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指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

「Tさんしか見えない」

2023年05月26日 | その他

早稲田大学の劇団演劇研究会も、『地獄のオルフェウス』をやったはずで、主人公のレディは、漆川由美(井上遙)で、年上の夫は藤岡さんだと知っていたが、彼らの店にやってくる流れ者のギター弾きがだれか分からなかったので、先輩のAさんに聞く。Aさんもインディアン役で出ているのだ。

「あれは、Tだよ」

「ああ、そう、一応二枚目だからね、でもミス・キャストだね。そもそも、あんな変な劇を学生劇団がやること自大が大間違いだね」

「まあ、演出の堀内君は、結構純情だったので、二人の関係を純愛としたんだろうね」

「昔、やった大竹しのぶのは、結構そういう感じだったから、そういう解釈もありうるね」

「いま、巨人戦を見ているから・・・」

 

そして、このTさんのことを思い出した。

私の1年上にいて、二枚目で、卒業後は、文学座の研究生になり、少しいたようだが正式な座員にはなれず、県の外郭団体の職員になっていた。

そして、20年前くらいだが、同期で私の1年上の山本亮さんから、

「Tがガンで死にそうなので、一度会おう」と連絡があり、横浜のどこかで5人くらいで飲んだ。

そのとき、いつもTと一緒にいた女のAも来た。卒業後は別れていたようだが。

Aは、私と同じ学年だったのだが。

そして、Aと話して驚いたのは、Tさん以外の男をまったく憶えていないことだった。

「あんた誰?」と私も山本さんも言われてしまった。

つまり、Tさん以外の男は、誰も記憶していないのだ。

まことに女性の鏡というべきだろうか。

だが、その後Tさんが、亡くなられたという話は聞いたことがない。

                

逆に、会を持ってくれた山本さんは、数年前に亡くなられてしまっている。

Tさんは、今はどうしているのだろうかと思った。

 


井上貴子先生提供だった 『グローバル経済史』

2023年05月04日 | その他

放送大学の『グローバル経済史』の水島司先生の「アジアと産業化革命」を見ていたら、

インドの木綿製品のモデルとして薄地の生地がスタジオに吊り下げられていて、「井上貴子提供」となっていた。

今は、大東文化大学の教授となられた音楽学者の井上貴子先生に間違いないだろう。

                                         

井上先生とは、日本ポピュラー音楽学会総会で一度だけだが会ったことがある。

このとき先生と話したのは、同学会の発足に中村とうようさんは、初めは大変熱心だったが、その内に意見が対立して辞められたとのことで、いつものことだが、とうようさんらしいなあと思ったのだ。

井上先生提供の生地は、非常に美しいもので、薄地のようだ。

 


性差医療について

2023年04月30日 | その他

昨日はさすがに少し疲れたので、すぐに寝る。

午後も、ぼんやりとビデオを見ていたら、人間の病気の性差の特番だった。

これは、20年前に脳梗塞で倒れた時、気づいたことだった。

男は左麻痺、女性は右麻痺なのだ。

もちろん、男で右麻痺、女で左麻痺はいるが、大体70から80%は、男は左、女は右マヒなのである。

それは、食事のとき、男女一緒の部屋で取ったので、すぐに分かったことなのだ。

さらに、不思議なのは、脳のくも膜下出血は、圧倒的に女性に多く、それも年齢には関係ないということだった。

女性で、20代くらいの患者の方がいて、車いすに赤ん坊の写真を付けているので、なぜかなと思っていた。

ある時、夫とみられる男性が見舞いに来たが、やはり非常に若い人だったのであり、くも膜下出血は、女性でも年齢に関係なく起きる病気なのだ。

また、男女のホルモンの作用に違いについても説明されたが、男性ホルモンは、体を強壮に、女性ホルモンは体の健康を保つように作用するのだとのこと。

それに倣えば、男は、思考や論理を司る左脳を守り、女性は、感性や感情を司る右脳をより重要なものとして、その反対側の脳を犠牲にするのではないかと私は思うのだ。

 

                   

なんども書いているが、その意味で、巨人の長嶋茂雄は、男性には珍しい右マヒだが、やはり感性的な方だろうと私は、彼を理解している。


BMWのオートバイ

2023年04月29日 | その他

以前、パシフィコ横浜にいるとき、休日だったと思うが、何かの用で、横浜市役所前にあった会社に行くと、

某大企業から来ていたNさんが、さっそうと大型バイクを止めて降り立った。

「これはなんですか」と聞くと、

「BMWだよ」と言われる。

「BMWって、バイクも作っているのですか」

「もともとBMWは、4輪よりも、バイクの方が先なんだよ」

と言ってどこかにツーリングへと去って行かれたのだ。

 

                

やあ、カッコいいなあと思った。

 


