経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

ネット販売の送料について

2024-04-05 14:04:40 | 経済ニュース編

 アマゾンが圧倒的に売り上げを伸ばした理由は、進出当初に「全商品送料無料」という太っ腹な戦略が実行されたからだと断言しても良いだろう。例えて言えば、100円の商品を売るのに1000円の送料を無料奉仕する、という信じられない大盤振る舞いだった。一体どういう仕組みでそんな無謀な商売が成り立つのだろうか、とユーザーのほうが心配してしまったものである。
 もちろんこの大胆な戦略は、客の呼び込み・囲い込みとして使われた広告宣伝費のようなものであり、ほぼその目的を達成した2016年にあっさり廃止されてしまった。そして2000円未満は送料350円という仕組みに衣替えしたわけだが、やはりこれでも採算が合わなかったのか、最近になって無料配達は3500円以上、それ以外は送料410円となってしまった。
 そんな訳でさんざんアマゾンに引っ搔き回されて、無理を承知で送料値引きを追随した楽天その他の日本企業こそいい面の皮だったのである。

 さて近年ネット販売が主流になってくると、やはり送料が一番のネックになってくることは間違いない。ましてや運転手不足などで物流業界も四苦八苦している状況であり、今後も運賃の値上げは避けられないだろう。
 そんななかで各社いろいろと工夫しているのだが、規模の小さな企業では郵便局の定形外郵便をフル活用している。まっとうに宅急便を使えば最低でも720円かかる送料が、定形外郵便なら最低120円という超低料金で済むからである。ただし郵便だと届くまでに時間がかかる。土日を挟むと1週間もかかるのが弱点である。これをカバーしたのが、クロネコヤマトのネコポスなどで、料金は定形外郵便よりやや高い210円だが、2日くらいの郵送期間で投函されるのが嬉しい。

 だが今のところ最強はヨドバシカメラの自社配送システム「ヨドバシエクストリームサービス便」であろう。なんと昔のアマゾン同様、どんなに安い商品でも送料が無料で、宅急便よりも素早く正確に届くのである。そのうえご存じの通り、最低でも10%のポイントというオマケも付く。また肝心の販売価格もそこそこ安いという三拍子が揃っている。だから最近ネット販売と言えば、まずヨドバシドットコムで探すようになってしまった。
 たださすがのヨドバシも全く弱点がないわけではない。この自社配送システムは、大都市周辺の対象エリアに限定されているようだ。だからと言って対象エリア外で配送業者を使っても、今のところ送料は無料だというのが偉い!。いずれにせよ大したものである。
 またアマゾン・楽天・ヤフーなどに比べると若干品揃えが少ないのが気になるかもしれない。だがそれは安心できるメーカーの製品に限定していると考えれば納得できるだろう。

 まあいずれにせよ先にも述べた通り、今後は便利なネット販売がますます主流になることは間違いない。だが逆に言えば競合相手もひしめいているということになる。そしてますます物流の進化が期待される。極論すればネット販売とは物流産業なのだから、それを制した者が勝ち組として残ることは間違いないだろう。


作:蔵研人

 

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