「西野康造ーSpace Memory」 LIXILギャラリー

LIXILギャラリー
「西野康造ーSpace Memory」
4/18~5/24



LIXILギャラリーで開催中の西野康造個展、「Space Memory」を見て来ました。

1951年に兵庫県に生まれ、1977年に京都市立芸術大学彫刻専攻科を修了。80年代から一貫して金属を素材とした作品を作り続けてきた西野康造。

昨年秋にはNYの9.11メモリアルパークの高層ビル「4 World Trade Center」内に「Sky Memory」がパブリックアートとして設置されたそうです。

何と東京では14年ぶりの個展です。新作を展示しています。



それでは会場、作品は一点勝負。表題の「Space Memory」です。直径5.9m。ホワイトキューブの横幅のほぼ全てを覆う円環。ぐるりと一周。一部はトラス構造でしょうか。チタンを素材にしている故かもしれません。金属とは言えども独特の浮遊感もある。軽やかです。

それにしても支持体(重し)は一点、手前の金属のみです。そこから宙へとのびて円を描く。私の見た限りでは吊られていません。(間違いでしたら訂正します。)何とも絶妙なバランス感覚ではないでしょうか。



「永遠のイメージ」(*)も志向した作品。リングは途中でねじれている。外側の一片をなぞっていくといつしか内側へ移動する。さながらメビウスの帯とでも言えるかもしれません。



空間を活かしてか壁面や床に写る影も美しい。繊細でかつ大胆。幾何学的なテクスチャも浮かび上がります。また「空気や風を感じさせるもの」(*)を目指してもいるそうです。

なお入口横のモニターにはNYの「Sky Memory」の設置作業が紹介(2分)されています。こちらの直径は何と30m。さぞかし壮観なことでしょう。ちなみにDM表紙のビジュアルこそ「Sky Memory」。一度、この目で見てみたいものです。

さて長らく彫刻家としてのキャリアを持つ西野。国内にも多数作品を設置しています。うち関東の美術ファンに一番知られているのは「風の中で」(1988年。リンク先は参考画像。)ではないでしょうか。噴水を背に立つ透明の巨大なサックス。そうです。埼玉県立近代美術館のある北浦和公園の音楽噴水にある黄金色の彫刻です。馴染みのある方も多いかもしれません。

ところで「風の中」は当初、ステンレス製でしたが、あろうことか2002年に何者かによって破壊。2年後に作家の協力を得て、今度はチタンで再制作されたものだそうです。(また他にも同名の作品があるそうです。)



5月27日まで開催されています。

「西野康造ーSpace Memory」 LIXILギャラリー
会期:4月18日(金)~5月27日(火)
休廊:水曜日、5月25日。
時間:10:00~18:00
住所:中央区京橋3-6-18 LIXIL:GINZA2階
交通:東京メトロ銀座線京橋駅より徒歩1分、東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅7番出口より徒歩3分、都営浅草線宝町駅より徒歩3分、JR線有楽町駅より徒歩7分。

注)*印は「LIXIL ART NEWS」No.360より引用。写真は全て「Space Memory」。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )