My Favorite 《ゴールデンイーグル&Sleeping lion》

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九州電力株式会社 八丁原発電所/八丁原バイナリー発電所

2013年04月28日 | Weblog

 *以前 作家の真山仁氏の講演会に行き、彼が地熱発電について話していた。

『マグマ』という本で、地熱発電をとりあげているので地熱発電についてかなり詳しく調べているのだろうという印象を受けた。

その影響が少し入ったのかもしれないけれど、土日でも見学できる八丁原発電所に行ってみることにした。

 

女性のガイドが、地熱発電について丁寧に説明をしてくれる。

映像での上映、タービン建屋の見学が終わった後 幾つか質問をする。

周辺の温泉との影響と、発電所が停電するのかどうか、マグマが噴き出す可能性があるのかどうか。

答えは掘っている深さが違うので温泉が出なくなることはないということ。

発電所は停電する。

地震で亀裂が入り、マグマが噴き出す可能性もあるということ。

 

地熱発電の問題点は、地熱貯留層を探すのに時間がかかる点。

国立公園の中にあるので、規制があり開発しづらい点。

蒸気井(じょうきせい)1本が5億円で、30本(平成24年10月末現在)あるので初期投資の金額が高い点。

 

*蒸気井(じょうきせい)とは、

地下深部の地熱貯留層から熱水と蒸気を取り出す為の井戸。この蒸気でタービンを回し発電する。

 

国民の立場からすれば、もっといろいろな発電方式を知りたいと思う。

勤め人は、平日は見学できないから電力会社はその辺を考慮してほしいところ。

国民一人一人が再生エネルギーについて考え、何を選択するのかを話し合う機会が増えてもいいと思っている。

  

☆☆九州電力八丁原地熱発電所のパンフレットより☆☆

地熱発電は、化石燃料を全く使わず地下から取り出した蒸気を利用するクリーンな発電です。

火力発電のボイラーの役割を地球が果たしているのです。地下の岩盤の中に閉じ込められ、マグマの熱で高い温度になっている地下水を蒸気井(じょうきせい)で取り出して発電に使います。蒸気を取り出した残りの熱水は、再び地下へ戻します。

このように、地熱発電は、地熱という自然の力を利用した発電方法で、国内の資源を有効に活用しているのです。

 

1949年大分県下の地熱地帯の調査・研究に着手。

1953年九重町大岳地区で開発調査開始。

1967年大岳発電所を運転開始。

1977年に八丁原発電所1号機(55,000kw)が運転を開始。

1990年に八丁原発電所2号機(55,000kw)が運転を開始。

*11万kwを発電するのに長い年月がかかっている。

 

☆☆大分県次世代エネルギーパーク推進協議会事務局パンフレットより☆☆

わが国最大の地熱発電所(1号機と2号機)。

九州では、大岳発電所についで二番目、全国では五番目に完成した地熱発電所。従来の地熱発電方式で利用することのできない低温の蒸気・熱水での発電が可能な地熱バイナリー発電が設置されている。

年間発電量(世帯換算):約870,000MWh(約242,000世帯)

☆九州電力八丁原地熱発電所

所在地  大分県玖珠郡九重町大字湯坪字八丁原601

電話   0973-79-2853

 

☆マルチ映像上映 約30分、屋外施設及びタービン建屋見学約30分

時 間     9:00~17:00(12月29日~1月3日は休館)

予 約     団体の場合のみ必要

費 用     無料

前方はビットという井戸を掘る時の道具。40kある。

タングステン超合金。

変圧器

ここから電気を送る

 

タービン建屋内

 

 

タービン 30tある

 

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「アメージング・グレース」物語 ゴスペルに秘められた元奴隷商人の自伝

