都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「明和電機 EDELWEISS展」 市川市芳澤ガーデンギャラリー
市川市芳澤ガーデンギャラリー
「明和電機 EDELWEISS展」
4/19-6/1
市川市芳澤ガーデンギャラリーで開催中の「明和電機 EDELWEISS展」を見て来ました。
昨年、活動20周年を迎えたアートユニット明和電機。主に音楽のライブパフォーマンスや通称「ナンセンスマシーン」を開発。いわゆる現代美術のみならず、舞台や芸能の領域でも活動を行っています。
うち本展ではエーデルワイスのシリーズを紹介。スケッチにジオラマ人形にマシーンなど、全35点の作品が展示されています。
さてその明和電機のエーデルワイス。ご存知でしょうか。それは一体何ぞやということで、まずは簡単に概略から触れてみます。
「BOKU(ボク)-3」
同シリーズの制作の発端は2000年です。始まりはテキスト。テーマは女性と生物的なメスです。それを元に明和電機の土佐信道が物語を書き上げた。現在は6つのシーンが作成されています。ようはその物語から派生した絵画やオブジェが言わば芸術作品として展開されているのです。
それにしても明和電機の女性性への切り込み。一筋縄ではいきません。一捻りどころか二捻りもある。例えば物語における「林檎のエンジン」と題された章。オスのつくった理想郷「月宮」に住む「ボク」が「母性」を探るため、リンゴのエンジンのロケットでメスの都「未京」へと向かう。どうでしょうか。極めて独特です。
「ニュートン銃」
そして鑑賞のポイントとしては、ともかくこうした世界観に浸ってしまうこと。チラシに「不思議なオブジェ」とありますが、確かに一見しただけではよく「分からない」作品も少なくない。それを何だろうと探って歩く感覚。明和電機の世界の楽しみ方の一つかもしれません。
前置きが長くなりました。展示を少し追ってみます。(作品は全て撮影出来ます。)
「EDELWEISS」アイディアスケッチ
冒頭はエーデルワイスの物語そのもの。絵コンテです。土佐はエーデルワイスをまず言葉のストーリー、イメージとしての絵、さらにはそこから作られたマシーンと三段階に分けて考えている。スケッチなどは第二段階と言うことでしょうか。先に触れた「林檎のエンジン」のアイデアスケッチも展示されています。
「EDELWEISS」アイディアスケッチ(展示風景)
これが結構な分量です。追っかけていくと意外と時間がかかります。またエーデルワイスに基づく調度品のドローイングなどもある。緻密なスケッチです。なかなか魅せます。
右:「未京銃」
では今度はオブジェへ進みましょう。「未京銃」です。中には150種類の化粧品が入ったマシンガン。また銃が発射した香水も展示。「未京液」というのだとか。その他には恋人からもらった髪で湿度を測る「ヘアメータ」、さらにはガソリンの排気をアロマとして楽しむという「ムスタング」なども並んでいる。言葉で表現するともはや奇怪ですらありますが、作品を前にすると思いの外に親しみやすいのもポイントかもしれません。
「自動ピアノ」/「メカフォーク」/「未京灯」
一際目立つのはエーデルワイスに由来した曲を演奏する「自動ピアノ」です。中央のピアノは元々、芳澤ガーデンに備付けのもの。そこに明和電機が自動演奏の装置をつけました。上部に輝くライトは「未京灯」。左右のギターは「メカフォーク」です。何でもエーデルワイスで「ボク」が聞いたメスの歌声の物語を素材にした楽器とのことでした。
なおこの自動ピアノ、一日3回、それぞれ11時、13時、15時にデモンストレーションとして演奏されます。参加は無料(入館料のみ)です。こちらにあわせて出かけても面白いのではないでしょうか。
「魚立琴」
奥の小さなスペースでは魚骨をモチーフにした「魚器」も紹介されていました。比較的初期のシリーズです。また和室を使っての展示もあります。
「明和電機 EDELWEISS展」会場風景
会期中、サイン会やトークイベントも多数。詳細は同ギャラリーWEBサイトをご参照下さい。
「明和電機 EDELWEISS展」@市川市芳澤ガーデンギャラリー
さて芳澤ガーデン、現地周辺は閑静な住宅街です。JR市川駅から歩いて15分強かかります。最寄にバス停もありません。あらかじめ地図などを参照されることをおすすめします。
JR市川駅近くの市営駐輪場に無料のレンタサイクルもあります。
「街かど回遊レンタサイクル」@市川市 市川駅(北口)第6駐輪場 7:00~17:00
市川市芳澤ガーデンギャラリー前庭
また同ギャラリーは四季折々に咲く庭園も美しいもの。お庭の藤がちょうど見頃でした。
「明和電機 ナンセンス=マシーンズ/NTT出版」
千葉県内で初めてとなる明和電機の個展です。有機物と無機的な器械の融合。そこへファンタジーも加わっていく。SF的とも言える独創的なアイデアです。素直に楽しめました。
6月1日まで開催されています。
「明和電機 EDELWEISS展」 市川市芳澤ガーデンギャラリー
会期:4月19日(土)~6月1日(日)
休館:月曜日。但し5/5は開館。
時間:9:30~16:30 *入場は16時まで。
料金:一般500円。25名以上の団体は400円。
住所:千葉県市川市真間5-1-18
