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死の淵を見た男  吉田昌郎と福島第一原発の500日(3)  門田隆将氏

2013年04月07日 | 

この本に対する疑問箇所は幾つかあるけれど、一番価値観が違うなと感じた点がトップの在り方だった。

3月15日5時30分過ぎに菅元首相が東電本店に着いて、東電の幹部や社員を前に話しをしたあと、6時過ぎ…

直前に何かが爆発して、二号機のサプレッション・チェンバー(格納容器の圧力を調整する圧力抑制室)の圧力がゼロになる。

吉田所長は「各班は、最小人数を残して退避!」と指示を出す。

さらに「(残るべき)必要な人間は班長が指名すること」と続けた。

この発言は、班長が作業員の生死を選べ(命の選別)と言っていることと同じだと私は理解した。

そんな生死に関することを、トップである吉田所長が班長に委ねていいのだろうか。

そして指示された班長も、誰を選んだらいいか分からなくなるだろう。

吉田所長は、緊対室の椅子と机の間にできたスペースで胡坐をかいて座り込んでいる時に、こう考えたそうだ。

「私はあの時、自分と一緒に‘死んでくれる’人間の顔を思い浮かべていたんです」

「何人を残して、どうしようかというのを、その時に考えましたよね。ひとりひとりの顔を思い浮かべてね。私は、東電に入社してから、福島第一は長いんです。若い時から何度も勤務しているし、あわせると十年以上、ここで働いていますからね。若い時から、一緒にやってきた仲間が結構いるんですよ」

 

吉田所長の指示の後、伊沢が若い人間に早く退避するように促していく。

それは本来 吉田所長が担うべき役割なのではないかと思う。 

価値観が違う点のあと一つが、‘最悪の事態’が訪れるまえの段階で、免震重要棟にいる600人以上の中の、技術系以外の人達や女性を早い段階で第二原発に避難させることができたのではという点だ。

1号機のベントをする前の段階で避難させていれば…

 

*2013年4月5日 国会で民主党の長妻議員が福島第二原発の廃炉の件で、安部首相に質問した。

安倍首相は、運転を停止している福島県の東京電力福島第二原子力発電所1~4号機の再稼働について、「仮に安全性が確保されたとしても、地元自治体、住民に理解をいただくのは簡単ではない」と述べた。

廃炉にするかどうかについては、「事業者(の東電)が(廃炉を求める地元の)そういう状況などを総合的に勘案しながら判断していく」と述べるにとどめた。

首相は明確に廃炉にするとは答えなかった。

トップの在り方は正しいのだろうか?

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2 コメント

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this way (noga)
2013-04-08 17:16:20
安全は大好きだ。神話も好きだ。安全神話作りは得意で、すぐに信じられる。広めるのもたやすい。
我が国の国策は、安全神話と深く関係しているに違いない。
だが、最悪のシナリオを想定するのはひどく難しい。恣意の人ならそうなる。
これは、平和ボケのようなものか。

太平洋戦争初期に、フィリピンの米比軍はキング少将もジョーンズ少将も投降して、75000人以上の将兵の命を救った。
太平洋戦争後期に、日本軍は米空軍の飛来をゆるし、1945年3月10日未明、東京の下町の江東地区がB29約300機による空襲をうけ、死者10万をこす被害を出した。
日本人の指導者には、作戦の成否を予測する力はないのか。
人命の尊重はどのように考えられていたのであろうか。

それでも日本人は、原発の再稼働を選んだ。
一億総ざんげへの道。動き出したら止まらない。
この道は、いつか来た道。ああ、そうだよ、民族の歴史は繰り返す。

意思のあるところに方法はある。(Where there’s a will, there’s a way).
意思のないところに解決法はない。
意思は未来時制の内容であり、日本語には時制がない。
それで、日本人には意思がなく、解決法が見つけられない。
自然鎮火を待つのみか。

耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、もって万世のために太平を開かんと欲す。
不自由を常と思えば不足なし。
座して死を待つか、それとも腹切りするか。
私の父は、玉砕した。何のお役に立てたのかしら。
安らかに眠ってください。過ちは繰り返しますから、、、、

わかっている、わかっている。皆、わかっている。
ああしてこうすりゃこうなると、わかっていながらこうなった、、、、、
十二歳のメンタリィティには、知恵の深さが見られない。教養がない。
わかっちゃいるけど やめられない。ア、ホレ、スイスイ、、、、

白く塗られた黒いオオカミの足を見破ることは難しい。
だます人は悪い人。だまされる人は善良な人。おとり捜査は難しい。
この調子では、人の命はいくつあっても足りるものではない。
我々は、自らは望むことなく危機に陥る民族なのか。

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コメント有難うございます。 (hagetaka)
2013-04-08 21:11:49
nogaさんコメント有難うございます。
人間は同じ間違いを何度でも繰り返しますが、私は希望を抱き続けています。

私は原発再稼働・海外での製造にも反対なので、同じ間違いを繰り返さない為にも、明確な意思を持って最近のブログでは東電・再稼働を考えている首相・その他の人を批判しています。
他人に向けた思いが、自分に返ってきて人から批判されることになったとしても。
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