狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

天皇陛下の稲刈り

2006-09-26 17:51:00 | 日録
天皇陛下が、皇居内の水田で稲を刈るお姿を、テレビで放映されたのを拝した。
同じような光景は、昭和天皇の頃から何回か見た覚えがあるので、今更物珍しいことではない。
然し陛下のこのお姿は、恐れ多いことだけれど、けっして格好の良いものではなかった。テレビでは稲を2株3株刈り取る部分しか放映されないので、田圃にお入りになる前、どんな儀式を経て、お始めになるのか分からないが、あのお姿から想像して大それた神事ではなさそうだ。

 詳しいことが新聞にあるかと思ったら、第三社会面の僅か10行の短文に収まっていた。(朝日新聞26日朝刊)
 杉浦法相が死刑執行命令書に署名を拒否したまま26日の任期を終える見通しの記事があって、世界の気温と天気予報欄の脇に、見落としがちのような小さな記事である。

 収穫したお米は、新嘗祭、大嘗祭のとき、「皇祖皇宗」に捧げられるものであるという。これは、田植えからはじまる天皇家の年中行事で、天武天皇の時代から引き継がれている「神事」なのらしい。

 抑々天皇家のなすことは、私たちには理解できないことばかりだが、せめて、稲刈りの時くらいは、皇后さま、皇太子ご夫妻、秋篠宮様もお揃いでお出でになり、愛子様にも、鎌を持たせてお遊びをなさせる位のことが出来ないものだろうか。
あのお相撲見物の時のような、無邪気なお顔を拝見したものだ。

 天孫降臨の昔話なども、してあげられるご一家団欒の日であってこそ、天津日嗣は天地と偕に無窮なものになるだろうと、国民の一人としてふと思った次第なのである。あなかしこ。