爆撃される地上

今日は雨
厚い雲の向こうは見えない
でも輝く太陽がその向こうにいることを
イメージすることができる

黙々と上がる煙の向こうも見えない
でも想像力を働かせれば
その向こうになにがあるか
何が起こっているのかを
イメージできるはずだ

爆撃機から見下ろす地上に
人を認識することはむつかしいかもしれない
さらに爆発や火災による煙が地表を覆えば
地上の出来事はまったく視認できないだろう

でもその煙の中で
少し前まで普通に暮らす人々が逃げまどい
傍らで吹き飛ばされた身内を助けようとし
身体の一部がなくなったのを呆然と見ている
そんな状況を想像することはできるはずだ

おそらく
そんな想像力を封印してしまわなければ
爆弾投下のボタンは押せないだろう

でも軍隊での命令は絶対
出陣するときに
すべての人間的想像力を捨て去るしかない

日本では戦争を知らない世代が大半となったが
残された資料から
大いに想像力をかきたて
攻撃のボタンを押さない国であり続けてほしい

ぼーっ

よく考えなさい

学校の先生は
考えて行動するように
教育する

子供の頃は
考えもなしに
無鉄砲にいろいろしでかすから
必要な教育であろうと思う

突き進んでいくところが
若さの特権である
という面は押さえておきたいが
やたらと突き進んでは
一生を台無しにする可能性が高くなるから
やはり考えた方が良いのだろう

しかし最近は
ぼーっとする事が大事に思えてきた

考えるといのは
とても個人的で私的な行為
何かを考えていると
ある次元に没入してしまい
周りが見えなくなるように思う

ぼーっとする状態は
自分が周りに開かれ開放された状態

こんな時に
周囲の状況を感知でき
そこから刺激も受けられる

だから歩いている時
何かに乗っている時
公園などのベンチに腰掛けている時などに
スマホや本から目を離し
ぼんやりしている時間を持つようにしている

問題は
しっかり考えなければならない時に
ぼんやりしてしまうような事が
年齢とともに増えてきた事…

腕時計

腕時計をしない

昔持っていたものも
使わないから
いつの間にやらなくなった

スキューバダイビングでも再開すれば
また買うかもしれないが
今のところその気はない

仕事柄ちょっとした処置などで
付けたり外したりが煩雑であり
日常的に使用しなくなって30年

見回せば時を知らせてくれるものは溢れており
時刻の確認に不便はない

ただ時計をしなければ
時間の呪縛から解き放たれるなら
とてもありがたいが
今のところ
きっちり縛られている

日に新た

感情というのは
時々刻々変化する

自分をちょっと離れた目線から
観察してみるとよくわかる

だから
どのタイミングで見るかによって
人の印象は大きく変わる

体の構成要素が変化するように
人の内面も
出会いや出来事で
日々変化しているはずである

今日の彼 彼女は
昨日のそれとは違うのである

メガネの曇りを
いつも拭き取るように
毎日心の整理をして
新たなる今日に
ワクワクしながら向き合いたいものだ

彼や彼女の中に
きっと新鮮な発見があるはずだ
そして自分の中にも

日に新たなり
日々に新たなり