狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

カリグラフィー

2007-11-08 21:20:26 | 社会欺評
町の文化祭(芸術祭)の参加作品については、「花」というタイトルで一部紹介してみたが、192□年出生の小生にとって、生まれて初めて観る、色紙にかいてある、ヘンテコな作品が目にとまった。
「カリグラフィー」と書いてあるコーナーである。

 幸い、当番の美人女性が2人いて、観客の来ない時間を持て余しそうな格好に見えたので、問いかけてみた。

小生「〝カリグラフィー〟ってこれ何だや?」→イバラキ語「〝カリグラフィー〟と書いてありますが、日本語に訳しますとどういう意味になるんですか?教えて下さい」を、短縮した質問である。
女性A「簡単に言えば、西洋の書道です。」
小生「これ何語ですか?」
女性B「英語です。下に日本語訳が貼ってあります。」

なるほどカリグラフィー作品の下には、日本語訳のカードが貼り付けられてあった。

豊かな愛  私たちは大いなる愛をもってしても、小さなことしかできません。愛は小さな仕事を大いなるものとし、小さな貢献を大きなものにします。
小さなことをなすすべを学ぶことが出来れば、私たちは精神的に豊かになるでしょう。  マザー・テルサ

 下は先生の作で「アルファベット」を組み合わせだそうである。


新聞折込広告余話

2007-03-17 21:46:21 | 社会欺評

先週「新聞折込チラシの話」というタイトルで、このブログに書いた。
しかし、それは話題の谷間を埋めた、その日の朝刊の折込をカテゴリー(?)別に羅列したものに過ぎなかったモノだった。ところが、見て下さった方から予想外のメッセージを頂いてしまったのには、いたく恐縮している。
その中に、日ごろ私が、読書の神様として毎朝遥拝を続けている、塾講師であらせられるVIVA先生から、

『ところでチラシに塾がありませんね。お近くには塾がありませんか。もしよろしければお知らせ下さい。(開校しようかな(笑))。』

いう鄭重なコメントを頂いてしまったのである。

 そう言われて気がついて、今朝もそのチラシを『精査』して見ることにしたのだが…。
内容分析は避けるが、40㌻におよぶ、本紙の他、土曜日には「Be」版8㌻建の付録が2部、あって、かなりの新聞紙の量になる。
その量と同じ位、あるいはそれ以上のチラシが挿入されてきたのに、「学習塾」に類するものは1枚もなかった…。

こんなことを書くと、わが村は「パチンコ」に明け暮れている怠け者村に聞こえるかも知れない。しかしそれはウソだ。確かに元地主達は大金の使え道に困っているだろう。しかし子供たちも孫達には殆ど大学進学を望んでいるようだ。他所から越してきた方々の学歴水準も高いように思う。
 わが村は大型開発事業によって、村の中に1丁目から5丁目(あるいは今はもっと増えているかも知れぬ)迄ある大都市を形成中なのである。
今なら分譲中のところもある。←PRになっちゃった。
学習塾には最適の場所だろう。

 ボクがもしここの元大地主で、巨額の財があったとしたら、この一角を買取り「熟年学習塾」を開きたい。年金の使い道に困っている老人はたくさんおられる。
 ここで、老人たちに、英語や中国語を学ばせ、日本や世界の歴史の目を向け、反戦学習塾とすることが出来たら何と素晴らしい事だろう!
ただ残念ながら、ボクにはその条件を満たすものは何もない。無念である!

 

入院の記

2006-12-06 21:27:51 | 社会欺評
これは、11月21日で中断した「続々古い日記から」の続篇である。

「お早ようございます。随分早いんですね」
「眠れないから、ここでタバコをすっている所だ」この人はお金持ちの人相だと思ったら、昨日同室のKさんが言う農協の組合長だった。
朝飯を済ませドアが開けっ放しの七千円の部屋を覗いたら、応接室のように豪華に見えた。何でもその隣りは、1万円の部屋で、風呂まで付いているのとの話である。

十一月二十四日
日曜日なり。朝次男K次、妹のT子と一緒に来る。楚人冠全集5巻を持ってきてくれる。
隣村々長著作「村長室随想」を読んでいて点滴を断らしてしまい、それが気になって3時半ごろまで何も手につかず。Iさんという看護婦さんが来て伴創膏を貼りなおしてくれ漸く落ち着く。〝一攫万銀の奇策を、欲の深い世間の人々に打ち明けたい〟。ナイショ。

