狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

老健にて

2008-04-30 21:32:36 | 怒ブログ
         

皆さんこんな高齢者いじめの制度が許せますか!
75歳の誕生日より後期高齢者と呼ばれ、新しい制度「後期高齢者医療制度」に加入しなければなりません。これは、お年寄りの負担を益々増大させる、「いじめ」の制度であります。
このような後期高齢者医療制度に茨城県医師会は断固反対します。
●75歳になったらこの制度に強制加入!
●年金から保険料が自動的に天引き!
●保険料を滞納したら保険証をとりあげ!
●自由に医療機関を選べなくなります!
●70~75の方も窓口負担1割→2割に!
我々は後期高齢者医療制度に反対し、撤廃を求めています。
これは患者さんの負担を増やさないための運動です。
茨城県医師会



天長節談義:天長地久補足
[天長節](名)四大節の一。今上天皇の御降誕の祝日。当日、宮中三殿の御親拝の御儀があり、また、宮中で拝賀・参賀・宴会の御儀を行わせらる。「天長」とは「老子」の「天長地久」の字面によって採り、天地と共に聖壽の限りないことをことほぎ奉る意である。支那では、唐の天寶八年に天長節の名称が始まり、我が国では、光仁天皇の寶亀六年九月十一日の詔勅に始めて見えた名称である。
  [天長地久](老子の天長地久章第七に「天長地久、天地所以能長且久者、以其不自生、故能長生」とあるに基づく)天地と共に物事の永久につづくこと。
「辞苑」昭和十年初版 博文館



昭和の日

2008-04-29 13:19:11 | 日録
          
天長地久有時盡  此恨綿綿無絶期(テンはながくチはひさしきも ときありてつく、このうらみはメンメンとしてたゆるときなからん):天地は永遠であるというももの、いつかは滅びる時があるかもしれない。しかし、このせつない恋心はいつまでも続いて絶える時はないであろう。
 唐の玄宗皇帝と楊貴妃との悲恋をうたった、中唐の白居易の「長恨歌」の結びの二句。

「天長地久」を大漢語林(鎌田 正・米山太郎 大修館)でひいたらこんな範例が出てきたので驚いている。
いうまでももなく、今日はむかし流でいえば「天長節」天壌無窮、寶祚万歳の四大節の一つ。現在は国民の祝日である。
なぜか今日の新聞を拡げてみたが、関連記事といえば、
《「きょう夕刊休みます」今日は「昭和の日」のため、夕刊は休刊させていただきます。》の社告だけだった。

天長節
           作詞:黒川 真頼 作曲:奥 好義
今日の吉き日は大君の
うまれ給いし吉き日なり
今日の吉き日は御光の
さし出給いし吉き日なり
光遍き君が代を
祝え諸人もろともに
恵み遍き君が代を
祝え諸人もろともに

明治二十六年


万歳!!

2008-04-27 20:52:53 | 怒ブログ

特に、民主党や社民党を支持している訳ではないけれど、
公明・自民が負けて良かった!!ほんとに良かった。
年甲斐もなく感激した。

民主・平岡氏が当選確実 衆院山口2区補選
2008年04月27日20時02分

 道路政策や後期高齢者医療制度が争点となった衆院山口2区補選は27日投開票され、比例中国ブロックからくら替えした民主党前職の平岡秀夫氏(54)=社民党推薦=の当選が確実となった。自民党新顔で前内閣官房地域活性化統合事務局長の山本繁太郎氏(59)=公明党推薦=は及ばなかった。政府・与党は30日に税制改正関連法案を衆院で再可決してガソリン税の暫定税率を復活させるが、民主党は徹底抗戦の構えで、5月の政局も見据えて首相問責決議案の提出時期の調整に入る。 (アサヒ・コム)




大阪府知事の涙

2008-04-24 07:22:48 | 阿呆塾
             

大阪府市町村会館で行われた、今年度大阪府本格予算編成について、知事と市町村長との意見交換会の一こまである。このテレビは、ボクが診療に行った歯科医院の待合室のものを撮った。

