韓国の冬は厳しい。
今は整備されたオンドルがあるが、昔の家は、炊事の焚き物で出る廃熱を、煙とともに
床下に通して暖をとっていた。
通風より、熱を逃がさないことを最優先し、開放部は極力小さくし、二重窓にするなどの
工夫を凝らしていた。
日本に較べて、朝鮮半島の梅雨は、それ程長くなく、湿気も大きく無いので、これで良か
ったのであろう。
今ではほとんど、見られなくなったが、土壁に瓦屋根を乗せた、平屋の家が殆どであっ
た。
伝統的な家屋ではあるが、外国人に見られるには、余りに貧弱過ぎるといわれ、
政府の指導で、 モデル住宅が示され、全国的に広まった。3,4枚目がそれである。
レンガ張りの二階建て、水洗トイレ付きの、文化住宅である。
全国的には、この形式の住宅が一般的である。
ソウルなどの大都市では、土地の有効利用の観点から、2戸くらいの敷地をまとめて、
5,6階の小アパートを建て、最上部に大家の家を乗せ、他を分譲する方式が広まって
来ている。
5枚目の左下の建物がそれである。毎月の様に取り壊しと、小アパートの新築工事が
近所で行われている。
韓国人達は、どう言う訳か、一戸建てよりもアパートが好きである。特に、都会の
エリートサラリーマン達はそうである。
ゼネコンが建設するアパートは、立地が良ければ、設計段階で完売する事も多い。
これらは、25階から30階建てが一般的であるが、最近は、もっと高層化が進んで
いる。
アパートは、35坪から60坪位が普通で、間取りは3LDK、4LDK程度である。
新婚さんが入居するアパートは、もっと小さく、大抵1から2LDKである。ここで
子供が学校へ上がるころまで生活することになる。
アパートは新郎が用意するのが一般的で、大抵の新郎は、親の厄介になる。
頭金を負担してもらい、後はローンに頼る。
韓国の不動産は、日本のバブルの様に、上がる一方で、借金は苦にならないようだ。
これがずっと続けばいいのだが。