十一月二十五日月曜日。
寒い朝なり。病室の廊下の突き当たりは東側に面していて、朝焼けの空見事なり。背中中痒し。看護婦のIさん膏薬を持ってきてくれる。何かと態度親切なり。
Dr.K診。はじめ今日の内視鏡はなかるべしと言えしが、また戻ってきて今日やると言う。しからば食事は如何と問えば、何とかの検査もキャンセル待ちになっているので、食べない方が良いという。
採血に別の看護婦さんが来たが俺の血管は細くて採血出来ず、また来ると言って帰ってしまう。Iさんは上手なのだが。
内視鏡は10時過ぎなり。3回目なり。どうも俺は他の人に比べ拒否反応が大きいらし。

1時間ぐらいは、飲んでも喰ってもいけないとの厳命。十二時の昼食は大丈夫かなとひとりで時間を勘定する。
午前廊下から田圃を見たり。三十日にある句会は、「冬田」という兼題なので同室のKさんにそのことを話したら、良い題だといって1句認めてくれた。
向こう州のからりと見ゆる冬田かな   栞木
丸大ハムの搭威張りをり冬田晴れ    谷人
O氏と旧海軍の飛行機の話になり話が弾む。K氏もこちらの話につられて陸軍の飛行機をするのだが、陸軍の飛行機は総じてダサイ感じだと3人の飛行機談義は談笑のまま暫く続いた。

Dr.来室。病状説明。出血の方は殆ど良くなったが、食道側にある血痕がどうしてあるのか、稀に肝臓から来る事もあるので検査して更に血管造影をやろうと思ったんだが、その必要もなさそうなので、貧血がもう少し改善すれば退院しても良いとのご宣託である。
貧血 (入院時)7.5   (現在)8.0  10になるまで待ちたい。

十一月二十六日
12時半と3時前目を覚ます。3時の時点滴の針の部分が腫れて膨らんでいたので、看護婦室に行って診てもらったら、漏れているので外しておいて明日にしましょうという。
明け方痒くて身体を何回も拭く。頭も洗う。
朝Dr.が廻って来て、痒いのは点滴の中に入っている何とかの薬のせいかも知れないので、点滴を止め飲み薬にするという。
点滴を止めた途端に痒さが直ったような気分になった。Dr.皮膚科で診てもらうよう指示がある。点滴を外したので、外来の方まで遊びに行った。Dr.Kは廊下などで出会っても、向こうから声を掛けてくれる。

十一月二十七日
体の痒みとれぐっすり眠る。昨日まで12時前に必ず小便に起きたのに昨夜は起きず。
明け方Kさんが起き出して、ベットの傍で転んだ物音で飛び起きる。急いで起こしてやったら、また転倒した。横腹を抑え痛がるので、看護婦を呼んで手当てをしてもらう。

Kさんは夜になると入れ歯を外して寝るので、言葉がハッキリしないから重病人のように見えるが、普段は確りしていて、品の良いお爺さんになるときもある。
いつも5時半ごろ起きるのに、今朝はKさんの騒ぎがあった後なので眠い。身体も何となくだるい。6時半まで寝てしまった。

起きて先ずお茶が飲みたいと思うなり。しかし今日は内臓の超音波検査で食止め出お茶も駄目。同室のO氏も、K氏も同じく食止めである。空腹甚だし。
O氏、K氏の順で検査室の呼び出しがあり、俺が最後になる。10時を過ぎていたり。O氏は血管造影だそうで、検査が終わってからも一日寝ていなければならないとぼやいていた。

検査室で、近所のM子さんに遭う。町の検診でヒッカカッテしまったと言った。
Dr.の説明が今日もある。一昨日とほぼ同じ説明だが、血痕のあたりが非常に珍しい現象でそこから出血するのを恐れて大事をとっているのだそうだ。何れにせよ血管造影は今回は見送りで、貧血の改善で退院できるとの事である。退院は来月つまり来週(十二月)初めになりそうだ。
俺の方の見通しは明るくなったが、体調の悪い妻に忙しい思いをさせてしまって気の毒である。
夕方風呂に入る。鏡に映ったわれの身体、ボツボツ染みになっていて肋骨ばかりあらわに見えて哀れなり。


