指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『ドント節・サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ』

2020年05月28日 | 映画
1962年の大映映画、これほど羊頭狗肉の作品もないと思う。
クレイジーキャッツは、冒頭とラスト、その他3シーンしか出てこない。



筋は、三日月商事と言う会社の「しなの支社」のいい加減な社内を描く喜劇の脚本があり、そこに急遽クレイジーを入れたものなのだと思う。
なにしろ、主人公川崎敬三の父親の見明凡太郎は、小遣い(警備員か)で、川崎も中卒で見習社員と言うのだから、昭和初期のことかと思ってしまう。

意外にもクレイジーは、東宝ではなく、最初の映画は、これと前作『スーダラ節』も、大映なのだ。
『スーダラ節』は、見ていないが、たぶん同様なダサい作品だったと思う。
特に音楽が駄目で、ここでも萩原哲昌だが、大映の音楽は、伊福部昭、池野成に象徴されるように重音楽であり、クレイジーの「軽音楽」ではない。
クレイジーは、元はジャズバンドなので、軽音楽なのだ。
「大映は合わないな」と思い、たぶんハナ肇が、東宝で映画を作ることにしたのだと思う。
唯一、救いと言えば、万里昌代が、ここでもきれいだと思えたことで、弓恵子と浜田百合子も非常に色っぽい。

日本映画専門チャンネル

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