2013年04月17日 | 

神に生かされた男

ニュートンは奴隷商人として悪辣の限りを尽くし、何度も死にかけた人間であったが、なぜか彼は生かされ、最後は牧師になっていたことがわかった

そして、もしジョン・ニュートンの人生がここで終っていたら、それは非道に走った人間が宗教に目覚めるまでの回心の物語に留まっていたであろう。

だが、彼の人生はここで終わらなかった。

彼は、自らの筆で、奴隷貿易の廃止に大きな貢献をなし、歴史の金字塔を打ち立てていたのである。

そして、後世の人々の記憶に残ることになった彼の最大の貢献は、やはり「アメージング・グレース」の作詞であろう。

彼は当初、牧師として教区民の魂の救済を祈りつつ、自らの波乱に満ちた人生の足跡を「アメージング・グレース」に、書き表したのであるが、この歌は彼の思いを超え、彼の苦難の人生に自らの人生を重ね合わせたアメリカの黒人や移民者の心に響き、アメリカの「第二の国家」、そして癒しを求める万人の心の歌になったのである。

 

「アメージング・グレース」物語 ゴスペルに秘められた元奴隷商人の自伝

ジョン・ニュートン[著] 中澤 幸夫[訳]

 

使命のある人間は、その使命を全うするまでは、いかなる災難が降りかかろうとも神の力によって生かされる……

YouTubeより 「アメージング・グレース」Celtic Woman

http://www.youtube.com/watch?v=HsCp5LG_zNE

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③ 検証 福島原発事故・記者会見2―「収束」の虚妄 木野龍逸氏

2013年04月15日 | 

《いま何をすべきか》

日隅一雄は、現在の代表制民主主義は限界に近づいているとして、「主権者は誰か」の中で、次のように書いている。

 

前文省略

代表制民主主義で重要なのは、国会議員にすべてを任せるのではなく、国会や政治が機能不全に陥った時に、もしくは彼らに任せきりにできない深刻な問題に直面したときに、主権者がみずから行動に出ることである。

 

「主権者がみずから行動に出る」ための方法として挙げていたのが、国民投票と前章でも述べたデモだった。

 

*日隅一雄氏は主権者が国民投票とデモで行動を起こすことを考えていたが、私はそのことを大きく捉えると、世論の力で世の中を動かすことだと思っている。

国民が何を考えているのかは、声に出さないと伝わらない。

世論の力は大きなものを変える力になる。 

政治家がエネルギー政策を決めるのではなく、国民一人一人が再生エネルギーについて考え何を選択するのかを選ぶ機会(国民投票)が増えてもいいと思っている。

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② 検証 福島原発事故・記者会見2―「収束」の虚妄 木野龍逸氏

2013年04月14日 | 

《情報隠し》

2012年1月9日、午後六時から始まった記者会見で、東電の寺澤広報部長は、下請け企業の作業員が作業中に倒れ、心肺停止の状態で病院に搬送されたと発表した。

そして現在も治療中だという説明があった。

しかし、11日午後六時の記者会見では、作業員が9日に死亡していた事を発表した。

資源エネルギー庁が情報開示請求に応じて公開した資料の中には、記者会見の内容とは反対の記載がされていた。

1月9日の17時2分頃には死亡確認と書かれてある。

 

《同志は斃れぬ》

弁護士でありジャーナリストだった日隅一雄氏は、余命六ケ月の宣告を受けたあとも活動を続け、がんで亡くなる直前まで講演活動を行なっていた。

それは正義の為

自分のことよりも人の為

ジャーナリストとしての意識が高かった為

日本の将来を誰よりも考えていた為

2012年6月12日 日隅一雄氏死去 

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① 検証 福島原発事故・記者会見2―「収束」の虚妄 木野龍逸氏

2013年04月13日 | 

《被曝隠し》

朝日新聞特別報道部の藤森千秋記者は、「福島第一原発で、作業員の線量計に鉛カバーをかぶせて被曝量をごまかしていると同僚から依頼を受けて、真相を調べ始める。

証拠となる録音テープと元作業員の話から、2011年11月下旬から12月上旬ごろ、一次請け企業の役員でもある現場リーダーが作業員らを集め、用意した鉛板で、線量計を覆うカバーをつくるように指示し、作業時に密かに装着するように求めた。作業チームの12人のうち、証言者ら3人が装着を拒否したため、役員は彼らに作業からの離脱を求めた。リーダーを除く残る8人は、指示の通り作業した可能性がある。作業は、汚染水処理装置につながるホースに連結防止用の保温材を巻き付けることだった。