各市町村長が、つぎつぎと予算の再検討や、見直し、白紙撤回という厳しい意見を述べたのに対し、橋下知事は意見の最後、「大阪を建て直したいので、今、一度、ご協力お願いいたします」と声を詰まらせ涙を見せ、市町村長らに協力を呼びかける、その涙のシーンを何回もアップで写し出した。
会場から一人だけ、橋下知事に拍手を送った首長があったのだそうだ。その人物追跡という週刊誌的内容のドキュメンタリー番組である。

ボクは殆どテレビを見ないので、橋下府知事の素顔をみたのは、今日が初めてであった。このテレビが、まことしやかにその拍手の主を追っていたのを興味深く観ていたのだが、その途中でボクの診察の番が来てしまった。
 帰宅してから、ネットで「大阪府知事の涙に拍手」で検索してみた。しかし
「"大阪府知事の涙に拍手" に一致する情報は見つかりませんでした。」の検索結果であった。「に拍手」を取ったら、その時の模様が様々のサイトに載せられていた。
折角なので、その中のひとつを引用してみる。

毎日新聞電子版によると、橋下徹大阪府知事は13日、30歳以下の若手職員330人を集めて朝礼を行った。橋下知事は「朝礼を9時にやりたいと言ったら『超過勤務になる』と言われた」として、朝礼は始業時刻の9時15分から開始された。橋下知事は「たかだか15分、始業前の朝礼で超過勤務手当だと言うなら、税金で給料が賄われている皆さんの執務時間、私語やたばこ休憩は全部(給与を)減額させてもらう」と職員批判をした。これに対して、女性職員が立ち上がり「今どれだけサービス残業をやっていると思ってるんですか」と反発。「あなたは労働者をバラバラにするようなことばっかり言っている」と反論した。

 民間企業なら正規の就業時間より5~10分早めに集まって朝礼をやるのは当たり前で、これを「超過勤務になる」と反発すること自体が民間の意識とズレている。

 この朝礼で発言した女性職員は「どれだけサービス残業をやっていると思ってるんですか」と言うが、そもそもサービス残業は法令違反である。民間企業ではサービス残業の実態が発覚して、労基署の指導で残業代を払わされるケースが増えている。府職員のサービス残業分を清算して残業代を払うことになれば、その原資は府民の税金なのだ。サービス残業を声高らかに自慢しないでもらいたい。

 またこの女性職員は、自らを労働者だと言っている。これはあくまで私見だが、公に奉仕する立場にある公務員が労働者であってはならないと考える。もちろん己を捨てて滅私奉公せよというつもりはない。だが、労働者としての立場を主張するべき立場ではないだろう。

 公務員としての立場でものを考えたなら、始業時間前の朝礼を「超過勤務」などという発想は生まれないはずなのだ。【了】


これに似たような事が、大阪府とは規模こそ違うけれど、隣市でも起きたことがあったのだ。
市長の強引な改革に反対する声も大きく、反対派もその後の市長選に候補者を立てたが及ばず、再選を果たした現市長が、着々業績を上げているような身近な話を聞いているので、なおさらこの記事に思いを深くした次第なのである。

