指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

万博、カジノに正反対のものはなにか

2023年07月16日 | 横浜

昨夜は、「山下ふ頭についてのみんなのプロジェクト」の野毛のハナハナでの会議に出た後、元市役所の野田邦弘君らと懇親をした。

土曜日の夜で、ベイスターズ戦もあったとのことで、野毛は大変な混雑だった。

ただ、ベイスターズは負けたので、そのユニフォームの連中はいなくて、逆に広島のファンがいたようだ。

さて、この席で一番の話題になったのが、大阪の万博がだめだということで、まさに時代遅れとの意見だった。万博は、19世紀末の欧州で、世界の珍しい文物を集め、またイギリス、フランスの進んだ文明を背内中に見せるイベントとして始められた。そこに来たインドネシアの音楽は、ドビッシーの響きにヒントを与え、アフリカの彫刻は、ピカソに影響したのは有名だろう。

日本も徳川幕府も出展したし、明治政府も出たはずだ。

いずれにしても、文化、文明の交流に大きな役割を果たしたことは否定しない。

それは、1970年の大阪万博では、米国の「月の石」のように大きなインパクトのある展示になった。

ここには、私は大学の先輩に誘われたが、はしかで寝ていたので行かなかったのは、幸運だった。

それは、大阪駅前でのガス爆発の日だったので、行けばたぶん好奇心の強いわれわれは何らかの被害にあったと思うのだ。その後、その林さんとは、「行かなくて良かった、行けばきっと被害にあっただろう」と話したものだ。

そのように万博も50年前なら、開催の意義はあっただろう。

だが、今日、世界から呼ぶような珍しい文物、あるいは見せるべき最新の科学技術はあるだろうか。

ない。

なんでもネットで、映像と音で享受できる時代である。

先日、パキスタンのカワーリーのグループ、ラーファット・ハーンの映像があってびっくりした。

その名の通り、ラーファットは、ヌスラット・ファテ・アリハーンの甥であり、日本公演のとき、1992年のパシフィコ横浜のウォーマッド横浜でも、ヌスラットの隣で歌っていた男の子だった。

もう30年以上も立っているので、おそらくは50くらいの大人になってグループのリーダーとして、カワーリーを唄っている。

そのような時代に万博は必要だろうか、ないのだ。だから、海外からの出展がないのは当然なのだ。

横浜で昨年の横浜市長の選挙で、カジノの反対が決まったが、これはカジノや万博と言った、時代遅れの開発主動の行政の在り方に「ノー」が突き付けられたものだ。

 

              

だが、昨日の会議でも、文化、芸術に関する未来的な案が提案されていた。

それは、未来の案としては、楽しく夢があるが、昨年横浜市民が望んだものだろうか。

私は、違うと思うのだ。コロナ騒ぎを経て、多くの普通の市民は、そんな明るい未来の夢よりも、きちんと本来の行政のするべきことをやれ、と言ったのだと私は思うのだ。

その意味で、まずは現在は、金沢区にあり、すでに移転が決まっている横浜市大病院の整備を第一にしてもらうべきで、それを核に医療、福祉、研究等の拠点を横浜市にやってもらうのが、良いと思う。

その他の夢のある計画については、少しづつ、民間等の協力をえながら、段階的に整備していくべきと考えるのです。

まずは、横浜市行政として、すべき施設を整備してもらうことで、山下ふ頭地区開発の狼煙を日本の内外に出すべきだと思うのです。

いかがでしょうか、ご意見、コメントをください。


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