経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

パチンコ業界の斜陽化

2024-06-29 15:56:31 | 経済ニュース編

 我国のパチンコ人口は1995年の3000万人をピークに、年々減少し2023年にはなんと809万人に落ち込んでいるらしい。その主な原因は、新台のサイクルが早過ぎてつまらないからだと言うのだ。またパチンコ人口の減少により、一人当たりの回収額を増やすことになるため、出玉率が悪くなり益々つまらなくなって、さらに人口減少を誘発すると言う悪循環に陥っているのである。そしてとどめは若者たちの多くが、わざわざ出向かなければならないパチンコより、手軽にできるテレビゲームやスマホに流れてしまったのであろうか。

 私自身も10代後半からパチンコに憑りつかれ、15年間くらいパチンコ屋に奉仕した記憶がある。だが大好きだったチューリップ台が消えて全自動台が主流となり、出玉率が極端になって博打要素が強化されたことと、パソコンやファミコンの登場で、そちらのほうに興味を奪われたことなどが原因になり、やっとパチンコから足を洗うことができたのである。まさに現代のパチンコ業界斜陽化の原因とほぼ同じではないか。

 そもそもパチンコとは、大正時代に欧米から輸入された「コリントゲーム」がルーツとされていて、露店商が縁日などに置いたことがパチンコ業の始まりと言われている。いずれにせよ子供相手のゲームだったのだが、景品を飴や駄菓子に限定せず、煙草なども加えたことで、だんだん大人向けのゲームに変貌したらしい。
 そして昭和20年代の半ばに、「パチンコの神様」と言われた正村竹一氏が、現在のパチンコの基本となる画期的な釘配列「正村ゲージ」を考案し、スリルと意外性に満ちた娯楽の面白さを確立して、第一次パチンコブームが勃発したのである。その後1分間に140〜160個の玉を発射できる連発式が登場して、益々パチンコブームを煽るのだが、射幸性が跳ねあがり負ける金額も増加したため昭和29年に禁止されてしまう。
 そのため急激にパチンコ業界は落ち込んでしまうのだが、ジンミットやチューリップなどの「ヤクモノ」が開発され再び活況を呈するようになる。さらに全自動台を経て昭和55年に「フィーバー機」が登場して、空前のパチンコブームが巻き起こるのである。

 こうしてパチンコは大衆娯楽の王道を歩き続け、プリペイドカード方式の導入や遊技機へのカラーモニター搭載などの技術革新もどんどん進化し、ホールの市場規模は実に30兆円にも達する巨大産業に成長したのであった。
 ところが歴史は繰り返すが如く、駐車場での幼児の事故や多重債務問題、さらに偽造プリペイドカードの横行などの社会問題を誘発し、行政による規制、業界の自主規制などが設けられ、規模の縮小を余儀なくせざるを得なくなってしまうのである。そこに冒頭に記した要因が加わり業界全体の斜陽化を招いたのであろう。

 まあこれまで何度も危機を乗り越えてきた業界なので、このまま消滅することは考えられないが、安穏と構える余裕がないことも確かである。いずれにせよ、画期的な新機種の導入や自動化によるスタッフの削減などの企業努力が必須なことは間違いないだろう。

作:蔵研人

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