新聞記事切り抜きから

2006-11-16 20:06:37 | 社会欺評



新聞記事切り抜きを、目下見直し作業中。切り抜いただけで、年代別(近代史)ではないから、参考部分を、書き取っておいた「日録」と思っていただきたい。

2006.5.27
安倍晋三官房長官は26日(2006.5)の衆院教育基本法特別委員会で「個人としての感想」と断ったうえで持論を展開、憲法改正の必要性を力説した。麻生太郎外相も、明治天皇の名で国民道徳や国民教育の理念を明示した教育勅語に関して自説を披露した。

 安倍氏は「私はもともと改憲論者だ。それには三つの理由がある」と指摘。「一つは憲法の制定過程。占領下に(連合国総司令部内の左派グループの)若きニューディラーを中心に原案がつくられた。そして制定から60年近くたって、現状と必ずしも合っていないところがある。
三つ目はやはり、私たち自身の手で憲法を変え、時代を切り抜く精神こそが新しい時代を作っていくからだ」と訴えた。

また、自民党も(昭和30年の)結党の精神は、占領体制下でつくられた枠組みである憲法や教育基本法は、自分たちでつくっていこうと掲げていた。しかし、これが後回しにされてきた。しっかりとした決意を持って教育基本法改正に臨んでいる」と強調した。

麻生氏は「教育勅語は私の世代にはもうなかった」と断りながらも「朕惟フニ…」で始る教育勅語をそらんじてみせた。
「お父さん、お母さんに孝行しなさい、兄弟、夫婦は仲良くしなさいと当たり前のことが書いてある。ここまでは全然、おかしくない」と指摘した上で「『天壌無窮(テンジョウムキュウ=永遠に続くこと)ノ皇運(コウウン=皇室の運)ヲ扶翼(フヨク=助けること)スヘシ』と書いてあるのが引っかかる。
『国運』ならばよかった。しかし、戦争に突入したこととの関係はなかな見いだせない」と解説した。(産経新聞2006.5.27)

雌鳥歌えば国滅ぶ

2005-10-12 22:33:36 | 社会欺評
証人喚問の頃
 今日、週刊誌が捨ててあったのを、ミジメに思ったけれど拾ってきた。週刊誌だって320円もするのだ。勿体ないではないか。

 週刊誌といえば、女性週刊誌でさえ嘗ては、裸女の妖艶なグラビア頁から始まるのが主流だった。「ヘアー露出」などといって女性の陰毛まで写したものである。
 ずっと以前、ある歯科医院の待合所においてあった女性□□という週刊誌を開いたら、袋とじ部分が開かれていて,「男性を悦ばせる方法」とあり、なんと男性のpenisを、女性が啣える絵図があったのには、小生はうっかり開いてしまって、慌ててページを伏せたことがある。
 この拾ってきた女性週刊誌は、そういう写真も、記事もないところ見ると、いまは絶滅したのかもしれない。あれでは、女性誌にはどうみても相応しくない。時代遅れだよネ。センスがなくちゃぁ。

拾ってきたこの女性週刊誌のグラビアページは、『今日の紀香は〝エレガンス・ロコガール〟!』『愛子さまの旅「雨のお散歩」』の2本だけの寂しいものであった。
 大概の週刊誌には、雲の上の天皇御夫妻や皇太子、雅子さま愛子さまの写真、物語がページを埋める。表紙の見出しに真紀子さんが出ていないから、ネタがいよいよなくなったのかと思ったら、元外相も、ムネオ先生ともども、ヤッパリ健在だった。「NHKvs朝日新聞」は女性には向かないようだ。
(おおっと、ちょっと待て。待て。まて。マテ。この週刊誌は去年(2004)の5月28号だったのだ)

しかし、そんなことはどうでも良い。そんな皇室の写真や,ムネオ先生vs真紀子さんのゴシップなんかで、誇り高き小生が、ゴミ処分の週刊誌を、拾ってまで持ち帰る猟奇心は湧く筈わないだろう。

 ボクが大いに関心を持ったのは、その表紙に
《〝債権者〟女性が涙の告発!「辻元清美さん、お金を返して!私の会社が潰れる!」》の見出しである。
『巨額の政治資金の借金返済を渋っていた辻元清美(42)。その知られざる“裏の顔〟を知人の会社経営者が明かした!』
記事もトップページで、あの泣きべそをかく、有名なシーンの写真が、大きく再現されていた。
週刊誌だから、あまり本気にはしないほうが良いと思うけれど、 土井たか子の醜態を見ても分かるとおり、今の社民党の政治屋には、碌なものはいないことは、こんな記事が書かれることを見ても明らかだろう。

残念だ。無念至極としか言いようがない。
 労働者の味方だとか(今はそんなこと言わないか…。憲法9条―ん。戦争反対。当たり前じゃあないか。それより我輩は銭がなくて困っているのだ!莫迦!)、ソーリ!などと得意になって絶叫し、秘書の給料までネコババして、泣きべそをかいて、辞めた女が、また議員バッチを付けたのだ???世の中どうなっているの。小生には判らない。なんとも判らない。中卒の学歴だからか?

