都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ポーラ ミュージアム アネックス展2019 創生と技巧」 ポーラミュージアムアネックス
ポーラミュージアムアネックス
「ポーラ ミュージアム アネックス展2019 創生と技巧」
2019/3/20〜4/14
ポーラミュージアムアネックスで開催中の「ポーラ ミュージアム アネックス展2019 創生と技巧」を見てきました。
2019年の「ポーラミュージアムアネックス展」の後半に当たる第15回では、テーマを「創生と技巧」と変え、川久保ジョイ、池ヶ谷陸、木村恒介、柳井信乃の4名のアーティストが作品を発表しました。
何やらフェンスで囲われた壁が斜めに立っていました。それが池ヶ谷陸の「Metoropolitan Paradox」で、実際のフェンスを使った作品でした。中にはLEDがあり、平仮名で文字が連なっていました。ただしフェンスの中へ立ち入ることは出来ませんでした。
池ヶ谷は、2016年にポーラ美術振興財団によってドイツで研修し、今もベルリンに在住しているそうです。かつての東西冷戦下において分断された西ベルリンでは、「壁に囲まれて自由な社会を築いていた」(解説より)としています。確かにフェンスは「境界線を引き、他者の侵入を拒むもの」(解説より)でした。昨今のアメリカとメキシコの「壁」の問題しかり、今にも続く国家やコミュニティーの分断の問題について、改めて目を向けているのかもしれません。
川久保ジョイの2枚の海を写した写真に魅せられました。ともにギリシャで撮影したもので、1枚はエーゲ海西、そしてもう1枚はクレタ海西と場所が記載されていました。
これらは本来、「海を挟んだ対岸同士の写真2枚」(解説より)で完成するものの、ここではあえて対の一方のみを展示しているそうです。ギリシャ側から見て、エーゲ海とクレア海を挟んだ対岸には、おおむねトルコが位置しますが、その光景を想像するのも面白いかもしれません。
木村恒介の一連の紙の作品に魅せられました。遠目では木目の荒い油彩のようで、野山や桜、はたまたおそらく研修先のドイツと思しき都市の風景が描かれていました。
近づくと表情が一変しました。単に一枚の紙と思いきや、実は長く細い紙が縦横に編まれていて、風景なりが細かに描きこまれていました。しかし升目同士の関係は明らかではなく、ひょっとすると厳密に隣り合うことなく、全体のイメージを構築しているのかもしれません。その揺らぎを伴った独特の景色に見入りました。
このほか、柳井信乃が、映像インスタレーション、「Happy and Gloripous」を出展し、会場内に高らかと「God Save the Queen」を響かせていました。
明日より「ポーラ ミュージアム アネックス展2019 – 創生と技巧 –」を開催いたします。
— ポーラ ミュージアム アネックス (@POLA_ANNEX) 2019年3月19日
後期となる今回は「創生と技巧」をテーマに、川久保ジョイ・池ヶ谷陸・木村恒介・柳井信乃の作品をご紹介いたします。#polamuseumannex #川久保ジョイ #池ヶ谷陸 #木村恒介 #柳井信乃 pic.twitter.com/1ZhnWEGV7G
4月14日まで開催されています。
「ポーラ ミュージアム アネックス展2019 創生と技巧」 ポーラミュージアムアネックス(@POLA_ANNEX)
会期:2019年3月20日(水)〜4月14日(日)
休館:会期中無休
料金:無料
時間:11:00~20:00 *入場は閉館の30分前まで
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。