デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

ファクセとステブンズクリントへ

2007-06-25 22:17:08 | デンマークのあちこち

 デンマーク、特にシェランはあまり変化に富んだ自然が見られないのですが、たまに面白い光景があります。ファクセ Faxe はどこかの町の観光局でパンフレットを見て以来、ぜひ行きたいと思ったところで、ある日、チャンス到来、子ども達を義母に預けて夫と日帰り旅行に出かけました。

 シェランはコペンハーゲンのある島で、デンマークの中では最も東側に位置します。コペンハーゲンから50キロほど南下したところに、そのファクセがあります。上の写真だけを見ると一体どこの国かと思ってしまうのですが、これがファクセの写真です。ここは石灰岩の採石場で、現在も向こう岸では採掘しています。6300万年前は海底だったところで、そのころは鮫やワニ、イカなどがサンゴの間を泳いでいました。そうしてここの石灰岩にはサンゴや鮫の歯、カニやムール貝の殻、いろいろな海の生物や植物などが、化石としてこの石灰岩の中から発見された、なんともわくわくする場所です(近くには発見された化石の博物館があります)。

 ちょうど私たちが駐車場を探していたときに、ハンマーを持った観光客の人たちを見かけたのですが、今でもこの白い石灰岩の中にごく小さな化石が残っていて、好きなように発掘することができます。私たちはハンマーは持っていきませんでしたが、それでももしかして、という子どものような気持ちになって、夫と2人、けっこう長いこと探してしまいました。実際、植物の種か実のようなものはけっこうたくさん石灰石の中に入っていましたが、子ども達のおみやげになるような鮫の歯や小魚のようなものは、残念ながら発見できませんでした。

 それでもとにかく石の白さと、ターコイズブルー、あるいはエメラルドグリーンに見える水が本当に美しい景色でした。ただ、水面を見下ろすとけっこうストーンと下に落ちるような岸壁で、けっこうこわかったです。子ども達がいなかったのはよかったかもしれません。もう少し大きくなれば、家族で化石の発掘だなんて、かなり楽しそうではありますが。

          

          
          ファクセにあるホステルのデンマークらしい、かわいらしい庭

 そして次に向かったのが、ステブンズクリントStevns Klintです。ファクセから車で30分くらいでしょうか。ここは何が有名かというとホイラップ・オールド・チャーチという名前の教会です。

          

 こちらから見ると何の変哲もないただの古い教会に見えますが、実はこの教会は海に面した高台に建てられていて、1928年、教会の下の岸壁部分が崩れ落ちたのです。それに伴って、教会の一部も見事に落ちてしまいました。

          

 反対側から見ると、その落ちてしまった部分の痕が、教会の壁に生々しく残っています。そして下を見下ろすと、先ほどのファクセ以上のまっさかさまに落ちるような切り立った岸壁です。高所恐怖症でなくても、充分に怖い景色でした。本当はもう少し南のムーンというところで、こうした切り立った白い崖と海という景色が見たかったのですが(とても美しいそう)、そこが崖崩れが懸念されるために立ち入り禁止となっていて、残念ながら行けなかったのです。切り立った岸辺に立ちつつ、こちらの教会のほうは、さて、崖崩れは大丈夫なのかしらと命の縮まる思いでした。でも観光客が絶え間なく訪れているところを見ると、このスリルがどうも人気の場所のようです。