 若しかして辻元が、小泉と、談合して自民景気を、煽っているのではないかとさえ疑いたくなる。ああ…、少々我輩も久しぶりに興奮してしまった。今宵は焼酎の捗がいくド!!社民党(旧社会党残党)を考えると、小生は理性だの、知性だの糞くらえと、怒鳴りたくなるのだ。

 真面目に社民党、特に純真無辜な福島党首や、神田香織さんを後援なされている方には、恂に申し訳ないが、辻元や土井に象徴されるのが今の社民党だと小生は言えたい。
 
 「雌鳥歌えば国滅ぶ」土井たか子引退の詞にする。

 



  
 

衆院選雑感

2005-09-12 22:43:24 | 社会欺評

 幾ポイント活字というのだろう。久しぶりに見る大きな1面見出しである。
 産経新聞は中の社会面も同じような大きな見出しがあった。昭和天皇が崩御遊ばされたときと比べて、同じくらい大きなポイント活字ではなかったか。

《自民圧勝与党320:衆院議席の3分の2 民主惨敗岡田氏辞任へ》=朝日新聞

 しかし、僕は今度の選挙を冷静に受け止めていたから、それほど 腹も立てず、興奮もせずに、「ヤッパリ」と納得するくらいで済んだ。僕は誰が何と言おうとも「棄権」する決意に変わりはなかったからである。

 それよりも僕の一番の関心事は土井たか子であった。朝日新聞は特に彼女の落選について何も報道されていない。も一方は当選を果たした辻元清美である。近畿比例区で前者は落選、後者は当選した。
 今ここに泣きべそをかく衆院予算委の参考人質疑の答弁中の辻元氏の大きなカラー写真付きの「社民の元看板 驚く周囲」という見出しの朝日新聞切抜きがある。この切抜きの裏側がテレビ番組表になっているから、第一社会面記事であろう。 

 今日は論評なしに朝日新聞の2003.7・20付朝日新聞社説を点検するだけにとどめる。

  辻元前議員 なぜいま逮捕か

 社民党の辻元清美前衆院議員が警視庁に逮捕された。歯切れよい言葉で疑惑を追及してきた社民党の元エースは秘書給与問題で刑事責任を問われる身となった。
 今秋の解散風が吹き始めた矢先の突然の逮捕だった。なぜ今なのか。政治的な意図はないのか。疑惑の徹底的な解明を期待する一方で、どこか、すっきりしないものを感じる人も多いのではないだろうか。

 もちろん、容疑通りならば、刑事責任は重大だ。勤務実態がほとんどない女性2人を政策秘書として登録し、その給与として計約2千万円を国からだまし取った詐欺の疑いがもたれている。

 永田町にそれほど詳しくなかった辻元前議員に秘書を紹介したのは、社民党の土井たか子党首の当時の秘書だった。その秘書らも共犯として逮捕された。
 土井氏は政治的な責任を免れない。社民党の資金管理のあり方も問われよう。土井氏には、事件についてきちんと説明する責任がある。

 同じような秘書給与のピンハネで詐欺罪に問われた山本譲司元民主党衆院議員は、実刑となっている。判決は「政治改革への国民の期待を裏切り、政治不信の原因ともなる悪質なもの」と厳しく戒めた。
 今や政治資金収支報告書にうそを書いただけで国会議員が逮捕される時代だ。政治と金の関係をできるだけ透明にすることで、政治家が説明責任を果たすことが求められている。税金の詐欺となれば、有権者を裏切るものにほかならない。

 一方で、なぜこの時期に逮捕したのか、捜査当局はきちんと説明する必要がある。解散前に辻元前議員、更には土井党首の秘書を逮捕すれば、社民党が大きな打撃を受けることは目に見えている。

