狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

付記

2006-03-11 14:10:14 | 反戦基地
沖縄戦の凄惨、苛烈さの写真を添付したいと思い、太平洋戦争に関わる本を捜した。
第二次世界大戦文庫8<「神風特攻隊」地獄の使者>A.J.バーカー/寺井義守訳サンケイ出版という文庫本を見つけた。

1特攻と自決、そして玉砕
2サイパン、グァム、硫黄島の玉砕
3人間魚雷「回天」を開発
4航空特攻「神風特別攻撃隊」
5「回天」ウルシーに初出撃
6有人滑空爆弾「桜花」散る
7「回天」の活躍もむなし
8特攻でかざった沖縄戦
9本土決戦に備えて
これが200余ページの内容である。 第1章は降伏より玉砕を、の扉から始る。

神風特攻の創始者大西滝次郎中将
第5航空艦隊司令長官宇垣纏中将、
第1総軍指令官杉山元元帥、
日本陸海軍の最高統帥者、大元帥陛下、の御真影、
故郷の人々に迎えられる戦死者の英霊
きびしい訓練の間に肩をたたき合う陸軍の兵士たち

この順での写真掲載は続く。本文特攻隊の序章であってここまでには凄愴な写真はでて来ない。しかしページを繰るごとに、累々たる玉砕兵士の遺体の地獄絵図である。
最後の沖縄戦は眼を覆いたくなる衝撃的、激震的、ハルマドゲンの世界が展開した。
自決した牛島司令官と長参謀長の遺体も生々しく写っている。

「沖縄では10万人以上が降伏より死を選んだ」の註釈ある写真をスキャナーの入れたが、グログに載せるには余にも強烈であり、残酷であった。勿論掲載を断念し手を合わせ黙祷するだけであった。

風化

2006-03-11 12:21:56 | 反戦基地

去年の3月10日、あるホームページの「掲示板」に「今日は何の日だか知っている?」
と投稿したら、Kちゃんいう若い常連の女性の方が、
「〝水戸の日〟じゃない?」というコメントを下さった。

 8月15日は、毎年コイズミやその他多勢の先生方が、靖国神社に参拝するの、しないので問題が起きるし、甲子園の高校野球でも正午を期して黙祷を捧げるから、日米戦争終結の日ということは大概の人ならわかっていると思う。

 然るに、1945(昭和20)年3月10日の、東京がアメリカ軍B29爆撃機による大空襲で死者約10万人、焼失家屋約27万戸という、第二次大戦で最大級の被害を出したことは、すっかり忘れられてしまいそうである。

 東京では、「東京都平和の日」が条例で定められてあって、東京大空襲を記録する運動みたいのがあるらしいけれど、何万人も参加する集会なら、テレビも新聞も黙っているはずがないと思うのだが、実際静かな金曜日であった。

 せめて「みどりの日」を「昭和の日」としたり、「防衛庁」を「防衛省」にして、「愛国心」を煽る考えがあるくらいなら、
コイズミさん、61年前に起きた3月10日の「鬼畜米英の東京爆撃の日」を記念して不戦の誓いをしてみたらどうだろう。

 戦前はこの日は、1905(明治38)年、日露戦争の陸の決戦・奉天会戦で日本軍が勝利し、奉天(現在の瀋陽)を占領した日に当たり、これを記念して「陸軍記念日」となったそうである。
        ◇       ◇

 ふうか【風化】①徳によって教化すること。性霊集三「君臣―の道」②地表およびその近くの岩石が、空気・水などの物理的・化学的作用で次第にくずれさること。比喩的に、心に刻まれたものが弱くなって行くこと。「戦争体験がーする」③硫酸ナトリウム一〇水和物、炭酸ナトリウム一〇水和物のように結晶水を含んだ結晶が、空気中で漸次水分を失って、粉末状の物質に変わる現象。風解。(例によって例の広辞苑に依る)