あるご宴会盛込みプラン

2008-04-20 17:15:40 | 阿呆塾

御献立Ⅰ
1,前 菜 北寄 笹竹 雲丹和へ
      鰻二身焼き
      鳥肝 オクラ チーズ串刺し
      セロリ温燻巻き
      枝豆
1,刺 身 鮪重作り
      鯛褄折作り
      甘海老姿作り
       妻物一式 山葵
1,焼 物 鱸アスパラベーコン焼き
      海老素焼き
      帆立葱味噌焼き
      エシャロット梅肉
1,揚 物 渡り蟹利休揚げ
      目光香揚げ
      エンリギ 青唐 レモン
       生野菜 タルゝソース
1,鉢 肴 牛肉柔煮 人参 椎茸
       揚玉葱 ブロッコリー
1,汁 物 釜荒スープ煮 豆腐 葱
       湿地 筍 絹莢
1,御食事 中巻き 稲荷 細巻き
     香 白生姜
1,水菓子 西瓜 キウイ バナナ 
 久しく宴会から遠ざかってきた。勿論、これまで此方が主催するような宴会は必要がなかったし、お呼ばれする機会も全くなかった。これから先は尚更であろう。
 先日○が、親子(母と娘)で花見がてら、オレに内緒で外食してきたらしい。こんなチラシを茶の間に置きっぱなしにしてあった。二人共お茶などを習った事があるので、和食党なのである。
 思うに二人で食事をし、その店に置いてあったチラシを頂いてきたのであろう。
 
 但し書きに、
◆4名さま以上のご予約のみ承りとなります。お料理は大皿でのご提供となります。
◆市場の状況、及び季節により内容は変更になる場合がございます。
◆お一人様2時間0000円にて飲み放題のご用意もございます。
◆金額は消費税込の表示となります。
◆ご予算に応じましてメニューをお作り致しますので、ご相談ください。店主
とある。

つらつら考えたら、オレと○は4月末日○○記念日となる。まさかそんなことはないと思うけれど…。いろいろと、不慮の事件か起きる世の中だから、気をまわしてしまう。
    

本の話題

2008-04-19 05:11:42 | 日録
        

★UK堂
①この店とまれ(3):常陽リビング社、1000円
②ホームレス中学生:田村裕、ワニブックス、1365円
③ダーリンは外国人with BABY・トニー&さおりの爆笑子育てルポ:小栗左多里・トニー・ラズロ、メディアファクトリー、1050円
④パスワードダイヤモンド作戦!:松原秀幸、講談社、756円
⑤おひとりさまの老後:上野千鶴子、法研、1470円
⑥家庭教師ヒットマンREBORRN!⑲:天野 明、集英社、410円
⑦ぼく、オタリーマン。:よしたに、中経出版、1000円
⑧美貌と処世:林真理子、文芸春秋、1250円
⑨プロフェッショナル:仁志敏久、伝社、777円
⑩英語ターゲット1900:旺文社、1050円
★RBL
①この店とまれ(3)
②ダーリンは外国人with BABY・トニー&さおりの爆笑子育てルポ
③つくばスタイル(6):出版社、980円
④死神の精度:伊坂幸太朗、文藝春秋、550円
⑤B型自分の説明書:Jamais Jamais、文芸社、1050円
⑥償い:矢口敦子、幻冬社、680円
⑦子供にとって大切なこと:大川法、幸福の科学出版、1470円
⑧食堂かたつむり:小川糸、ポプラ社、1360円
⑨きょうの猫村さん(3):ほしよりこ、マガジンハウス、1200円
⑩脳を活かす勉強法:茂木健一郎、PHP研究所、1155円
                  4月15日付常陽新聞

****************
①さらば財務省!=高橋洋一郎、講談社
②脳を活かす勉強法=茂木健一郎、PHP研究所
③大人の見識=阿川弘之、新潮新書
④ルポ 貧困大国アメリカ=堤未果、岩波新書
⑤3年で辞め多若者はどこへ行ったのか=白繁幸、ちくま新書
⑥不動産マーケットはこうなる=三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部、日経BP社
⑦宇宙が味方する生き方=伊藤忠彦、講談社インターナショナル
⑧人生の流儀=城山三郎、PHP研究所
⑨「基軸は人」を貫いて=井上礼之、日本経済新聞出版社
⑩正義の正体=田中森一・佐藤優、集英社インターナショナル
     (3月23~29日、八重洲ブックセンター本店調べ)
                  4月6日付朝日新聞[読書]
 これは最近の地方紙と、中央紙に載った週間best10である。
ここで意外に感じる事は、政治改革論に関する本が全く見当たらない事である。かつて毒舌とヤジを飛ばす事で有名だった、ハマコー先生こと浜田幸一元代議士の著『日本をダメにした九人の政治』が長期間ベストセラー第一位に記録されたことがあった。当時も政治改革論議が盛んだった時でもあり、小沢一郎『日本改造計画』年間ベストセラーにランクされた事もあったのである。
この当時と比べても今の政治は悪政・乱政の感が遙かに強い。しかるに憂国の政治の著書が一冊も見当たらないのは、摩訶不思議といわざるを得ない。