 昨年3月に週刊誌が疑惑を報じ、辻元前議員は辞職に追い込まれた。それから1年4ヶ月もの間、捜査当局はいったい何をしてきたのだろうか。
 辻元前議員は政治活動を再開しつつあり、地元では人気はなお高い。次期総選挙に推そうという動きもあった。
 また、犯意を否認しているとはいえ、在宅でなく逮捕という操作手段に踏み切る必要がどこまであったのだろうか。今さら証拠隠滅などする恐れは考えにくい。辻元前議員は金利分を含めた全額を国に返納している。流用の事実は大筋で明らかだ。

 秘書給与にかかわる問題で議院辞職に追い込まれたのは、辻元議員だけではない。
 自民党に所属していた田中真紀子前外相は、ファミリー企業を使って秘書給与の一部を流用した疑いがもたれている。辻元前議員は国会で事実関係を大筋で認めた。田中氏は流用疑惑を否定している。
 永田町では国会議員の逮捕が年中行事のようになっている。だからこそ、捜査当局には、国民が納得するような徹底した、かつ公平な捜査が求められる。

 今問題となっている朝日新聞の社説引用はちょっと気が引けるが…。

物乞い考

2005-09-02 22:16:18 | 社会欺評
夕方、我が屋の台所から出てきた、空の一升瓶や空き缶等を軽トラに積んで、ゴミ蒐集場所に捨てに行った。
 毎週金曜日は、ゴミを分別して回収する指定日である。そのための小型コンテナ袋が回収場所に3個置いてあって、それぞれボトル類、ガラス空き瓶類、空き缶類と別けて入れてくるのである。

 醤油より値段が高いとされる「ナチュラル・ミネラル・ウォータ」類のボトルがコンテナから溢れ出していた一方、ガラス瓶はわが家から持ってきた酒の空き瓶のみであった。水まで買って飲むのに、日本酒は買わなくなってしまった社会を実感し詠嘆してしまった。

 時節柄ご多分に漏れず、拡声器のボリューム一杯に上げた宣伝カーが次第にこちらに近づいてきた。右翼団体のそれではない。世は衆議院選挙真只中である。

 まさかこんなゴミ置き場の方までは、現れてこないだろうと思っていたのに、ゴミ分別作業中の小生に、宣伝車から降りてきたのは、大きな名前を書いた襷がけの候補者だった。足早にこちらに近づいてきて名刺を差し出し、
「3期目の□□□□候補者自身です。頑張ります」と握手を求めるのであった。

 向こうは白い手袋をしていたが、こちらはゴミを弄っていた汚れた素手である。いたく恐縮もしたが、逆に蔑まれている感じも拭いされなかった。不快だった。
 非常に不適切な表現になるかも知れないけれど、
《□ものを乞う代わりに、「票」を他人からネダッて生活する「□□い」ではなかろうか》とも映ってしまった。
 ゴメンごめん伏字にする。

 そもそも小生は選挙の投票に行く気などさらさら無い。今回は知事選と衆院選のダブル選挙であり、決して無関心ではないのだが、結果はあまりにも明白だ。
 ヘンな宗教法人に頼らなければ、国政も侭ならない現在の選挙の仕組みを考えれば、その矛盾を政治家自身に悟らせる方法は、1票を行使しないことによって、たとえ何万分の1でもいいから、選挙の棄権率の数値を伸ばし、投票の百分率を低下させる方法以外に道はないと小生は思うのだ。
 投票率が民意を表さないほど低い数値になれば、選挙改革の芽は国会の与野党議員の党籍を問わず、自然と生まれ来るだろう。そういう運動があるとすれば積極的に参加したいというのが小生の持論である。

 1票の行使で、政治を変えようなどと愚かな考えを持つより、如何にして投票率を下げるかを考えたほうが、政治を変える1歩も2歩も近道であると確信する。

 今度の選挙で気に入らないことはうんとある。最後にそのことの一つだけを記そう。
 今回わが選挙区で、初めて新興宗教会員が、「比例区は乞命党、痴呆区は児民党の候補」と選挙運動をくり広げていることだ。借りが出来たのであるから、児民党でも次はお返しをしなければならないだろう。
 立て看板は、この二つの党以外は、官立表示板以外は協賛党をも含めて全く立っていないことだ。あるはあるは、乞命党首の立看板の数。痴呆区からは出ていないのに…。
 日本はどうなるのだろう。杞憂であって欲しい。

 ※発音通りに党名が記載になってしまったのは、パソコン「word」の 悪戯と寛容を乞いたい。