指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『雲霧仁左衛門』

2021年03月27日 | テレビ
NHKBSの『雲霧仁左衛門』が終わった。歌舞伎から映画まである雲霧の話だが、宮川一郎の脚本が面白いので、最後まで見られた。
そして、雲霧の中井貴一、総領子分の伊武雅人、さらに下っ端の柄本佑、今回は金を取られる尾張の豪商の鶴田忍など、配役も豪華で面白かった。
一番驚いたのは、七化ケの女が内山理名だった。
さらに、第一は雲霧の中井貴一であろう。
普通は善人役の中井が、悪人を演じていることだ。
彼の父親の佐田啓二も、映画『君の名は』を代表に、メロドラマの主人公、善人役専門だった。

           
だが、晩年は『悪の紋章』や『甘い汗』など、悪人を演じている。
特に面白いのは、『甘い汗』で、そこでは普通は悪人役の山茶花究が、悪人でヤクザの手下になっているらしい佐田に、靴屋の店を騙し取られることだ。
その撮影の最中に佐田は、交通事故で死んでしまったので、一部は特撮の写真と映像の挿入になっている。
役者という者は、善人役だと馬鹿らしくなって、悪人役をしたくなるものなのだろうか。




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