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検証 福島原発事故・記者会見―東電・政府は何を隠したのか(2) 日隅 一雄・木野龍逸

2013年04月09日 | 

低線量被曝について

この本の中で

山下俊一長崎大学大学院教授(現:福島県立医科大学副学長)は、講演会で「大人は20歳を過ぎると放射線の感受性は殆どありません。もう限りなくゼロです。大人は放射線に対して感受性が殆どないということをまず覚えて下さい」「放射線の影響は、実はニコニコ笑ってる人には来ません。クヨクヨしてる人に来ます」と発言している。

○東洋経済オンラインの記事

2013年4月3日の東洋経済オンラインの記事にはこう書かれてあった。

福島市や全村民が避難を余儀なくされている福島県飯舘村など、福島第一原子力発電所からの放射性物質で汚染された地域で、動物や植物に異常が多く見られることが研究者による調査で明らかになった。

3月30日に東京大学内で開催された「原発災害と生物・人・地域社会」(主催:飯舘村放射能エコロジー研究会)で、東大や琉球大学などの研究者が、ほ乳類や鳥類、昆虫、植物から見つかった異常について報告した。

原発事故による生物への影響についての研究報告は国内でもきわめて少ないうえ、4人もの研究者が一般市民向けに報告したケースはおそらく初めてだ。

福島市内のサルについては、外部被ばくは年間数ミリシーベルト程度の積算線量にとどまるうえ、内部被曝量も10ミリグレイ程度にとどまるとみられると羽山教授は見ている。にもかかわらず、ニホンザルの正常範囲より白血球数、赤血球数とも減少しており、白血球は大幅に減少していた。「特に気になったのが2011年3月の原発事故以降に生まれた子どものサル(0~1歳)。汚染レベルと相関するように白血球の数が減っている。造血機能への影響が出ているのではないかと思われる」(羽山教授)という。

 

山下俊一長崎大学大学院教授(現:福島県立医科大学副学長)が、今も福島県立医科大学にいらっしゃるのかは知らないけれど、もし万が一にでも低線量被曝が原因で体調が悪くなった人達が、白血球数が減少していることが検査で分かった時に、ストレスでしょうなどと最初から決めつけないで欲しい。低線量被曝が原因でがんの症状が出てきた時では遅いのだから。

国民一人一人が見ている。

東電のやり方も。

政府のやり方も。

事の成り行きを世界が見ている

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検証 福島原発事故・記者会見―東電・政府は何を隠したのか(1) 日隅 一雄・木野龍逸

2013年04月08日 | 

この本は、弁護士である日隅氏とフリーライターの木野氏によって書かれたものである。おわりにこう書かれている。

私達がこの本を書く直接の動機は、これほどの大事故に際し、事故の当事者である東電や監督官庁が、どのような姿勢で市民に情報を伝えたのかを記録に残しておく必要があると感じたからだ。情報公開のあり方に対する評価は読者の判断に委ねたいが、「はじめに」でも述べたように、私たちは二度と同じようなことが許されてはならないと考えている。

 

原発事故後、一人は関わっていた仕事を断り、一人は胆のうがんの宣告を受けながらもこの本は出版された。そのおかげで知りたいと思っていたことをこの本で知ることが出来たし、また新たに気付いた点もあった。

 

○東電は10mを超える津波を予測していた。

2006年 7月 原子力工学国際会議で、東電の専門家チームが英文レポートを発表している。内容は、当時福島第一原発で想定していた津波を上回る津波が、50年以内に襲来する確率は約10%、10メートルを超える津波が襲来する確率も1%弱あると記載されていた。

*保安院は東電による2008年の貞観地震モデルの試算について、2009年9月に報告を受けていた。

東電が「津波は想定外」といい続けたのには理由があった。それは原子力損害賠償法に、「その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない」という規定があったからだ。

 

低濃度汚染水の濃度と、放水量を直接保安院が確認していない!

