北風と太陽とが、めいめい、じぶんの方が力が強い、といって議論しました。
しかし、ただいいあいをしていてもはじまりませんので、ちょうど目の下を旅人がとおりかかったのをさいわい、どちらでも、あの旅人をはだかにしたほうが勝ちということにしよう、ときめました。
まずはじめは、北風の番で、旅人の服をはぎとってやろうと、ひどいいきおいで、ビュービュー風をふきつけました。
旅人は、きゅうにひどい風がふいてきたので、おどろいて服をしっかりとおさえました。
北風は、その様子を見て、いっそうはげしく、つめたい風をふきかけました。
旅人は、こんどは寒さに震えながら、なおしっかりと服をおさえこんだばかりか、しょっていた荷物の中から、がいとうをだして、上に着こみました。
それでとうとう、北風もふきくたびれて、太陽に番をゆずりました。
まずはじめに、太陽はゆっくりと、ほどよいあたたかさでてらしました。
それで旅人は、上に着こんだ、よぶんな服をぬぎ、荷物の中へしまいました。
すると太陽は、こんどは、少しづつ暑さをましていきました。
旅人は、だんだんとくわわる暑さにむらされてきて、とうとうしまいには、服もみんなぬぎすて、そばにあった川にとびこみ、水浴びをはじめました。
講談社 青い鳥文庫
北風と太陽 イソップ童話集
イソップ 作 呉 茂一 約
北風のロシアがひどいいきおいで、ビュービュー風をふきつけても
旅人のウクライナは、服をおさえこんでがいとうを上に着こんでしまう。
必要なのは暖かい太陽なのに・・・
領土分割案