北京暮らしを始めてみれば ふたたび

2012年1月から再び北京生活が始まりました。(前回は2003.1~2006.1)

2024.1本帰国しました。

故宮の「寿康宮」 乾隆帝のお母さんLOVE!があふれてる!

2021-03-05 18:26:17 | 北京暮らし おでかけ編(故宮)

故宮は一つ一つ見ていくときりがないくらい、ネタにあふれた面白い場所です。

今回ご紹介するのはこちら。

 

 

寿康宮

 

乾隆帝の母親、崇慶太后のおすまい。

 

 

乾隆帝はそれはそれは母親大好き!な皇帝だったらしく、お母さんについて詠んだ歌はなんと800首以上!

 

 

 

 

寿康宮の入り口にはこのような案内が。

左は崇慶太后80歳を祝う様子を描いた画。

右は寿康宮后殿、つまり居住空間です。

 

 

 

それでは早速、寿康宮に入ってみましょう。

 

 

 

 

おぉ~!

以前は未公開だったこの部屋が見られるのは嬉しい!

 

新年を迎えるとき、崇慶太后はここに座り、皇帝を始め多くのあいさつを受けたのだそうです。

挨拶をすべく並ぶ列は延々と午門あたりまで続いていたとか。

 

 

 

 

 

 

天井の藻井(天井装飾)も素晴らしい!

 

そもそも藻井は「水をもって火をおさめる」意味合いを持つのですが、部屋にこれがあるということは地位が高い証拠。

中でも寿康宮は最高レベルだそうです。

 

 

 

 

装飾品も美しい。

 

 

 

 

寿康宮の東西にはそれぞれお部屋があるのですが、そこに何が入っていたかといいますと・・・。

 

 

 

金髪塔!

 

 

 

・・・ってなんや?

 

 

 

文字通り、崇慶太后の髪の毛を入れて保管していたんです!!!

 

崇慶太后の髪の毛を梳かした時、当然ぱらぱらと数本床に落ちますよね。

それすら有難くて捨てるわけにはいかない!ということで、拾ってちゃ~んと保管していたのだとか。

ちなみに今それは博物館(どこの博物館か忘れました)にあるそうです。

 

 

 

続いて、寿康宮から一旦外に出て、同じ敷地内 北側に位置する「寿康宮后殿」に行きましょう。

 

 

 

 

ここは崇慶太后が暮らすスペース。

東に位置するこちらは、お客様を迎えるところ。

 

 

 

 

 

さきほど門のところで紹介されていた画がかざられています。

 

 

 

 

 

こちらは西側。

右に見えるのは大きなタンスですが。

 

 

 

本体はもちろん、その中には100以上ものお宝が保管されていたのだとか。

 

 

 

 

この画は乾隆帝がお母さんである崇慶太后にプレゼントしたもの。

 

お母さんに何をプレゼントしよう・・・と考えたけど、いい案が浮かばない。

お金っちゅ~のもなぁ・・・。どうしよう・・・。

 

と、そんなとき江南地方に行った乾隆帝が目にしたのが、この画に描かれている木。

なんかいい感じの木やん?(といったかわからないけど)、ならばこの木を画にしよう!と自ら描いてプレゼントし、崇慶太后はそれはそれは喜んだとのこと。(そりゃそうやろ)

 

 

 

他にも、本来なら宮殿のお手洗いは壁の外にあったのに、

「お母さんが寒い日風の日雨の日に、わざわざ外に出てトイレに行くのはかわいそうや!!!」

と乾隆帝が言ったかどうかは不明だけど、寝室から直接お手洗いまで行けるよう室内に通路を作ったそうです。

 

もちろんそんなお手洗いがあるのはここだけ。

 

 

 

親孝行な息子に恵まれ、86歳まで長生きした崇慶太后なのでした。

(壁のデザインがかわいい~)

 

 


故宮の三大”おもしろ石”を探してみよう!

2021-03-03 18:09:34 | 北京暮らし おでかけ編(故宮)

先日の故宮参観。

お目当ての一つは、こちら。

 

 

一番北に位置する「御花園」。

 

ここには、三大おもしろ石があると聞きやってきました。

 

 

 

 

御花園は皇帝による秀女選びも行われた場所。

 

 

 

 

美しい花や木々に加え、各地の珍しい石が配置されています。

 

 

その中でも特におもしろい石が3つ。

ひとつめは。

 

 

 

 

その名も「海参石(ナマコ石)」

 

名前の通り、表面の質感までナマコそのもの!

 

 

 

二つ目はこちら。

 

 

 

「木化石」

 

パッと見、木にしか見えませんが、石だそうです。

そしてよ~くよ~く見ると木の上に・・・。

 

 

 

 

 

文字が彫ってある!

