんです(笑)。
  • 中国の場合には、中国人(つまり中華人民共和国の構成員)は、あくまでも中国共産党の支配下にあり、「反日」などはこの中国共産党が指示したり黙認するようで、なによりも中国共産党の存続が大切ですから、反日が反中国共産党にならないよう最大限の注意を払わなければなりません。

中国人のうち、眼鏡にかなったほんの一部(6%=8300万/13億)の人しか中国共産党員にはなれず、大多数の中国人はその中国共産党員の支配を受けている(決めたことを守らされている)、ということをもう一度思い起こすべきでしょう。

中国人は、このようにして

支配者である中国共産党に対する夢と、自分の夢とを使い分けなければならないのです。

もちろん、これとは別に、中国共産党も使い分けます。

  • あるとき中国は発展途上国で、別のとき中国は周辺国を無視する軍事大国。〔都合がいいときだけ発展途上国に、通常は軍事大国〕
  • あるとき中国は平和を望む国と称し、別のとき中国は何事をも暴力的に解決〔都合がいいときだけ平和を望む国に、通常は暴力的〕
  • あるとき中国は国際法を順守する国で、別のとき中国は国際法を無視。〔都合がいいときだけ順守し、通常は無視
  • あるとき中国は国内法を守り(外国人に対する場合)、別のときに中国は法律を守りません(袖の下を要求できる中国人の場合)。

 こういった二枚舌を

    • 中国人が矛盾に平気であるととらえる
    • 単なる使い分けであるととらえる

の2通りがあります。非法治国家たるゆえんでした。(非法治国家≒放置し気まぐれで法治)


アダモの「雪は降る」の翻訳における、格助詞「が」と係助詞「は」の使い分け例。

岩谷時子訳詞では

「雪降る あなたは来ない。雪降る 心のなかを。・・・・」。

安井かずみ訳詞では

「雪降る あなたは来ない。雪降る 重い心に。・・・・」

:1990 NHK 

参考までに辞書の説明がどうなっているかをみておきましょう。

格助詞 助詞の分類の1つ。主として体言につき、その体言と他の語との格関係を示す助詞。「桜が咲く」「枝を折る」「花で飾る」の「が」「を」「で」の類。

係助詞 助詞の分類の1つ。他の語の後ろに付き、その付いた語に意味をそえ、その語を受ける述語にまで勢いをもたらす助詞。また句末に付いて文の成立を助ける働きももつ。口語の「は」「も」「しか」など。広辞苑第六版 


同じ歌の翻訳ですが、どちらの訳がいいと思われますか。

確かにほんの一言でがらりと意味が異なることもあるので、疎かにはできませんが・・・・・・この場合、私など「違いがあると言えばありそうで、ないと言えばなさそう」と考えていて、軟弱なことに、どちらでもいいのです(笑)。

もっと大きな違いを明確にできない場合に、こういった「些細なこと」にご執心(ごしゅうしん)なのでしょうか・・・・・・(笑)。 


「感謝、ありがとう、サンキュー」の使い分け 

日本語の文字には漢字、カタカナ、ひらがながあって、どんな外国語の受け入れにも対応できるようになっている。受け入れを身上とする日本文化ならではのものと言えるだろう。 

漢字で中国大陸から入った文化用語や形式的な言葉に対応させる。またカタカナで主に欧米からの外来語に対応させる。そして、ひらがなによって固有語をそのまま残すことができる。 

たとえば、「感謝します」で形式的な姿勢を表わし、「ありがとう」を使って情のこもった日本的な雰囲気を表わし、「サンキュー」をつかって軽い挨拶に代えている。このように、外来語を無理なく受け入れられる器があるということも、日本特有のものだと言うしかない。 :呉善花「続・スカートの風」角川文庫  


日本人も使い分けていますが

  • 日本語の「不備」と考えるか
  • それとも区別する「深み」とするか
  • それとも人が任意に選べる「選択肢」ととらえるか

でしょうか。

どの言語でも、その国(民族)古来の言い方や流入してきた言い方などがあるもので、それぞれどちらを良しとするかの価値観を認める器量があっても構わないでしょう。一方的に価値観を決めないことです。


森友学園の籠池氏は、いくつかの名前を使い分けているが、当時は「靖憲」を使うことが多く、大阪府への小学校設置認可申請の名前も、現在の「泰典」ではなく「靖憲」だった。:サンデー毎日 2017年3月14日 


さて森友学園問題が、韓国人が望むような「チェ・スンシル事件」のように発展するのかどうか、楽しみです。

籠池が、最初は安倍政権を支持していたのに、事業が思わぬ方向に発展するやいきなり反安倍に転じる姿勢をみて、やはり金儲けだけしか念頭になく、「自分の方針を使い分けている姿」がにじみ出ています。

ヤクザの子どもだからと言って恣意的にいじめていいものではなく、あくまでも法的に対応すべきで、法整備が必要です。中国・韓国に縁があるといっても同じことです。このあたりが森友学園に欠如しているのでしょうか。 

さてさて、皆様はどう思われますか。