Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

うつつ?

2007-07-09 | 想い・雑感
自転車旅行の途中で
海辺にテントを張り眠ったことがある

強弱のあるリズミカルな波の音と
自転車を一日漕いだ疲れから
あっという間に眠りに落ちた

眠っていても
外界の刺激というのは脳まで届いているようで
夢を見た

波が次第に足下まで近づき
そのうちテントごと
海へ引き込まれてしまった

ところでびっくりして目が覚めた
ちょうどどこかから足を滑らせ
墜落する瞬間に目が覚めるような感じだった

夢か うつつか 幻か
よく分からず目を覚ました

まあ人生を夢幻のごとしと見れば
眠っているときが夢なのか
意識のあるときが夢なのか
もともとよく分かりませんけどね

ニュース

2007-07-08 | 想い・雑感
事実なんだから伝えればよい
と言われても
悪いニュースを伝えるというのは
なかなか難しいことである

特に本人の命に直接関わる
嬉しくないニュースを伝えるというのは難しい

人は自分が信じたいように信じるというのが基本だから
あまり遠回しに言っても
理解してくれなかったり

逆にあまり性急に伝えても
怒りと反発を表されるばかりだったり

その辺の間合いの取り方というものを
もっと身につける必要があるのだろう

そして何より大切なのは
伝え終わったあと
ともに治療をしていく姿勢を
見せることなんだろうなと思う

俺に出来ているか?

別の癌

2007-07-08 | 医療・病気・いのち
癌の治療を受けた後は
定期的に検査を行います
最も気になるのは再発の有無です
乳癌や甲状腺癌などをのぞき
多くの癌は治療後5年を経過すればまず安心となります

しかしその後も時には検査を受ける必要があります
もとの癌とは別の癌が新たにできることがあるからです

食道癌はかなり治癒が難しい癌です
それでも5年を無事経過する人は少なからずおられます

無事5年目を向かえた
そんな一人の方に検査を行ったところ
切除した食道の代わりをしている胃に癌が見つかりました
胃の粘膜に留まっているものでしたので
内視鏡治療が可能でしたが
もしもう半年から1年経っていたら
外科手術が必要となっていたでしょう
外科手術となると初回手術以上に
難しい手術となることが多くなります

やはり早め早めに見つけることは
大切なことです
より苦痛や危険を少なく治療を受けるためには

輸血歴があれば

2007-07-08 | 医療・病気・いのち
 手術の前には、病気の原因となる疾患に対する検査はもちろんのこと、全身状態を見るための検査も行います。そんな中には、B型やC型肝炎に感染していないか否かの検査も含まれます。

 時に、これまで検査をしたこともないため本人も知らないまま、肝炎に感染している方もおられます。そのような方は、輸血歴があることが多いのです。肝炎ウィルスを含んだ血液を輸血することによって感染してしまうのです。昔、けが、事故、手術それに出産などで輸血をした経験のある方は、ぜひ一度肝炎の検査を受けてください。

 特にC型肝炎は、感染から15年20年と経過する内に、次第に肝硬変となり、さらには肝臓癌を発症してくる危険性が非常に高いものです。

 最近では、肝炎ウィルスを体から排除できる可能性も出てきました。排除出来た場合は、肝硬変や肝癌の危険がぐっと低くなります。また排除できなくても、肝臓の繊維化(硬くなるの)を遅らせることも可能です。もし肝癌が見つかっても、様々な治療を組み合わせることによって、半数以上の方が5年以上生きることが出来ると言われています。

 輸血歴のある方は、是非肝炎のチェックを受けましょう。

チーム栄養

2007-07-07 | 想い・雑感
入院患者さんの栄養を考えるチームに関わっている
関連職種が集まり
それぞれの視点から
患者さんの栄養をサポートするのである
チーム立ち上げ当初はぎこちなかったが
最近ではそれぞれが出来ることを
それぞれが考えてくれるようになってきている

一人の
あるいは一つの職種から見る目では気がつかないことに
気づくことが出来る
チーム医療は21世紀の医療と言われる所以だろう

先日 チームのビール会を行った
看護師、栄養士、薬剤師、訓練士、検査技師、事務職員それに医師
7部門から集まった

病院関係の飲み会で
これだけの部門から集まる会というのは珍しい

なかなか楽しい
和やかな会であった

伝えるタイミング

2007-07-07 | 医療・病気・いのち
血液検査、内視鏡検査、CT検査などなど
様々な検査を行う
そして結果が出れば
当然そのご本人に説明する
悪性疾患であることが分かれば
いきなりではないにしろ
ご本人にまず伝えることとなる