愚民

2008-04-17 19:43:12 | 怒ブログ
         
 雨が降り出すという天気予報なので、今日は昨日の木障払いの後片付けである。
勿論午前中だけで終わり、ブログ更新に取り掛かる筈であった。
 何を調べようとしたか、興奮のあまり忘却した。
臨時ニュースに匹敵するasahi.comのニュース記事に出会った。
「空自イラク派遣は憲法9条に違反」 名古屋高裁判断
2008年04月17日14時17分

 
自衛隊イラク派遣の差し止めや派遣の違憲確認などを求めて全国の市民3千人以上が提訴した集団訴訟の控訴審判決が17日に名古屋高裁であった。青山邦夫裁判長は原告の請求を退けた一審・名古屋地裁判決を支持、控訴は棄却したが、「現在の航空自衛隊のイラクでの活動は日本国憲法9条1項に違反している」との判断を示した。全国で起こされたイラク派遣をめぐる訴訟で、一、二審を通じて違憲判断が示されたのは初めて。
イラク派遣の違憲判決を受け、喜び合う原告ら=17日午後、名古屋高裁前、川田俊男撮影

 判決は、首都バグダッドで米軍と武装勢力との間で激しい紛争が起き、一般市民に多数の犠牲者が出ていることを指摘。「イラク特別措置法にいう『戦闘地域』に該当する」と認定し、空自のイラクでの活動は武力行使を禁じたイラク特措法に違反し、憲法9条に違反する活動を含んでいると結論づけた。

 裁判は04年2月に最初の提訴があり、7次にわたって3237人が原告として名を連ねた。名古屋地裁は06年4月、派遣差し止めを却下、慰謝料請求を棄却、憲法判断を避ける判決を言い渡していた。

 控訴審には1122人の原告が参加した。審理の中ではイラクの現状を記録したDVDを見たり、原告側が申請した証人2人が陳述するなどして、裁判官側も原告の主張に耳を傾ける姿勢を示した。

 イラク派遣差し止めをめぐっては、北海道、仙台、栃木、東京、静岡、京都、大阪、岡山、熊本で各地裁に市民が提訴したが、これまで原告敗訴の判決が出ている。


それだけではまだボクは驚かなかった。
本当に驚いて、魂消て、吃驚したのは、テレビニュースでイバラッケン医師会の歴史的対応を聞いた時である。
asahi.comにはまだ出ていない。茨城県医師会ネットで検索したら、次のような声明が出ていたのである。

『後期高齢者医療制度』に対する茨城県医師会の取組み

今日の我が国を作り上げた高齢者の生活は、社会が支えなければなりません。
この度の後期高齢者医療制度は、医療費抑制だけの目的で我が国伝統の親子関係まで分裂させて、わずかな年金から新たな保険料を徴収し、さらに年齢により人間の価値を差別する制限医療を目的とすることが明白であります。このような政策は、文化国家政府の許される行為ではありません。
茨城県医師会は、「後期高齢者医療制度」の撤回を求め、次のように運動を展開することといたしました。

後期高齢者医療制度は、高齢者に大きな負担をもたらし、医療を制限する萎縮医療そのものであり断固反対する。
 
(事業内容)
1.後期高齢者医療制度に反対であり、撤回を求めて運動する。
  1)ポスターの作成
  2)署名活動
2.後期高齢者診療料算定について
  1)後期高齢者診療料「1患者につき1医療機関」算定は実態に合わないものであり、断固反対する。
  2)後期高齢者診療料の届出を行わず、出来高払いで算定する。
  3)後期高齢者診療料の届出条件である研修会(新規企画)の開催について、茨城県医師会では行わない。

