今日の夕刊に上田市の「無言館」が資金面で苦境が
続き、館主の窪島誠一郎さんが何とか残したいと
私的な財産で賄っているがこのままだとやがて
運転資金の底がつくという記事が載っていた。
戦没した画学生の絵などを集めた美術館だが
戦後75年、次第に入館者が減り、今年は新型
コロナの影響でさらに減っていて施設の維持管理
にも費用がかかる。館主の窪島さんもお歳を召し
無言館の行く末が重い課題となってきた。
養父母に育てられた窪島氏が作家の水上勉氏が実の
親と分かったのは彼が35歳の時だったという
記事を驚いて読んだ記憶がある。
無言館は里山の中にひっそりと建っていた。
上田から別所温泉に向かうタクシーで「無言館に
立ち寄ってもらいたい」と頼んで見物したのは
何年前になるのか、上田の街中赤いのぼりが
はためいていたからNHKの「真田丸」が放映される
前年のことである。
静かな、落ち着いた場所に2棟建っていたけれど
その時も観覧者はわたくし1人だった。
交通が不便で車でないとなかなか行かれない。
作品や作者に関する基本情報をデータベース化する
構想が始まったそうだ。
窪島氏の強い意志でできた「無言館」を残せるのは
よかったと思う。
ただあの建物はどうなっていくのだろう。