東電は、4月4日集中廃棄物処理施設の、低濃度汚染水約1万トンを海へ放出した。私は、夜7時過ぎから夜の闇にまぎれて、高濃度汚染水を放出したのではないかと疑念を抱いていたが、日隅氏によると東電の仮設タンク発注時期が遅れたのがすべての原因ではないかと考えたそうだ。

 

汚染水を飲むように強要したフリージャーナリスト

10月31日の統合会見で園田政務官に対して、複数のフリージャーナリストが敷地内に散水している処理された後の汚染水を飲むように繰り返し迫り、実際に、園田政務官が現地から取り寄せて飲むという事件が起こった。

私はこの本を読んで初めて知ったけれど。

4月25日から、福島原発事故に関する記者会見を東電と政府が合同で始めている。その記者会見に対する参加資格で、フリージャーナリストやインターネットメディアの一部が排除されそうになった。

この事件の発端には、そういう理由もあるような気がするけれど…

 

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死の淵を見た男  吉田昌郎と福島第一原発の500日(3)  門田隆将氏

2013年04月07日 | 

この本に対する疑問箇所は幾つかあるけれど、一番価値観が違うなと感じた点がトップの在り方だった。

3月15日5時30分過ぎに菅元首相が東電本店に着いて、東電の幹部や社員を前に話しをしたあと、6時過ぎ…

直前に何かが爆発して、二号機のサプレッション・チェンバー(格納容器の圧力を調整する圧力抑制室)の圧力がゼロになる。

吉田所長は「各班は、最小人数を残して退避!」と指示を出す。

さらに「(残るべき)必要な人間は班長が指名すること」と続けた。

この発言は、班長が作業員の生死を選べ(命の選別)と言っていることと同じだと私は理解した。

そんな生死に関することを、トップである吉田所長が班長に委ねていいのだろうか。

そして指示された班長も、誰を選んだらいいか分からなくなるだろう。

吉田所長は、緊対室の椅子と机の間にできたスペースで胡坐をかいて座り込んでいる時に、こう考えたそうだ。

「私はあの時、自分と一緒に‘死んでくれる’人間の顔を思い浮かべていたんです」

「何人を残して、どうしようかというのを、その時に考えましたよね。ひとりひとりの顔を思い浮かべてね。私は、東電に入社してから、福島第一は長いんです。若い時から何度も勤務しているし、あわせると十年以上、ここで働いていますからね。若い時から、一緒にやってきた仲間が結構いるんですよ」

 

吉田所長の指示の後、伊沢が若い人間に早く退避するように促していく。

それは本来 吉田所長が担うべき役割なのではないかと思う。 

価値観が違う点のあと一つが、‘最悪の事態’が訪れるまえの段階で、免震重要棟にいる600人以上の中の、技術系以外の人達や女性を早い段階で第二原発に避難させることができたのではという点だ。

1号機のベントをする前の段階で避難させていれば…

 

*2013年4月5日 国会で民主党の長妻議員が福島第二原発の廃炉の件で、安部首相に質問した。

安倍首相は、運転を停止している福島県の東京電力福島第二原子力発電所1~4号機の再稼働について、「仮に安全性が確保されたとしても、地元自治体、住民に理解をいただくのは簡単ではない」と述べた。

廃炉にするかどうかについては、「事業者(の東電)が(廃炉を求める地元の)そういう状況などを総合的に勘案しながら判断していく」と述べるにとどめた。

首相は明確に廃炉にするとは答えなかった。

トップの在り方は正しいのだろうか?