平成20年3月22日
茨城県医師会長 原中勝征


チラシはダウンロードしてご利用下さいとあった。感激した。早速本ブログに利用させて頂いた。
谷下山人九拝



薫風抄

2008-04-15 15:19:59 | 日録
               

「薫風」も「鯉のぼり」も夏の季語である。
一昨日あたりまで、あるいは今日だって場所によっては桜の花が散り、惜春の物寂しい詠嘆を感じる晩春の季節の処もあるであろう。しかし、紙一重のところで、躍動の初夏がやって来ていることは確かである。
 歳時記によれば、
 立夏(ほぼ5月6日)から立秋(ほぼ8月8日)の前日までを夏とする。とあり、暦でいえば今日はまだ4月の半ばの春ではあるが、住宅地には鯉のぼりが泳ぎ、風は初夏の薫りがした。「薫風」である。

小淵総理大臣と遇った話

2008-04-14 20:29:57 | 阿呆塾
小渕総理大臣とじかにお会いしました。
一問一答は次の通りです。
小生―景気の見通しは?
総理―1月末には良くなります。
小生―アメリカ・イギリスのイラク爆撃に、双手を揚げてエールを送っているようですが…。
総理―どうも僕は、ボキャ貧なものですから。
小生―「□の手帳」(←仲間が出してる反戦文芸雑誌)をどう思いますか。
総理―内容は、芥川賞に値いする作品ばかりです。
小生―主宰タニ君をどう評価なさいますか。
総理―ノーベル賞は無理でしょうけれど、文化勲章候補に推薦しておきましょう。

突然夢が覚めました。 (1999年日誌より)


賞味期限

2008-04-14 05:01:49 | 日録
         

妻がどこからか飴の入った箱包みを見つけ出した。これは毎年あるところから、正月に「ご年始」として頂くものである。飴は大手老舗の品物で、製造処をPRする訳では無いが非常に美味い飴である。正月大勢の人が出入りするそこでは、きまってこの老舗の飴の詰め合わせを用意して来客にお配りする。
早速開けてお茶の友にした。何気なく箱の裏側を見ると、
名称、元材料名、内容量、保存方法の表の上部に賞味期限の小さなシールが貼ってある。何と04・11・20と印刷されていた。
随分長い間仕舞い込んだものだと呆れもしたが、飴の賞味期限のあることを確認して、いろいろのことが脳裏を過ぎった次第である。
昨年は賞味期限の偽りを、内部告発で発覚した大手老舗が相次ぎお詫びの会見場面をいやと云うほど見せつけられた。
それを食べて下痢を起こしたり、病気になった訳でもないのに…、騒ぎが大きすぎた気もする。
ふとボクは、味噌や、梅干しの賞味期限をネットで検索してみた。それを見るといかに多くの人が知りたがっている事であるかが分かる。
拙宅では恐らく20年は経っていると思われる梅干しを、握り飯に入れたり、朝のお茶に添えて出している。又色の濃くなった古い手作り味噌も、白味噌に混ぜて愛用しているようだ。特にタケノコの季節、台所から漂う味噌汁の香りは、賞味期限の切れた味噌に限る、とでも言いたいような気がするのである。

z寺の桜

2008-04-12 08:56:47 | 日録

  桜の花が咲きそろう頃、毎年意地悪い風雨にさらされてしまうのは常なのであるが、今年の気象は特に異常だったような気がする。
 わが町にも、隣接するT市でも、人出に賑わう花の名所が何カ所かあるが、ほとんどは、八日(火曜日)の台風並みの風雨で致命的なものとなってしまった。
 それから比べると、ここの桜はまだ見事である。
 しかも朝からの快晴で、爽やかな気分の朝詣りの行となった。
 檀家でもないZ寺朝詣り会に、ボクがどうして通うようになったのか、もう十年以上経つと思うが、そのきっかけが思い出せない。会員は現在12人である。お寺さんの行事であるから、誰もが想像される通り、概ね熟年者の集いである。しかし非常に稀なことでは事ではあるが、一昨年大学生が一人入ってきた。誰しも一回きりだろうと踏んでいたら、先月の月初め迄1年以上継続して参加したということになる。
4年生だというのに就職活動をしている様子がない。不思議に思っていたら、この朝

