指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

武井咲は司会者だからよい 『黒革の手帖』

2017年09月04日 | テレビ

 『黒革の手帖』が面白くて毎週見ている。

この番組が成功しているのは、奥田英二、伊東四朗、高島政伸、高畠淳子らベテラン俳優の悪ノリ演技である。

               

彼らは、誇張された演技を嬉々として演じているように見える。

この感じは、数年前の『半沢直樹』から始まったものだと思うが、淵源を辿れば、「赤いシリーズ」の大映テレビ室ドラマであり、さらに遡れば増村保造映画となる。

ここで、銀行の派遣社員として男たちから虐げられていた武井咲は、銀座のクラブのママになり、男たちを手玉に取り、次々と血祭りにあげていく。

まるで、増村映画の渥美マリのようである。そこでは最後は、主人公は大きな力で負けてしまうが、「またやるぞ」と言い、女性として自立するところで終わったものだが、この番組はどうなるのだろうか。

このテレビが成功しているのは、武井を、奥田らの悪人ばらを紹介する司会役にしていることだ。

その上で、悪人たちは嬉々として演技していると思う。

脚本の羽原大介の勝利だろう。



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