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「企画展 工事中!~立ち入り禁止!?重機の現場~」 日本科学未来館

日本科学未来館
「企画展 工事中!~立ち入り禁止!?重機の現場~」
2019/2/8~5/19

日本科学未来館で開催中の「企画展 工事中!~立ち入り禁止!?重機の現場~」を見てきました。

工事現場で働く重機は、「文明社会」(解説より)を築くべく、様々な建設や工事現場で活躍し、人々の暮らしを大きく変えてきました。

そうした重機が日本科学未来館へとやって来ました。国内初の油圧ショベルユンボY-35から、最新の四脚クローラ方式の双腕型コンセプトマシンに至る、全10機の重機の実物が展示されていて、最も大きいもので13トン級の重機もありました。

「四脚クローラ方式双腕型コンセプトマシン」

冒頭の「四脚クローラ方式双腕型コンセプトマシン」からして迫力がありました。二本の腕を用い、物を自在に掴んだり、切ったりすることが出来る重機で、足元にはおにぎりの形をしたクローラが4つ付いていました。それぞれ別々に動かせるため、不整地にも強いのだそうです。

このコンセプトマシンが実際に動く映像に目を見張りました。というのも、一方の腕で虫取り網を持ち、もう一方でサッカーボールを掴んだと思いきや、いとも簡単にポンと網へボールを投げ込んでいたからでした。

まるで太古の恐竜を連想させるような堂々たる姿から、おおよそ想像も付かないほどの繊細な動きで、如何に最新の重機が器用に活動出来るのかが良く分かりました。

それぞれの重機の果たす役割について着目しているのも展覧会の特徴と言えるかもしれません。例えばならす(整える)ではブルドーザーが展示されていて、大きさの比較や、作業のプロセスなどをパネルで紹介していました。なおブルドーザーとは、牛(bull=ブル)を眠らすもの(dozer=ドーザー)を意味し、かつて牛馬によって行われた作業を、引き受けたことに由来するそうです。

「国産油圧ショベルY-35」

初代の国産油圧ショベルY-35は、第1回の東京オリンピックの開催を3年後に控えた1961年に登場して、新幹線や高速道路のインフラ工事や、ビルやダムなどの建設現場で活躍しました。まさに日本の高度経済成長を支えた重機の1つと呼べるかもしれません。

現役の油圧ショベルも目立っていたのではないでしょうか。こうした一連の油圧ショベルは、アタッチメントを交換することで、掴んだり、切ったり、砕いたりと、様々な作業に対応することが出来ることから、「工事現場の万能選手」などとも呼ばれていました。

重機を支える技術について理解出来るようにも工夫されていました。それが油圧とクレーンの滑車に関した体験コーナーで、実際に装置を手で押したり、引っ張ることも可能でした。滑車では、1本がけ、2本がけ、4本がけの3つのロープがあり、順に引っ張ると、同じ10キロの重しが、明らかに軽くなることが体感出来ました。

「クローラクレーンの運転室」試乗コーナー

最も人気を集めていたのは重機の試乗コーナーでした。うち1つが大型クレーンの運転室で、実際のシートに座り、操縦レバーや機器の様子を目の当たりにすることが出来ました。

シートは思いがけないほどに広く、ゆったりしていましたが、そもそも運転室は、長時間の作業に対応するため、エアコンはもちろんのこと、カップホルダーやラジオなども設置されているそうです。そもそもクレーンや重機に乗ることなど、工事関係者を除けば、まずないと言って良く、滅多にないチャンスではないでしょうか。

このほか、鉄筋やコンクリートなどの工事の素材や、遠隔操作やドローンにロボットなどの新技術、そして何よりも工事を支える作業員に関した資料展示もありました。重機をとっかかりに、工事全般の仕組み、ないし人との関わりや、未来のあり方についても踏み込んだ展覧会と言えるかもしれません。

解体用の重機のアタッチメントも鋭い牙を剥いていました。また展示室内は、一部映像を除き、撮影も可能でした。

今回はタイミング良く、平日の夕方に出向いたため、場内は余裕がありました。重機の試乗コーナーにも待ち時間はありませんでした。

しかし現在、春休み期間に入り、特に土日は多くの人出で賑わっているそうです。混雑時は体験コーナーで行列も発生します。余裕を持ってお出かけ下さい。

記念写真を撮りながら、楽しそうに展示を見やるファミリーの姿も目立っていました。まるで工事現場の中に立ち入ったかのような展示空間も臨場感がありました。

 5月19日まで開催されています。

「企画展 工事中!~立ち入り禁止!?重機の現場~」 日本科学未来館@miraikan
会期:2019年2月8日(金)~5月19日(日)
休館:火曜日。但し3月26日、4月2日、4月30日は開館。
時間:10:00~17:00 *入館は閉館の30分前まで。
料金:19歳以上1600(1400)円、小学生〜18歳以下1000(800)円。3歳〜小学生未満500(400)円。
 *( )は8名以上の団体料金。
 *常設展観覧料を含む。
住所:江東区青海2-3-6
交通:新交通ゆりかもめ船の科学館駅、テレコムセンター駅より徒歩約5分。東京臨海高速鉄道りんかい線東京テレポート駅より徒歩約15分。

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