詣り行に啓発されたのかどうか、高野山のさる寺院で僧職の修行に入ったという事を耳にした。
 昨年はメールのやりとりもしたが、将来の事は何も聞いていなかった。3月13日の比叡大護摩の祈願項目にに「学業成就」と書いたのを思い出す。
 そうだ、今日この桜の便りをメールしてみよう。

 


本の品格

2008-04-11 21:06:45 | 本・読書
          
「女性の品格」という本が大評判のようだ。数日前の朝日新聞全面広告を見ると、「ミリオンセラー300万部突破」と大きな活字である。すごい売れ行きらしい。
 実は今日、町の大手書店チェーン店の本屋を覗いてきた。 きまり悪かったが、時間が惜しかったので勘定受付場でこの「女性の品格」の置いてある場所を訊ねてみた。
 ふだんは、コンピューターで検索してから、店内をぐるぐるめぐり、置き場に案内するのだが、今日はその必要がなかった。アルバイト学生のような若い女性だったが、コンピュータ検索をせず、直ぐにボクを案内した。そばの、「ベストセラー本」のコーナーに山と積まれてあったのである。
 新書版の本である。
 本に品格があるかどうかは分からない。ただボクは先月さる読書・講書家のK氏所蔵の、「鷗外の遺産・小堀鷗一郎、横光桃子編/小尾俊人篇註」を拝見したばかりであった。ふと両者を心のなかで比べてしまった。
【註】鷗外の遺産全3冊。
第1巻-林太郎と杏奴- 第2巻-母と子- 第3巻-社会へ- 幻戯書房刊
 
 本の場合、ベストセラーになる条件は、66もの法則はないと思う。
 我が家の茶の間のテレビでは、いま和田アキ子女史が盛んに吠え捲っている。

品格バトン

2008-04-09 22:10:35 | 怒ブログ
一時ブログサイトで、"なんとかバトン"なるものが流行った事があった。ボクも何度か受け取って楽しんだことがある。
最近はさっぱり見かけない。
新聞にこんな「本」の大きな全面広告があった。

《親から子に伝えておきたい66のこと 板東真理子》
強く、優しく、美しい女性になるための66の法則

礼状が書ける  
約束をきちんと守る
古典を読む趣味を持つ
恋はすぐに打ち明けない
型どおりの挨拶ができる
過去にこだわらない
姿勢を正しく保つ
花の名前を知っている

等など。
これに「か?」を附して、「品格バトン」なるものを発したら如何なものだろうと
愚考したのであった。

わが村ところどころ

2008-04-07 13:26:59 | 日録
        
 村の(正確にいえば「町」であるが)Y字路、T字路など道が二叉に分かれている野道にみられる「ざかまた」の卒塔婆である。最近は数少なくなってしまったが、このようにあることは確かである。
広辞苑(第5版)に依れば、
【犬供養】栃木県で、難産で死んだ犬供養をすると人の出産が軽くすむといって、女が集まって行う供養。とあるが、おなじくらいの大きさの国語辞書「大辞林」「大辞泉」には載っていない。
 ネットで検索しても、この奇習は栃木、茨城、千葉あたりに限られているようだ。しかしわがイバラッケンでも、安産を願うべき若い女性達は、もはや「産む機械」ではなくなってしまったし、供養のため集まるなどという機会は全くない。
 いま続いているこの犬供養は、専ら安産には関係ない超熟年の、おば(ぁ)ちゃん達の3月の年中行事になっているらしい。


