狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

天壌無窮の御神勅

2006-09-03 09:19:35 | 老年阿呆塾

     「老年阿呆塾」 入塾試験
  老年阿呆塾応募資格概要
国籍、年齢、学歴、所得額、所属政党・宗教団体など当塾入試選考の対象にはならず。
但し、敬老会さ行って、演芸会を楽しむような爺さん婆さんは、予め入塾を拒否される事を覚悟の上応募せられたし。       ―塾長談話。

     2006年実施 口頭試問
試験場は〝阿呆塾1号学習教室〟。教室は学習机は部屋の片隅に片付けられ、ガランとして床が広く見えた。窓を背に試験官と、塾長らしい大男が椅子に腰を下ろしている。向かい合わせの椅子に受験生である小生が座った。
試験官「『天壌無窮の御神勅』を暗誦しなさい。
受験生は、座ったまま昔小学校で習った御神勅を目を瞑って徐に暗誦しはじめた。
最後のところを「
…アマツヒツギノ、サカエマサムコト、マサニ、アメツチトトモニ、キワマリナカルベシ。」と諳んじた。
試験官「その意味を言えなさい。」
受験生「(起立して、不動の姿勢をとった。)畏くも万世一系の天皇陛下に於かせられましては、天と地がある限り、永遠にお栄えするでありましょう。」
試験官「座っても宜しい。この御神勅を暗誦して、どんな感じがしますか。」
塾長らしい男は、黙って目の前の紙に評価を記入した。


既にして、天照大神、思兼神(おもひかねのみこと)の妹萬幡豊秋津媛命(いろもよろずはたとよあきつひめのみこと)を以て、正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊(まさかあかつかちはやひあまのおしほみみのみこと)に配(あは)せまつりて妃とし、葦原中国に降しまさしむ。
是の時に、勝速日天忍穂尊(かちはやひあまのおしほみみのみこと)天浮橋に立たして、臨睨(おせ)りて曰はく、「彼に地は未平げり。不須也頍傾凶目杵之国(いなかぶししこめきくに)か」とのたまひて、乃ち更に還り登りて、具に降りまさざる状を陳す。
故、天照大神、復武甕槌神(またたけみかづちのかみ)及び經津主神(ふつぬしのかみ)を遣して、先づ行きて駈除はしむ。
時に二の神、出雲に降到りて、便ち大己貴神(おほあなむちのかみ)に問ひて曰はく、「(いまし)、此の国を将て、天神に奉らむや以不や」とのたまふ。
 対へて曰さく、「吾が児事代主(ことしろぬし)射鳥遨遊して、三津の碕に在り。今當に問ひて報さむ」とまうす。
乃ち使人を遣して訪ふ。対へて曰さく、「天神の求ひたまふ所を、何ぞ奉らざらむや」とまうす。
故、大己貴神、其の子の辞を以って、二の神に報す。二の神、乃ち天に昇りて、復命をもて曰さく、
「葦原中国は、皆已に平け竟へぬ」とまうす。
時に天照大神、勅して曰はく、
「若し然らば、方に吾が児を降しまさむ」とのたまふ。旦将降しまさむとする間に、皇
孫、已に生まれたまひぬ。号(みな)を天津彦彦火瓊瓊杵尊(あまつひこひこほのににぎのみこと)と曰す。
時に奏すこと有りて曰はく、
「此の皇孫を以って代へて降しまつらむ」とのたまふ。
故、天照大神乃ち天津彦彦火瓊瓊杵尊に、八坂瓊の曲玉及び八咫鏡・草薙劒、三種の宝物を賜ふ。
又、中臣の上祖天児屋命
(あめのこやねのみこと)・忌部の上祖太玉命(ふとだまのみこと)・猨女の上祖天鈿女命(あまのうずめのみこと)・鏡作の上祖石凝姥命(いしこりどめのみこと)玉作の上祖玉屋命(たまのやのみこと)凡て五部の神を以て、、配へて侍らしむ。
因りて、皇孫に勅して曰はく、

「葦原の千五百秋の瑞穂の国は、是、吾が子孫の王たるべき地なり。爾皇孫、就でまして治せ。行矣。宝祚の隆えまさむこと、當に天壌と窮り無けむ」

(あしわらのちいほあきのみずほのくには、これ、あがうみのこののきみたるべきくになり。いましすめみま、いでましてしらせ。さきくませ。あまつひつぎのさかえまさむこと、まさにあめつちときわまりなけむ)

とのたまふ。已にして降りまさむとするあいだに、先駆の者還り白さく。「一の神有て、天八達之衢(あまのやちはた)に居り。其の鼻の長さ七咫、背の長さ七尺余り。t當に七尋というべし。(日本書記神代下第九段)日本古典文学大系:岩波書店

   瑞穂の国「日本」