狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

誰もみんな戸惑う

2006-03-30 21:53:11 | 怒ブログ

『文部省「固執」・戸惑う編集者
        社会科相次ぐ検定意見』
これは今朝の朝日新聞第二社会面記事の見出しである。
 その内容は
①靖国問題。 「裁判での違憲判断は傍論として述べられた。判決主文は国が勝訴しているのに、それが理解できない取り上げ方はどんなものか」。

②イラク戦争 「米国のイラク攻撃を『先制攻撃』とした記述や自衛隊の多国籍軍参加に関する記述にことごとく検定意見がついた。

③竹島・尖閣諸島の領土問題  「目立つのは、『日本固有の領土』の明示を徹底したこと。」

の三点に絞られているようだ。そして
「議論の材料を記述すべきだ」との(法制思想史)京大教授のコメントが書かれている。
 しかしこんなに教科書検定で意見が分かれているのに、素朴な考えとして、取敢えず現場の先生方はどうするんだろう。

 実は 今日町の生涯学習課主導のある実行委員会が持たれ、僕も委員の一員として出席した。席上、議題をそっちのけにして考え込んでしまった。
委員である町の女性小学校校長さん二人も出席なされていて、提示された案件に真剣な討議がなされていたからである。
今年度の町の企画として、児童に課す「読書感想文コンクール」が主たる議題であった。

新聞はいう。
《「政府の立場に沿わない書きぶりは絶対に認めないという姿勢だった」。今回の高校教科書の検定での文部科学省の「こだわり」に、社会科の教科書編集者らは戸惑いを隠さない。検定意見が集中したのは、小泉首相の靖国神社参拝に対する司法判断、イラク戦争と自衛隊派遣、領土問題の3項目。成人になろうとする
高校生向けの教材への徹底したチェックに、「教室での議論が生まれない」という心配もある。》と。