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死の淵を見た男  吉田昌郎と福島第一原発の500日(2)  門田隆将氏

2013年04月06日 | 

「死の淵を見た男  吉田昌郎と福島第一原発の500日」とあるので、この本は吉田所長を中心に書かれていると思ったが、東電の伊沢さんをメインに書かれていた。

その他にも、フクシマフィフティと東電の作業員・協力企業の人達・自衛隊・消防隊員など大勢の人達が原発事故の初期の段階で関わっていた。

その人達が、福島原発に滞在する時間の長さや回数に関係なく、命がけで事故の収束作業にあたったから今の日本がある。

この本を読んだ人の中に涙を流して、この本を賞賛している人もいたが、私は冷静に読んでいた方かもしれない。

私は原発事故以来、原発に関する本を何冊か読んだ。

その中に「ノンちゃんの原発のほんとうの話」という本があった。

この本の中で、電源三法という法律の事が書かれていた。

電源三法の交付金のおかげで地元に億単位のお金が入ってきて、立派な公共の施設を建設することが出来たり、雇用が生まれたりしたのではないだろうか。

 

そういう背景があることを知っていたので、冷静に読めたのかもしれない。

この本を読みたかった理由に、事故に対する幾つかの疑問点があった。

疑問点① 電源車のプラグのスペックが合わず、電源が繋がらなかった点。

疑問点② 4月4日集中廃棄物処理施設の、低濃度汚染水約1万トンを海へ放出したことに対しての記述がない。なぜメガフロートが来るまで待てなかったのか。

私は、夜7時過ぎから夜の闇にまぎれて、高濃度汚染水を放出したのではないかと疑念を抱いていた。

だが、この本には疑問点に対することが書かれていなかった。

  

この本の中には、吉田所長や東電の作業員が、事故を起こしたあとどう思っているのかが書かれていない。

東電社員が何を考えているのかを知るには、「最高幹部の独白 福島原発の真実」 

今西憲之氏の本を見ればわかるかもしれない。

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死の淵を見た男  吉田昌郎と福島第一原発の500日(1)  門田隆将氏

2013年04月05日 | 

作家という職業は、ある意味言葉の魔術師だと私は思う。

本人が使う言葉の一つ一つで、読者の受取り方が違ってくるからだ。

本を読んでいたら、悪い意味で言葉の使い方が上手いなあと感心させられた。

ネットでこの本のレビューを幾つか見ていたら、東電側を擁護していると書かれていた。

読んでいて、確かにそう感じてしまった点が幾つかあった。

東電の撤退問題では、清水社長の説明不足と書かれていて、政府の対応についての書き方と比べると公平とは言えない言葉の使い方をしていた。

以前、門田隆将氏の「なぜ君は絶望と闘えたのかー本村洋の3300日」を読んでいたせいで、勝手にこの本は中立的な立場で書かれていると思い込んでいたせいもあるかもしれない。

  

この本のはじめに

本書は、原発の是非を問うものではない。

あえて原発に賛成か、反対か、といった是非論には踏み込まない。

なぜなら、原発に「賛成」か「反対」か、というイデオロギーからの視点では、彼らが死を賭して闘った「人として」の意味が、逆に見えにくくなるからである。

私はあの時、ただ何が起き、現場が何を思い、どう闘ったか、その事実だけを描きたいと思う。

原発に反対の人にも、逆に賛成の人にも、あの巨大震災と大津波の中で、「何があったのか」を是非、知っていただきたいと思う。

本書は、吉田昌郎という男のもと、最後まであきらめることなく、使命感と郷土愛に貫かれて壮絶な闘いを展開した人達の物語である。

と書かれている。

 

原発の是非について書かれていないと知らずに、題名だけでこの本を手にとって読み始めたが、私はこの本の中で、吉田所長が原発をどう思っているのかと、原発事故を起こしたことについてどう思っているのかを知りたかった。

だがこの本には書かれていなかった。

原発に「賛成」か「反対」かどうかを書いたら、この本自体が成り立たなくなってしまう可能性がある。

結局この本の中で、事故を起こしたことについての東電側からの謝りの言葉はなかった。

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