小山台高校、永見先生

2023年04月22日 | その他

先日は、日本史の荒久保先生について書いたが、もう一人好きだったのが、物理の永見先生だった。

この方は、元は戦闘機に乗っていたという人で、片肺がなくて、いつも咳き込んでいたが、話は非常に面白かった。

得意の分野は、戦争の戦法で、アレキサンダー大王から、ナポレオン、さらにノモンハン戦と古代から近代に至る戦争のやり方の説明と批評なのだ。

一番は、日本軍とソ連軍のノモンハンでの空中戦のことで、戦闘機は回転半径小ささと速度で決まるのだそうで、上空でぐるぐると旋回していたら、半径が小さくて速度が速い方が、いつか必ず相手の後ろに入ってしまうもので、ソ連機は、日本軍の97式戦闘機の敵ではなかった。

そこで、ソ連は戦法を変え、97式とはあまり戦わず、なるべき上空で待機して、来たら戦うが、すぐに逃げるという「一撃離脱法」を編み出して、消耗を防いだとのことだ。

そして、日本の戦国時代等の戦争の無意味さを指摘しておられたのだ。

日本の戦国時代、関ヶ原の戦いも、戦争の始まる前の「外交交渉」で、戦力図が決まっていて、ほとんどまともな戦いになっていないのだと指摘されていた。

私が、戦争や右翼的思想に疑問を持つ切っ掛けを与えてくれた先生の一人である。


最初に食べた麻婆豆腐など

2023年04月20日 | その他

今日は、「四川料理の日」なのだそうで、四川料理と言えば、一番有名なのは麻婆豆腐だろう。

私が、最初に食べたのは、大学2年のときで、有楽町の広告代理店に勤務していた島村さんの会社でアルバイトをしていたときだった。

昼休みに、錦江飯店で食べたのが、麻婆豆腐で、一皿に麻婆と御飯が盛られたもので、800円だったと思う。当時としては、非常に高いものだったが、アルバイトの気楽さで食べていたと思う。

先輩の手島さんもいたのだが、彼も、もういない。

その際には、東宝ツインタワービルで、黒澤明を見かけたこともあった。

              

映画『トラ、トラ、トラ』のシナリオを書いている時期で、まだ意気軒高とした姿で、両脇に男をまるで、家来のように従えて歩いていた。

「やあ、背が高いなあ」と思ったものだ。

この年の12月末に、黒澤は、20世紀フォックスから監督をクビになってしまうのだが、そんなことはみじんも見えなかった頃だった。


桜の開花が早くなったのは

2023年04月02日 | その他

今週、横浜では桜がほとんど開花して満開になったようだ。

年々、日本列島では桜の開花が早くなっているようだ。

それは、やはり地球温暖化の性なのだろうか。

私には、桜の品種の問題のように思える。

                                       

早く開花するような品種が選ばれて、植えられているのだろうか。

どうも私には、若い木ほど、開花の時期が早いように思えるのだが。


充電器を買う

2023年04月02日 | その他

朝、起きると携帯電話の電気が入らないので、伊勢佐木町のAUの店に行く。

「電気が切れていて、1%だ」と言われ、持って行った充電器は壊れているとのこと。

最近、夜充電しても、朝起きると電気が減っていることがあった。

充電器の線が切れているのではと言われる。

仕方ないので、きちんとした充電器を買うことにする。

5000円と少々高かったが、なんどもトラブルになるよりましなので、買うことにする。

              

AUのビルは、元はハマ楽器で、ここをAUが借りているのだそうだ。

2階には、バルコニー状のものがあり、そこには民族音楽やラテンなどがあったと思う。

下は、通常のポピュラー音楽とクラシックだったか。

 

 

 


要綱というもの

2023年03月28日 | その他

昨日は、都立小山台高校の2・3年組Aの集まりが行われた。

                                       

これは、昨年夏にT君が亡くなられたのを哀悼するものだった。

彼は、在学中はバレーボールで活躍した背の高い男で、A組で唯一、同級生のJさんと結婚したカップルなのだ。

様々な話が出たが、小山台での特徴として、いわゆる部活動を「班」ということで、これは現在もそうのようだ。

だから、運動部野球班とか、文化部演劇班というので、私は「まるで陸軍の内務班のようだ」と思ったものだ。

この班という呼称は、戦後も実は、多くあったもので、日本テレビでは、各部を音楽班とかドラマ班、報道班と言っていらしい。

さて、私が横浜市役所に入って初めて聞いた言葉に、「要綱」があった。

これは、飛鳥田市政のときの「要綱行政」ではなく、いろんな事業の名称に「要綱」を付けることだった。

それは、区役所でも同様で、「区民マラソン実施要綱」のように使われていた。

そして、この「要綱」は、軍隊の作戦の名称から来ていると分かったのは、後々のことだった。

「何々作戦実施要綱」のようなのだ。

途上国であった戦前の日本の社会では、軍隊は、先進的社会組織の重要な組織だったので、そこでの多くの事物が、一般の社会にも反映されていたのだと思う。

 