(右下の方です)

 

 

黒竜江の将軍が乾隆帝に送った石。

故宮には他にもこのような木化石があるのですが乾隆帝はとりわけこの石を気に入り、この木を主題とした詩を作ってそれを刻ませたのだとか。

 

 

でも、その詩の内容は・・・

 

もともと木やったのに石と化してしまったね。

どれほどの長い時間でこのように変わってしまったのか、今では叩くと金のような音がして、もうすっかり石だよね。

でもでも表面には木の模様が見て取れて、やっぱり木なんだよね。

 

 

 

・・・どないやねん。

詩だからいいんだけど、めっちゃ“ぽえむ”やな。

 

 

 

 

さて!

三つ目のおもしろ石は、こちら!

 

 

 

 

「諸葛亮拝七星」

 

 

左の色の濃い部分、なんとなく昔の衣装をまとった人が手を高く掲げて拝んでいるように見えます。

右側にはいくつか点々が見えるのですが、なんとこの形が北斗七星のように並んでいます。

 

 

かの有名な《三国演義》の中に、諸葛亮が北斗星に延命祈願をするというシーンがあるそうで、そこからこの石が「諸葛亮拝七星」とか「諸葛亮拝北斗」と呼ばれるようになりました。

 

 

 

これら全ての石が自然にできたものというから面白いですね~。

 

 


故宮のレアなエリアと《吉祥如意》展  (追記あり)

2021-03-01 19:36:20 | 北京暮らし おでかけ編(故宮)

今回の故宮参観。

 

 

こんなルートにしてみました。

メインの中軸線は通らず、午門からすぐに東へ。

 

 

 

 

故宮の中にもカーブミラー!

 

 

 

 

人が少ない!

 

 

 

 

「五牛図」という絵をモチーフにした五頭の牛。

真ん中の牛だけ正面を向いているのがポイントだとか。

 

 

 

 

 

ず~っと長い赤い壁。

ほんまに広い故宮・・・。

 

 

 

 

故宮内にはいくつか売店とかカフェがあり、ここで購入したのは。

 

 

 

 

 

神獣のアイス!

五種類の味があるそうだけど、この日はチョコしかなかった。

 

 

寒い中、私たちがアイスを食べているすぐそばでは。

 

 

 

 

湯気出てるやん!!!

 

蒸気で温める仕組みのやつですね。

お弁当のレベルを超えてるわ。

 

 

 

こちらは、保和殿の北側。

故宮で一番大きい石彫。

 

 

この石は北京の房山というところから運んだそうだけど、こんな重いものをどうやって運んだかといいますと・・・。

 

冬。

房山から故宮までの道に等間隔に井戸を掘り、そこからの水を道に撒いては道を凍らせて、その上に石を滑らせて運んだのだとか。

 

 

 

 

 

大変やな・・・。

 

 

 

 

さて、ここからはこの日の参観最後のエリア。

 

 

 

 

神武門です。

 

上に登ると。

 

 

 

 

 

景山公園が目の前に。

 

 

 

この神武門の上では。

 

 

 

 

《吉祥如意》展が開催中です。

 

如意とはなんぞや???

 

 

 

 

もともとは、孫の手のようなもの。 

つまり痒い背中を掻くための道具だったのですが、そのうち実用的な意味よりは縁起物という扱いになり、更には部屋の装飾品、芸術品にまで昇華したとのこと。

 

その材料も多岐にわたっておりまして。

 

 

 

 

 

左上から、翡翠、白の玉(ぎょく)、青の玉(ぎょく)、メノウ。

 

 

 

 

 

左上から孔雀石、水晶、緑色の墨玉石、金属。

 

 

 

 

 

左上から琺瑯、金、珊瑚、沈香。

 

 

 

 

当時の画に描かれたものも。

 

 

 

 

いい感じに手に取ってポーズとってらっしゃる。

 

 

 

 

確かに、もはや“孫の手”ではなく、装飾品、芸術品ですね。

 

 

この展覧は5月9日まで開催中。

故宮の門票を予約したうえで別途予約が必要です。

 

 

3/4追記

3/4以降、メンテナンスのため展覧中止になったようです。

いつ再開するのか等、詳細は不明です。

参観される際は故宮のホームページ(→ コチラ)で最新情報をチェックされることをお勧めします。

 

(実は、また見に行こうと予約を入れていたのですが、中止になった旨ショートメッセージで連絡がきて、更に電話で「不便かけてごめんね」との連絡がありました。 丁寧な対応にびっくり!)