2月27日(日)。朝の気温2℃。晴れ。温かい日となる。
短歌新潮春期本部歌会の詠草が送られてきた。出詠者は104人である。選歌をしておかなければ後で日程が取れないので、午前中にその仕事を済ませる。104首の中から10首を選び選歌表に書き出した。
午後は上田図書館を会場にして開催された「78周年『二・四事件』上田集会」に参加した。主催は実行委員会を構成する県教組・高教組・私教連・国賠同盟長野県本部で、共催が上田小県近現代史研究会で全県から120名の出席があったと発表された。1時30分から5時までじっくと中味の濃い話しを聞くことが出来た。報告は4人からなされ、資料も豊富で大変参考になるものである。短い時間で話しきれない部分が多くもったいないように思った。報告された順に上げると次の通りである。
①「二・四事件」と上小地域ー特徴と課題ー・・・・・小平千文(上田小県近現代史研究会)
事件の正しい捉え方を問題提起された。即ち呼称が従来「長野県教員赤化事件」と呼ばれて来たが、上小では労農者がほとんどで教員は僅かであった。したがって本質は「改悪治安維 持法による社会運動全体を封殺する意図をもった意図的・組織的な検挙事件」である。上小地域における特徴的な動きが報告され今後に生かせる内容として参考になった。
②上小地域における労農運動ー高倉テルとの関係を中心にして・・・・・平林茂衛(長野山宣会会長)
高倉テルが果たした功績をめぐって、手紙や論文など豊かな資料を基にされての話であった。無産者診療所設立(昭和7年)の訴え文書・農民組合情報紙・著書目次などの参考資料を もとに話され、特に生き証人としての想い出話が大変興味があった。
③上田市「新自由主義的教育改革」と教育現場・市民の取り組み・・・・・中村和幸(川西小学校教諭・県教組上小支部副執行委員長)
学校選択性・教育バウチャー制とそのための学校評価・教員評価を上田市に導入しようと言う動きと、「上田市教育行政のあり方を考える有識者会議」の立ち上げをいち早くキャッチ して反対派の委員を送り込み、委員会の度に傍聴者を増やし、市民運動を盛り上げて導入を押し返した経過と運動の成果をまとめての報告で、大変ために成った。なほ「上田市の教育 を考える会」では色々の取り組みをし毎月1回研究会を継続していると言う。また2011年5月28日には「アンダンテ~稲の旋律~」(激しい競争の中で引きこもりになった主人 公が、農業青年と関わる中で、立ち直っていく姿を映画化した実際の物語)の上映を計画していると言う。都合をつけて鑑賞出来るといいが。
④上小地域「二・四事件」から継承・発展すべき課題を探る。・・・・・村山 隆(里山保全「ヤマンバの会」事務局長)
自分史に関わる話から入り、「二・四事件」に関与した叔父のことから、映画「草の実」制作に協力した事、事件名は「二・四農民運動弾圧事件」と言えるとし、今もなお残る地域社 会のアカ攻撃は軽視も無視も出来ない重要問題であると提案された。なほ何を学ぶかを10項目にまとめられて同感である。今後の課題を分かりやすく分析されたことは有り難い事で ある。
四人の報告の後質疑討論があり感想を述べて終わりと成った。