小説「火の華」について

2008-04-05 20:45:19 | 本・読書

 文芸仲間の畏友K・A兄が、若い頃(昭和54年)地方新聞の懸賞小説に応募し、佳作入選を果たし、毎週土曜日の新聞文芸欄に連載された。この地方新聞は、中央の大手新聞と違い、購読者数もある程度限られていたから、この快挙を知った人は数少なかった。殆どの人が知らなかったといってよい。
 次は小生がその紹介を兼ねて、町の文芸仲間達の発行する文芸誌に投稿したものである。(平成11年発行)

K・A氏の創作「火の華」については、本誌の第2号で、私が「わが町の文人たち」という題名で触れたことがあります。それはJ新聞社が創設した文学賞「長塚節賞」に、氏の作品が佳作入賞した事実を簡単に述べたものでした。私は、その作品の掲載された紙面を切り抜いてスクラップ帳に大事に貼り付けて、とっておいたのですが、毎週土曜日ごとに、14回にわたる大作の小説であったのに対して、私の所持分は回不揃いの僅か6回分だけでした。ですから、その内容は全く断片的なもので、わずかに諳んじていたのは、
 《長い梅雨も後期の七月に入って急に寒い日が続き、それは百年ぶりとかの異常低温を記録したのだが、ちょうどその時期には、三木は夜勤であったため、季節感とは全く逆行する寒さを経験したのだった。》の書き出し部分の数行だけでした。その名文に感動したのを覚えています。 この四百字にして約五枚半の掲載一回分は、(2)回目から空白が(7)回まで続き、(8)回目の物語は、いきなり主人公三木の職場内での同僚との会話で、彼が熱中しはじめたラジコン機についてのやりとりへと展開していく行くのですが、この空白部分がと、(11)回目から(14)回の完結までの分が欠けており、またその切り抜きも、発行年月日のところが抜けてしまっていたのです。 作者K・A兄がもしかして保存してあるかも知れないと思って、探して頂きましたところ、残っていたのは「長塚節賞」選考結果の社告の載っていた昭和54年1月1日付のJ新聞だけでした。年月日が分かったので、今度は新聞社へ出向き綴じ込んだ当時の新聞を片っ端から閲覧して探し出し、コピーして頂きました。
その時の新聞社での対応や、当時の新聞記事から、思い出に残るその時代の世相なども伺い知ることができて、20年前に遡った感想を書き留めたいことがいっぱい出てきました。しかし冗長な駄文になりかねませんので、今回は、其の《社告》の全文を紹介することにとどめることに致しましょう。それは、次のようなものです。
                ◇
  社告《長塚節賞》佳作3編を選出
    賞金三十万円は分割進呈
  第二回長塚節文学賞を決定する第二回選考委員会は、十一月三十日午後五時M市B亭においてM、H、Hs、Hr、I(Hk氏は急病のため欠席)の四選考委員が出席、慎重審査した結果、応募作には該当者なしと決定、代わりに左記三編を佳作に選出しました。従って賞金三十万円は佳作三編に分与いたします。
 B氏(31歳)の「校舎」は、戦争を戦争そのものを描かず側面を描き乍ら、かなりの成功を見ており、後味も良いが、将来への疑点がないでもありませんでした。
 S氏(28歳女性)の「寂として夜明けは…」は、かなりの達筆者で、土地解放の「少しばかりの百姓」の生態を真摯にえがいていますが、混乱の嫌いがあり、視点にやや難があります。しかし表現力もあり、もっといいものが書ける人のようです。
 K・A氏(□□歳)も、戦後の農業生活者の生態を描いたもので、やや表現が粗雑だったり、人物の描写が類型的だったりで、難点はかなりありますが、落とすことの出来ない作品でした。
 以上が、佳作三編についての大方の意見です。なお五十四年も長塚節文学賞の作品募集は引き続いて行いないますので、大方のご協力をお願い致します。
  ▽佳作三編の題名。氏名・年齢・住所

昭和五十四年一月一日
                                J新聞社