交通:JR線市川駅より徒歩16分、京成線市川真間駅より徒歩12分。
「明和電機 EDELWEISS展」
4/19-6/1
市川市芳澤ガーデンギャラリーで開催中の「明和電機 EDELWEISS展」を見て来ました。
昨年、活動20周年を迎えたアートユニット明和電機。主に音楽のライブパフォーマンスや通称「ナンセンスマシーン」を開発。いわゆる現代美術のみならず、舞台や芸能の領域でも活動を行っています。
うち本展ではエーデルワイスのシリーズを紹介。スケッチにジオラマ人形にマシーンなど、全35点の作品が展示されています。
さてその明和電機のエーデルワイス。ご存知でしょうか。それは一体何ぞやということで、まずは簡単に概略から触れてみます。
「BOKU(ボク)-3」
同シリーズの制作の発端は2000年です。始まりはテキスト。テーマは女性と生物的なメスです。それを元に明和電機の土佐信道が物語を書き上げた。現在は6つのシーンが作成されています。ようはその物語から派生した絵画やオブジェが言わば芸術作品として展開されているのです。
それにしても明和電機の女性性への切り込み。一筋縄ではいきません。一捻りどころか二捻りもある。例えば物語における「林檎のエンジン」と題された章。オスのつくった理想郷「月宮」に住む「ボク」が「母性」を探るため、リンゴのエンジンのロケットでメスの都「未京」へと向かう。どうでしょうか。極めて独特です。
「ニュートン銃」
そして鑑賞のポイントとしては、ともかくこうした世界観に浸ってしまうこと。チラシに「不思議なオブジェ」とありますが、確かに一見しただけではよく「分からない」作品も少なくない。それを何だろうと探って歩く感覚。明和電機の世界の楽しみ方の一つかもしれません。
前置きが長くなりました。展示を少し追ってみます。(作品は全て撮影出来ます。)
「EDELWEISS」アイディアスケッチ
冒頭はエーデルワイスの物語そのもの。絵コンテです。土佐はエーデルワイスをまず言葉のストーリー、イメージとしての絵、さらにはそこから作られたマシーンと三段階に分けて考えている。スケッチなどは第二段階と言うことでしょうか。先に触れた「林檎のエンジン」のアイデアスケッチも展示されています。
「EDELWEISS」アイディアスケッチ(展示風景)
これが結構な分量です。追っかけていくと意外と時間がかかります。またエーデルワイスに基づく調度品のドローイングなどもある。緻密なスケッチです。なかなか魅せます。
右:「未京銃」
では今度はオブジェへ進みましょう。「未京銃」です。中には150種類の化粧品が入ったマシンガン。また銃が発射した香水も展示。「未京液」というのだとか。その他には恋人からもらった髪で湿度を測る「ヘアメータ」、さらにはガソリンの排気をアロマとして楽しむという「ムスタング」なども並んでいる。言葉で表現するともはや奇怪ですらありますが、作品を前にすると思いの外に親しみやすいのもポイントかもしれません。
「自動ピアノ」/「メカフォーク」/「未京灯」
一際目立つのはエーデルワイスに由来した曲を演奏する「自動ピアノ」です。中央のピアノは元々、芳澤ガーデンに備付けのもの。そこに明和電機が自動演奏の装置をつけました。上部に輝くライトは「未京灯」。左右のギターは「メカフォーク」です。何でもエーデルワイスで「ボク」が聞いたメスの歌声の物語を素材にした楽器とのことでした。
なおこの自動ピアノ、一日3回、それぞれ11時、13時、15時にデモンストレーションとして演奏されます。参加は無料(入館料のみ)です。こちらにあわせて出かけても面白いのではないでしょうか。
「魚立琴」
奥の小さなスペースでは魚骨をモチーフにした「魚器」も紹介されていました。比較的初期のシリーズです。また和室を使っての展示もあります。
「明和電機 EDELWEISS展」会場風景
会期中、サイン会やトークイベントも多数。詳細は同ギャラリーWEBサイトをご参照下さい。
「明和電機 EDELWEISS展」@市川市芳澤ガーデンギャラリー
さて芳澤ガーデン、現地周辺は閑静な住宅街です。JR市川駅から歩いて15分強かかります。最寄にバス停もありません。あらかじめ地図などを参照されることをおすすめします。
JR市川駅近くの市営駐輪場に無料のレンタサイクルもあります。
「街かど回遊レンタサイクル」@市川市 市川駅(北口)第6駐輪場 7:00~17:00
市川市芳澤ガーデンギャラリー前庭
また同ギャラリーは四季折々に咲く庭園も美しいもの。お庭の藤がちょうど見頃でした。
「明和電機 ナンセンス=マシーンズ/NTT出版」
千葉県内で初めてとなる明和電機の個展です。有機物と無機的な器械の融合。そこへファンタジーも加わっていく。SF的とも言える独創的なアイデアです。素直に楽しめました。
6月1日まで開催されています。
「明和電機 EDELWEISS展」 市川市芳澤ガーデンギャラリー
会期:4月19日(土)~6月1日(日)
休館:月曜日。但し5/5は開館。
時間:9:30~16:30 *入場は16時まで。
料金:一般500円。25名以上の団体は400円。
住所:千葉県市川市真間5-1-18
交通:JR線市川駅より徒歩16分、京成線市川真間駅より徒歩12分。
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