9号館から出た、二人の異才 つかこうへいと村上春樹

2023年03月03日 | その他

1960年代後半の話である。

早稲田大学でも、「闘争」が起きて、当時の9号館を学生が占拠して、勝手に使い始めた。

主力は、劇団の連中で、自由舞台と演劇研究会だった。

ここで、自由に稽古をしていたのだが、そこにやってきたのが、つかこうへいで、わざわざ慶応から来たのだ。

もう一人、ここから出た偉才がいて、それは村上春樹であり、彼は人形劇研究会にいて、彼らも9号館を使っていたのだ。

他には、考古学研究会というのもあった。

もちろん、その年の秋に、封鎖解除されたが、その時、中からバッハが聴こえてきた、というのは村上の処女作で、「これは、あそこにいた連中なのか」と驚いたものだ。

              

なぜなら、『風の歌を聴け』のような優れた小説を書ける人間など、あそこにいるとは思えなかったからだ。

『ウォーマッド横浜・歴史から消えたビッグ・フェステイバル』に書いた挿話である。


「情けは人のためならず」

2023年02月23日 | その他

先日、あるイベントのためにパシフィコ横浜に行って話を聞くと、4月には放射線医学会総会・展示会が行われるとのことだ。

これは、私の記憶では、パシフィコ横浜開業以来ずっと横浜でやってくれているコンベンションで、多分最初に横浜での開催を決めてくれたイベントなのだ。

当時は、高橋利男さんの後任として、JTBから井上幸一さんが来ていて、彼が中心となって営業した結果なのだ。当時、私は、企画係長としてウォーマッド横浜などの、オープニングイベントのことを中心にやっていて、その点では井上さんに大変お世話になったものだ。

そして、2001年夏に、脳梗塞で倒れて、滝頭の脳血管医療センターに入院した。

 

               

そのとき、MRIをはじめ、ペットなどの多数の放射線医療機器のお世話になった。

その時、思ったものだ、

「情けは人のためならず」と。

私が寄与したところなど、大したことではないが、こうした放射線機器の発展に多少とも関係したこともあるのかもしれないと思ったものだ。


『大菩薩峠』を読んだ人 林裕通さん

2023年02月15日 | その他

去年、私が出した本『ウォーマッド横浜・歴史から消えたビッグ・フェスティバル』で、早稲田大学の劇団演劇研究会に入っての最大の事件は、林裕通さんに会ったことだと書いた。

 

                                                     

この林さんは、ある意味で不思議な人で、世界最長の中里介山の小説『大菩薩峠』を読み通したという人なのだ。

たぶん、近所にあった貸本屋で借りて読んだのだろうと思う。

感想を聞くと、

「最後は、同じことの繰り返しだった」とのことだ。

まあ、奇特な人には違いない。

なにしろ、二浪して8年生だったので、私が会った1966年には、28歳だったのだ。

「大学にはいろんな人がいるなあ」と思ったものだ。


貨物線は、主要駅を通過してはいけない

2023年02月09日 | その他

大阪の「ララいずみ」さんのユーチューブによれば、大阪環状線から新大阪に行っている貨物線が、今度は地下で大阪駅にも入るようになると変更されると出ていた。

これは、大阪駅、東京で言えば、新宿駅や横浜駅などは、貨物線があったが、出来る限り迂回していた。

それは、乗降客の多い駅では、貨物は事故がある時は危険だ、として迂回させていたのである。

古い人なら、「新宿米タン闘争」というのがあったことを知っていると思う。

                                             

これは、鶴見の米軍石油貯蔵所から貨物線を使って航空燃料油槽車両を北上させ、ベトナム戦争のために、新宿から中央線で米軍の横田基地等へ輸送していたので、中核派等が騒いで、「ベイタン闘争」にしたものである。

だから、横浜駅でも、根岸線から来た貨物線は、桜木町駅で降りて、高島駅を通過して横浜駅を迂回するようになっている。

大阪のこの旧貨物線を改良して、JRの特急「はるか」と「くろしお」も、大阪駅に停車できるようになるとのことだ。


外資系化粧品会社は

2023年01月27日 | その他

前回に書いた下川とやったメークアップショーの企画は、マックスファクターから来たものだった。

マックスは、よく知られているようにハリウッドのカラー映画の女優のメイクで有名になった会社だった。

監督の大島渚も、1950年代の松竹大船撮影所でのカラー映画撮影には、必ずマックスのメイクアップ・アーチストなる女性がきて、撮影に立ち会っていたと書いている。

カメラ、照明等の準備がすべて整い、「いざ本番」となると、この姉ちゃんが出てきて、

「待った!」と言い、再度女優の顔塗りをやったのだそうで、

「メークをやり直さないとまずいのですか」とスタッフが聞くと、

「絶対に映りませんから・・・」と断言したとのこと。

撮影の邪魔ばかりしているので、「あの女のジュースに下剤を入れて、スタジオから追放しろ」と大島も思ったそうだ。

だが、このメークアップ姉ちゃんをこました奴がいたのには大島も驚いたとのこと。

だが、時代が続くと、別にマックスではなくてもカラー映画は映るようになり、国産のカラーフィルムも普及したので、「カラー映画イコールマックスファクター」という神話はなくなったようだ。

そして、一般の消費者向けの化粧品に来たわけだが、なかなか上手くいかなかったようだ。

                                                             

日本の女性化粧品は、相変わらず資生堂、コーセー、カネボウが圧倒的であるようだ。

これも実に不思議なことだと思う。