しかし時には要因が絡まり
ご家族にまず伝えざるを得ないこともある

そして
「絶対に本人には言わないで」
と強く家族に求められると
伝えた方がよいことを
そしてあとになれば伝えるのが難しくなることを説明する

それでも
と言われれば
なかなかそれを押し切ってご本人に伝えるのは難しい

その後も機会を見ては
伝えた方がよいであろうことを言ってみるが
一旦伝えないということになると
伝える踏ん切りがつかなくなる

そしていよいよになって
伝えようかと迷い出す
でもそんな状態になってから伝えるのは
かえって酷だと思う

残された時間を有意義にすごそうと思っても
体がそんなに自由にならないのだから

生きたように

2007-07-06 | 想い・雑感
体調を崩して
1週間ほとんど何も食べていないという
初老の男性が救急外来に来られた
入院が必要と判断し付き添ってきていたという家族を捜したがすでに帰っていた
電話をしたところ

本人の好きなようにして欲しい
好き勝手やってきた人で 出来ることなら縁を切りたいと思っているくらい
延命処置など望まない
どうなろうと知ったことではない
何を食べていたのか知らない
などなど

様々なことが積み重なって
関係が崩れてしまったのであろう
その家族を非難する気などない

ただ
人の生き様というのは
死に様に強く反映されるのだろうな
と考えさせられた

楽天的

2007-07-05 | 想い・雑感
楽天的というのは
将来のことをあれこれ考えて不安を持ったりしない
つまり 明日のことを思い患わないということでしょうか

その場合
もともと先のことなどあまり考えない という人と
今を生きることに集中している という人とに
分けることが出来るかも知れません

癌 それも早期とは言えない段階の癌の診断を受けて
それでも明るく生きているように見える人も
この両者がおられるような気がします

ただ 一旦落ち込んだけれどそれを何とか乗り越えたという方は
今という時間の大切さを実感し
今に集中し
今できることを懸命に行っている
という方が多いような気がします

先のことをいろいろ考える前に
今 を生きているということでしょうか
そんな今が繰り返され未来に繋がっていくわけですね

周りの人から見ると
楽天的 と見えるかも知れませんね
そんな楽天的な生き方 素敵ですね

握手

2007-07-02 | 医療・病気・いのち
80歳くらいでも
必要であれば胃を全摘することがある
外科医から見ればそれほど珍しいことでなくても
胃の全摘が必要だといわれたほうは
とても不安だと思う

手術後の経過もさることながら
胃を全摘すれば
すっかり体力が落ちて
弱ってしまうのではないかという不安が
どうしても出てくる

術後の体力低下の程度は個人差が大きい
でも胃切除にくらべて全摘のほうが体力低下が著しいかというと
そうとも限らない
これが人の体の不思議なところであり 難しいところである

先日胃全摘をした高齢の男性は
もともとかなりお元気なこともあり
術後もいたって元気であった
術後2週目くらいに
外出をして一仕事されてきたくらいである

もとの体が丈夫なためであるが
「食事の注意が少し必要なこと以外
ほとんど体調は変わらない。
ありがとう。」
といって握手を求められると
やはりうれしかったりする

語らい

2007-07-01 | 医療・病気・いのち
 緩和ケアというものの認知が少しずつ増してきたこともあり、癌性疼痛のコントロールに使用する麻薬性鎮痛剤にいろいろな種類がそろってきた。効果持続時間や剤型を選択することが出来るようになってきた。以前に比べて、疼痛のコントロールがかなりしやすくなってきた。

 少しでも患者の苦痛に関心を持ってさえくれれば、麻薬性鎮痛剤の基本的使用方法を理解することは、比較的容易である。ただ、なかなか十分量の薬剤を使うところまでは行っていない医師が多いように思う。

 また、緩和ケアチームを作り、疼痛コントロールに関しての病院全体のレベルアップを図るところまで行っても、その先、つまり心の領域まで踏み込む勇気のある人は多くはない。

 そういう私も、なかなか踏み込めない。死を目前にするという経験を自分自身がしているわけでもないというのが、やはり接することに対し臆病にさせてしまうのかも知れない。

 孤独感を少しでも和らげようと、四方山話などはするのだが、直接生に関することなど、まだまだ話題にすることは出来ない。そこまで話しをすることが、医者の役割なのかどうか分からないが、流れの中で自然とそんな話しが出来るようになる、というのが私が死ぬまでの一つの目標ではある。

 少なくとも、送られる立場になったとき、子供達に何かを語ってあげられるようにはなりたいと思っている。

大事にしていること

2007-07-01 | 想い・雑感
自分の死を意識する瞬間というのは
物事の価値基準が大きく転換する瞬間でもあるようだ

検査の結果悪性細胞が見つかった旨を聞いたとき
これまで大切にしていた車も
大好きな運転も
どうでも良くなった
という方がおられた

しかしその後何度かお話しているうちに
その時のショックから復活されて
やはり免許証を返還するのはやめて
退院したらまた運転します と言われた

この方の場合はその後治療に向かうことができるので
精神的にもちなおしてきたのだろうが
いよいよ治療手段がなくなって来たときに
いかにして心をより穏やかにすることができるのか

ほぼすべての人間のテーマですね

必ずやってくることに対する
心の在りようですからね