デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

「普通の専業主婦」とは?

2006-08-01 20:48:20 | 思ったこと・気づいたこと
 昨日、暑くて料理をする気になれず、夜ごはんのアイディアをもらうために料理本を開いてみました。人気のある料理家の本です。メニューを考えつつ、そこに載っている料理家の文章を読んでいたら、「(かつて私は)子育てと家事にいそしむ普通の専業主婦だったのです」という一文があり、何か引っかかって、昨日からこの言葉についてずっと考えてしまいました。

 「普通の専業主婦」という言葉はよく聞く気がします。もちろん普通のOLです、普通の学生です、などというのも耳にしますが、普通の主婦、普通の専業主婦のほうが一般的、まるで枕詞のようになっているように思います。

 じゃ、普通ってどういう意味で使われているのでしょう。私はどうもこの言葉の裏には何かがあるような気がしてしまいました。

・子育ては非常に忙しく、ゆっくり考えるような時間もない。自由に使えるお金もないし、自分のことをやる時間もない。それでだんだん自分がなくなっていってしまう。

・そしてあるとき、自分がないことに気づいて、自分って平凡で何もできないんだと思い込んでしまう。

・謙遜も含めて、自分のことを「普通の専業主婦です」と紹介するようになる。

というような心理が働いているとみたのですが、どうでしょうか?

 それにしてもこういう形容のしかたって日本人特有では?と思ってしまいます。英語にも主婦という言葉はあるけれど、そこに「普通の」なんてつけないのではないかと思うのですが。何をしているの?と聞かれて、私は主婦です、とは言うだろうけど・・・。

 日本人は「普通」という言葉をよく使う傾向があるのかもしれません。普通かどうかが大事だったり、普通がよいこと、普通という言葉が逃げ口上になる、そんなところもあるのではないでしょうか。

 考えているうちに、自分のことを「普通の専業主婦」とくくってしまうのは、なんだか自分自身をつまらない存在とアピールしてしまうところがあるように私は感じてしまいました。私は私、主婦であろうと、かつての会社員であろうと、その前の学生であろうと、私の人生はひとつの道でできていて、その時代、その時代で自分自身がいろいろと変化しているだけ、と私は受け止めています。主婦であってもなんであっても、自分らしく、考えつつ、悩みつつ、目の前の問題を解決していきながら、前向きに好きなように生きていけたら素敵なのではないか、と思いました。